マーズ_(漫画)
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本作を原案としたロボットアニメについては「六神合体ゴッドマーズ」をご覧ください。

惣領冬実の漫画「MARS(マース)」とは異なります。

マーズ
ジャンルSF漫画
漫画
作者横山光輝
出版社秋田書店
掲載誌週刊少年チャンピオン
発表号1976年14号 - 1977年10号
OVA
監督西村純二
脚本十川誠志
キャラクターデザイン本橋秀之
メカニックデザイン佐藤千春、堀井敏之
製作ケイエスエス
発売日1994年
アニメ:神世紀伝マーズ
監督ふじもとよしたか
シリーズ構成藤川桂介
脚本藤川桂介
キャラクターデザイン智秋
メカニックデザイン伊藤浩二
音楽元倉宏、AMAZeus
アニメーション制作プラム、スタジオガッツ
製作AT-XMEDIA NET
ニューセレクト、円谷映像
放送局AT-X
放送期間2002年10月31日 - 2003年2月6日
話数全13話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『マーズ』は、横山光輝漫画作品。『週刊少年チャンピオン1976年(昭和51年)3月29日号から1977年(昭和52年)2月28日号まで全48回、約11か月連載された[1]。同誌では『バビル2世』、『あばれ天童』に続く3作目の連載作品であり、同氏のSFジャンル作品では最後の週刊誌長編連載に位置する。連載当時の冷戦を含む世相に対する警鐘のような作品で、衝撃的なラストで幕を閉じた。

本項では漫画作品に加え、これを原作とした同名のOVA、およびテレビアニメ『神世紀伝マーズ』についても取り上げる。
あらすじ

海底火山の噴火によってできた新島「秋の島新島」を取材していた毎朝新聞記者・岩倉は、島の上に立つ全裸の少年を発見する。言葉も話せず、身元も不明なため、医者に引き取られることになった少年だったが、瞬く間に言葉や、様々な事柄を習得していくなど非人間的な能力をのぞかせ始める。実は、彼ははるか太古(古代エジプト文明の時代)に地球に訪れた異星人が地球人の潜在的な進歩の可能性とその残虐な本性の将来を恐れ、宇宙にとって地球人が危険な存在となった場合に地球ごと破壊し人類を抹殺するキーとしてセットされた少年「マーズ」だった。

しかしマーズは、火山活動の影響により予定(21世紀末)より100年早く目覚めたため、地球を破壊するという使命を忘れていたのだ。マーズと同じく異星人により地球にセットされた6人の監視者に、危険な存在となった地球人を滅ぼすように促されるが、地球人が滅ぼさなければいけない程に危険な存在とは思えなかったマーズは、地球を滅ぼすためのロボットでもある「ガイアー」とともに、6人の監視者と彼らの操るロボット「六神体」と戦う決意をする。

かたや、秋の島新島に隠されたマーズの秘密を探りに行った岩倉記者は、爆発の影響でマーズを格納していた部屋に閉じ込められてしまった。そこでマーズの教育装置の表示する文字を解読した岩倉記者は、恐るべき事実を知ったのであった。

