マーティン/呪われた吸血少年
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マーティン/呪われた吸血少年
Martin
監督
ジョージ・A・ロメロ
脚本ジョージ・A・ロメロ
製作リチャード・P・ルビンスタイン
音楽ドナルド・ルビンスタイン
撮影マイケル・ゴーニック
製作会社ローレル・プロダクション
公開 1978年5月10日
上映時間95分
165分(オリジナル版)
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$80,000[1]
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『マーティン/呪われた吸血少年』(マーティン のろわれたきゅうけつしょうねん、Martin)は、1977年製作、1978年5月10日アメリカで公開されたホラー映画。監督はジョージ・A・ロメロ
概要

ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』(The Crazies / CODE NAME:TRIXIE / The Mad People (1973))に続いてロメロが監督した劇場用映画。現代を舞台に、人間の血を求める少年(自称84歳)と、彼を監視するいとこの老人との確執を軸に、ドラキュラ伯爵に代表される吸血鬼伝説を新たな視点・角度から描いた作品である。ロメロは本作を「自身の手掛けた作品の中で、最も気に入っている」と公言している。

本作には、後のロメロ作品に関わる出演者やスタッフ、いわゆる“ロメロ・ファミリー”が多々集まっている。カメオ出演している製作者のリチャード・P・ルビンスタインは、本作よりロメロとパートナー提携を行いローレル・グループを設立、本作以降のロメロ作品をプロデュースしてゆく。特殊メイクアップアーティストのトム・サヴィーニは本作がロメロ作品への初参加で、卓越した技術でリアルなスプラッター描写を披露した。また彼は俳優としても本作に出演している(アーサー役)。主演のマーティンを演じたジョン・アンプラスは、本作以降のロメロ作品に出演、『ゾンビ』ではキャスティング・ディレクターも務めている。クリスティーナ役のクリスティーン・フォレストもロメロ作品へ多数出演、『ゾンビ』ではアシスタント・ディレクター、『死霊のえじき』ではキャスティング・ディレクターなども担当。1981年にロメロと結婚した(後に離婚)。バイカーの恋人でチョイ役出演したゲイラン・ロスは『ゾンビ』『クリープショー』に出演。DJ役で声のみで出演し、本作の撮影監督を務めたマイケル・ゴーニックは『ゾンビ』以降も撮影監督として参加。その他、『ゾンビ』に関わるドナ・シーゲル、トニー・ブーバ、パスカル・ブーバなども出演している。
ストーリー

ピッツバーグ行きの夜行列車で、青年マーティンは女性客を襲い、睡眠薬を注射して眠らせると生血をすすった。翌朝、犯行の証拠と死体を隠蔽し、通路にあふれる乗客たちをすり抜けてホームに降り立った彼の前には、白いスーツに身を包んだ老人が待ち構えていた。彼の名はクーダ。とても同年代には見えない2人だが、関係性は“いとこ”であるという。支線に乗り換えさらに小さな町に降りると、マーティンはろくに話しかけられることもないままクーダの自宅へと導かれる。マーティンの吸血行為を知っているクーダは、彼を自宅に住まわせ、行動のすべてを監視することにしていた。マーティンを“悪魔”だと考え、「町の人間には手を出すな」と警告するクーダは、室内に十字架やニンニクを掲げてマーティンを牽制するが、彼は「病気に過ぎない」と、十字架やニンニクが何の効力もないことを示す。

クーダの経営する食料・日常雑貨店の手伝いをすることになるマーティンだったが、時おり湧き上がる血を求める衝動を抑えることができず、夜に家を抜け出しては凶行を続けていく。その一方で、クーダの孫であるクリスティーナと打ち解けた彼は、彼女の提案で部屋に電話を引く。孤独を抱え、自らが何者であるか思い悩むマーティンは、ラジオの身の上相談に匿名で電話。自分が吸血鬼であることを告白すると、彼は次第にリスナーの人気者となっていく。

互いに孤独を抱える者として共感し、マーティンは唯一、町で暮らすサンティーニ夫人と心を通わせていく。吸血衝動が次第に抑えられ、マーティンは、このまま普通の生活を送っていくかに思えた。だが、夫人が突然自殺したことをきっかけに、物語は衝撃的な結末を迎える。
スタッフ

監督・脚本:
ジョージ・A・ロメロ

製作:リチャード・P・ルビンスタイン

撮影:マイケル・ゴーニック

特殊メイク:トム・サヴィーニ

音楽:ドナルド・ルビンスタイン

日本語版制作スタッフ


プロデューサー:藤村健一(フィールドワークス

演出:吉田啓介

翻訳:笠井拓

調整:村越直、宮崎愛菜

スタジオ:グロービジョン

制作:フィールドワークス

協力:ふきカエル大作戦

日本語版制作:グロービジョン

キャスト
マーティン・マサイアス
演 - ジョン・アンプラス
(英語版)、日本語吹替 - 川本克彦自分を吸血鬼だと信じ込んでいる嗜血症の男。少年の姿をしているが、自らの年齢を84歳と告白する場面があるほか、いとこのクーダもマーティンの年齢を84歳としている。一定期間が経つと、人間の血を吸いたい欲望がピークに達し、他の町へ出かけては殺人と吸血を繰り返している。母エリナの死を機に、クーダの家に身を寄せることになるが、彼からは町の人間には決して手を出さないよう念押しされる。クーダの店の配達でサンティーニ夫人と親しくなり、やがて彼女と結ばれる。
クーダ
演 - リンカーン・マーゼル(英語版)、日本語吹替 - 玄田哲章マーティンのいとこで、マーティンのことを「ノスフェラトゥ」と呼び蔑んでいる。呪われた血族の長老が定めた掟に従いマーティンの身をしぶしぶ引き受ける。「町の者に手を出したら処刑する」とマーティンに宣言、出入りが分かるよう部屋には鳴子を仕掛けるほか、彼を自ら経営する食料・日常雑貨店で働かせ、行動のすべてを監視する。敬虔なキリスト教徒であり、町の人々(主婦層)からは、厚い信頼を寄せられている模様。
クリスティーナ
演 - クリスティーン・フォレスト、日本語吹替 - 潘めぐみクーダの孫娘。明るく快活な性格でマーティンと積極的に関わり、彼のことを親身になって心配する。その一方で、恋人アーサーとの将来に不安を抱え、クーダの独善的な行動にも振り回されており、閉塞した環境に苦悩している。クーダの偏執的な性格に嫌気がさし、アーサーとともに町を出てゆく。
サンティーニ夫人
演 - エレイン・ナデュー、日本語吹替 - 深見梨加町に住む中年の既婚女性。夫が出張がちのため、ほぼ独り暮らしのような状況である。また夫が他の女性と浮気をしていることも知っていて、精神が多少不安定になっている。クーダの店の配達でやってきたマーティンに興味を抱く。彼に悩みを打ち明けるうちに親しくなり、やがて肉体関係を持つように。だが、その後突然バスタブで手首を切って自殺する。
アーサー
演 - トム・サヴィーニ、日本語吹替 - 江原正士クリスティーナの恋人。整備士だが町での仕事が少なく別の町へ移ろうと考えている。クリスティーナとの関係にも進展がなく、彼女との衝突が絶えない。彼女とは最終的には破局するが、クーダと決別した彼女を自分の車に乗せ一緒に町を出る。


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