マーキュリー・レッドストーン3号フリーダム7搭載の撮影機で撮られたアラン・シェパードの静止画像
任務種別試験飛行
運用者NASA
任務期間15 分28 秒
遠地点187.50キロメートル
特性
宇宙機マーキュリー宇宙船 No.7
製造者マクドネル・エアクラフト
打ち上げ時重量1,830キログラム (4,040 lb)
着陸時重量1,051キログラム (2,316 lb)
乗員
乗員数1
乗員アラン・シェパード
コールサインフリーダム7
任務開始
打ち上げ日1961年5月5日
14時34分13秒 UTC
ロケットマーキュリー・レッドストーン
マーキュリー・レッドストーン3号(マーキュリー・レッドストーン3ごう、MR-3、通称フリーダム7)は、アメリカ合衆国初の有人宇宙飛行である。宇宙飛行士アラン・シェパードを搭乗させ、1961年5月5日に発射された。MR-3はマーキュリー計画における最初の有人飛行であり、同計画の主眼は飛行士を地球周回軌道に到達させ、かつ安全に地球に帰還させることにあった。シェパードのフライトは15分間の弾道飛行であり、その主な目的は発射時や大気圏再突入時の強烈な加速度に人体が耐えられるか否かを検証することであった。
シェパードは自らの宇宙船にフリーダム7と命名した。これに倣い、その後の6名の飛行士たちも自分が乗る機体に独自の名前をつけることとなった。マーキュリー計画で有人飛行をした機体の名称には、アメリカ初の7名の宇宙飛行士マーキュリー・セブンにちなみ、すべて数字の7がつけられていた。シェパードの機体は高度187.5キロメートルに達し、水平距離487.3キロメートルを飛行した。また大西洋沿岸のフロリダ州ケープカナベラル空軍基地からレッドストーンロケットによってマーキュリー宇宙船が打ち上げられたのは、これが4度目のことであった[Note 1]。
飛行中シェパードは地球を観測し、また姿勢制御装置をテストして宇宙船の熱遮蔽板を進行方向に向け、大気圏再突入に備えた。さらに彼は逆噴射ロケットにも点火した。弾道飛行では宇宙船は野球のフライのように地球の重力に引かれて自然に落下してくるため、逆噴射は本来は行う必要はないのだが、今後の軌道周回飛行では帰還の際に絶対的に不可欠になるものであるため、宇宙空間における噴射試験を実行したのである。再突入後、宇宙船はバハマ沖の北大西洋にパラシュートで着水し、シェパードとともにヘリコプターでホイストされ、USSレイク・シャンプレインに回収された。
この飛行は技術的には成功したものであったと言えるが、3週間ほど前にソビエト連邦のユーリ・ガガーリンがボストーク1号で地球周回飛行を達成していたという事実があったため、アメリカ国民の自尊心を満足させるものとはならなかった。
準備「マーキュリー計画」も参照
宇宙船フリーダム7 (マーキュリー・カプセル#7) の機体がケープカナベラル空軍基地に届けられたのは1960年12月9日のことであった。