不具合を起こしたマーズを始末せんとする監視者達の挑戦を退け、第四の神体までを破壊することに成功するが、東京が第五の神体ウラエウス、そして第六の神体ラーに襲撃される。自衛艦を使ったおとり作戦でウラエウスを撃破したマーズだが、六神体すべてが破壊されたときにガイアーが爆発すると知ってしまい、ラーを相手に苦戦する。防衛庁長官の遺言となった情報を元に、マーズはラーに最後の戦いを挑むが…。
登場人物
マーズ
秋の島新島に全裸で立ちつくす状態で発見された謎の少年。カラー画稿では赤髪・赤眼で描かれる事が多く(モノクロ画では黒ベタ)、収容時の病院着以降は院長提供と思われる白いジャケットを着用し、中のシャツは物語の進行に応じて3回(横ライン、チェック、青シャツ)着替えられた。その正体は
異星人によって地球を破壊するべくキーとして地球にセットされた人造人間(無性生殖人間)。身体能力は人間を遙かに凌駕しており、ビルの屋上から屋上へと跳躍できるほどのジャンプ力を持ち、その拳は岩をも砕く。毛髪はマーズの体温以外では鋼鉄のような硬さとなり、その髪の毛を飛ばして対象を攻撃することもできる。火山活動により予定より100年早く目覚めたため、使命を忘れてしまっていた。怪我を負った場合は通常の(地球人向けの)医療行為では治らない。回復力は並々ならぬものがあるが、ある程度の怪我を負うと細胞が腐り始めてしまい、そうなった場合は『秋の島新島の装置内にある細胞液』でしか治療できない。またレントゲンでは頭部が写らないという特徴がある。単行本4巻・中表紙画(連載時第34話扉絵)でマーズの頭部の中は機械で構成されており、この部分を隠すためにレントゲン線を通さない特殊な処置を施されている事がうかがえる。先述の予定より早く目覚めた理由として、この機械部分が地殻変動の影響で変調したため、言語機能も記憶も初期化したのではないかと思われる。人間を、地球を滅ぼすと言う監視者達の話を聴き、10日間だけ待って考えさせてくれと提案し、その間に歴史書を読み漁り、春美の話を聞く。当初は人間に好意的で六神体と敵対し、自らの力とガイアーの全てを人間を守るために使っていたが、やがて戦闘の途中に略奪行為に走り射殺される人間の姿を見たり、マーズのせいだと人間に責めたてられ石を投げられたり、最後の神体ラーに勝利した際は「地球が滅ぶとは嘘だったのか」とマーズに襲い掛かる暴徒に打ち据えられるなど、人間達の醜い一面に触れ、またマーズを守るため(止むを得ず)暴徒を射殺する自衛隊を目の辺りにしてしまう。それと同時に、“ナントイウミニクイ姿ダ、コレガ人間カ……、ドウシテボクハコノ動物ヲ守ロウトシタ”とつぶやいて(表情及び話し方がそれまでと大きく違うものとなっており、頭部機能が「正常」状態になったことを示唆する)ガイアーの内蔵爆弾を起動、地球を消滅させた。名称はローマ神話の軍神マルスの英語名から。テレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』では、「明神タケル」という地球名も与えられ、設定も大きく異なる。
監視者
マーズと同じく異星人によって、地球の監視を行うためにセットされた6人の無性生殖人間。個体名はミロを除いて不明。マーズよりも先に目覚め、地球を監視してきた。現在は全員スーツ姿で世界中に散って人間社会に溶け込み、ニューヨーク高層ビルを基幹拠点としてニューヨークポスト記者を名乗る等偽装している。任務のためには自身の死を全く厭わず、人類滅亡の任務を遂行しないマーズを殺してガイアーの体内の爆弾(原作では『水爆のなん千倍の爆弾』(第1巻)、核爆弾(第4巻以降))を起爆させるため、六神体を使ってマーズに襲いかかる。身体能力はマーズ同様人間を遥かに凌駕しており、催眠術や発火能力などの超能力を持つ者もいる。派生作品ではそれぞれ別の名称がつけられている。
ウラヌスの監視者
第一の神体に搭乗する監視者。髭を蓄えた白髪の壮年男性。監視者達のリーダー格のような存在だが、最初にマーズと戦う。神体ウラヌスでマーズと戦ったが、ガイアーに敗れて神体とともに消滅させられた。OVA版では「アル」、テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「ハザード」という名で登場する。また、OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』には「激動たるカワラザキ」、2001年テレビアニメ版『バビル2世』には「ムルガ」という、彼を基にしたキャラクターが登場している。
ミロ
