マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件(マージョリー・ストーンマン・ダグラスこうこうじゅうらんしゃじけん)は、2018年にアメリカ合衆国・フロリダ州ブロワード郡パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高等学校 (Marjory Stoneman Douglas High School) で発生した銃乱射事件。
現場の学校名はフロリダ州の環境保護に功績のあった同名のジャーナリスト、マージョリー・ストーンマン・ダグラスにちなむ。 2018年2月14日午後3時頃、同高校を退学処分とされていた19歳の元生徒が校内に侵入。元生徒は、火災報知器を作動させ、生徒が逃げようと避難を始めたところにAR-15ライフル(M16自動小銃の民生型)を乱射。生徒や教職員17人が死亡する惨事となった[1]。 元生徒は、5つの教室に乱射後、高校を立ち去り警察に拘束されるまでにウォルマートやマクドナルドに立ち寄る特異な行動を見せた。警察の取り調べに対し、攻撃を指示する声を聴いたとの供述をしているほか、うつ状態になり治療を受けていた経歴も明らかになった[2]。 一方、白人至上主義団体に所属し、軍隊式訓練に参加していたことも判明している[3]。 逮捕後、犯人の生い立ちや数多くの困難を抱えていたことが伝えられたこともあり、拘置所には全米や欧州各地から同情の手紙が殺到。1カ月余りで100通を超える量になった[4]。 犯人の男は裁判を通じて罪を認めて謝罪。「もう一度チャンスを与えてくれるなら、人々を助けるために全力を尽くす」と述べた[5]ほか、弁護人は男が生涯を通じて、精神疾患と発達の遅れに苦しんでいたと主張した[6]。 2022年11月2日、フロリダ州地方裁判所は、殺人罪に問われた男に対し仮釈放なしの終身刑の判決を言い渡した[7]。 現場に駆け付けた保安官代理は、校舎に突入せずに待機しており被害を拡大させたとして批判され辞職に追い込まれた[8]。ドナルド・トランプ大統領は、後日、「私ならたとえ武器を持っていなくても突入していたと思う」と語り、現場の保安官代理らを非難する発言を行っている[9]。フロリダ州の検察当局は、2019年6月5日までに保安官代理を職務怠慢や偽証など11件の罪で訴追した[10]。 2018年2月20日、フロリダ州議会下院は、被害に遭ったダグラス高校の生徒が傍聴する中、アサルトライフルと大容量の弾倉を禁止する法案の提出を求める動議について採決を行ったが、反対多数で否決している[11]。 2018年3月7日、フロリダ州議会下院は、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校公安法を可決。同法は、銃の購入可能年齢の引き上げ、銃の連射を可能にする改造部品の禁止、精神疾患対策のほか教職員らの武装を条件付きで可能にすることが盛り込まれている。同月9日、フロリダ州知事が法案に署名して法律は成立した[12]。 銃の販売も手掛けるスーパーマーケット、ウォルマートは販売ポリシーを変更し、購入最低年齢を18歳から21歳に引き上げる方針を打ち出した[13]。 事件後、銃規制に反対する全米ライフル協会に対する批判がソーシャルメディアを中心に強まった[14]。こうした動きに対し、協会員に対して割引制度や優遇サービスを提供してきた航空会社などは、制度の廃止や縮小を打ち出した[15]。
概要
犯人像
事件後
保安官代理の対応
議会の対応
銃の販売年齢
全米ライフル協会への逆風
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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