スフィンクス型の第二の神体に搭乗する監視者。長髪でサングラスをかけている青年男性。彼だけ唯一個体名が判明している。マーズをおびき寄せるため神体スフィンクスでエジプトを焼き払いガイアーと戦うが、高熱をもってしてもガイアーの表面の付着物を焼き剥がす程度にしかならず、最期はマーズの抹殺を他の監視者に託し神体とともに爆死した。テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「ホッパー」という名で登場する。
第三神体搭乗監視者
第三の神体に搭乗する監視者。独特な髪型に片眼鏡に髭と特徴的な風貌をしている中年男性。名前は作中に登場しない。当初は葉巻を吸っていた。第三神体でマーズを襲う。ガイアーの攻撃を受けた神体から脱出してマーズを銃撃、重傷を負わせたもののガイアーの光子弾を受けて呆気なく消滅した。OVA版では「ギル」、テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「エリント」という名で登場する。また、OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』では「衝撃のアルベルト」という、彼を基にしたキャラクターが登場している。
シンの監視者
第四の神体に搭乗する監視者。スキンヘッドの中年男性。第四神体でマーズと戦い、身体の腐敗した彼を追い詰めたが、ガイアーの攻撃を受け地中で自爆する作戦を決行、大地震を起こした。OVA版では原作と同じくシン、テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「ブロック」という名で登場する。OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』では「オロシャのイワン」という、彼を基にしたキャラクターが登場し、2001年テレビアニメ版『バビル2世』にも同じ姿のキャラクターが登場している。
ウラエウスの監視者
第五の神体に搭乗する監視者。横別けの長い前髪をした長髪の青年男性。秋の島新島にあるマーズを収納していた施設を破壊しにやってきたが、応戦装置に返り討ちにされ機体が大破、一時退却して機体を修理した。その後再び秋の島新島を襲撃し施設を破壊、さらにマーズを出させるために東京を攻撃し続けたが、自衛隊の司令官に「マーズは自衛艦ゆきかぜに乗っている」と言われ追うものの、それはマーズの流した偽情報であった。おとり作戦にかかり、ゆきかぜを襲う際にガイアーに奇襲され、最期は核爆弾で自爆した。OVA版では「ニケ」という女性に変更されている。テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「アクセル」という名で登場する。
ラーの監視者
第六の神体に搭乗する監視者。落ち着いた雰囲気の長髪の中年男性。マーズと最初に接触し、その使命を教えた。人間に対して催眠術を使うことができる。マーズを引き出すために東京を破壊し、地球人の精神的な弱さを突くように民衆達を攻撃して追い詰め続け、マーズへの不信感を煽る。さらに民衆達に「政府は自分たちをだましている」とそそのかし、「マーズを引き渡したら攻撃をやめる」と嘯くなど、特に冷酷で狡猾な作戦を用いる。マーズの作戦で神体ラーを作動停止に追い込まれた(破壊はされていない)後、マーズと肉弾戦で戦い敗れて死亡した。死の間際、マーズが「正気」に返り、使命を思い出す事に任務達成の望みを託し、「正常に戻れ」と言い残す。地球人にとって不幸なことに、その望みは直後に実現した。OVA版では同じくラー。テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「ラッシュ」という名で登場する。
その他の登場人物など

岩倉記者
秋の島新島で最初にマーズを発見した毎朝新聞の記者。その後マーズに関わる地球の危機を知り、秋の島新島に戻り上陸した際、マーズが安置されていた施設に閉じ込められてしまう。何とか脱出するため、また少しでも役に立とうと文字を解読する勉強をしていた際、マーズを含む監視者たちと六神体の秘密を知ってしまう。食べるものもなく(仕方がないので自身の革靴や皮ベルトを食べた)、飲み水もマーズ治療用の細胞液しかない状態(最初は「変な味の水」として飲んでいたが、治療用の細胞液であることを知ってからは飲むのを止めていた)の中で衰弱。


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