マーキュリー・アトラス9号
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Mercury-Atlas 9
徽章

ミッションの情報
ミッション名Mercury-Atlas 9
宇宙船Faith 7
質量1,360キログラム (3,000 lb)
乗員数1名
コールサインFaith 7
打上げ機アトラス LV-3B
発射台LC-14 (CCAF)
打上げ日時1963年5月15日
13:04:13(UTC)
着陸または着水日時1963年5月16日
23:24:02 UTC
.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯27度30分0秒 西経176度15分00秒 / 北緯27.50000度 西経176.25000度 / 27.50000; -176.25000
ミッション期間1d/10:19:49
周回数22周
遠地点267キロメートル (144 nmi)
近地点161キロメートル (87 nmi)
公転周期88.5分
軌道傾斜角32.5°
航行距離878,971キロメートル (546,167 mi)
最高速度28,239キロメートル毎時 (17,547 mph)
最高加速7.6 g (75 m/s2)
乗員写真

ゴードン・クーパー
年表

前回次回
MA-8 ジェミニ1号

マーキュリー・アトラス9号(マーキュリー・アトラス9ごう、Mercury-Atlas 9)は、アメリカ合衆国マーキュリー計画で打ち上げた最後の有人宇宙船コールサインはフェイス7 (Faith 7)。

1963年5月15日ケープカナベラル空軍基地より打ち上げられた。
ミッションハイライト

前回のマーキュリー・アトラス8号(シグマ7)の飛行がほぼ完璧な成功であったため、NASAはこのまま計画を続けて余計な事故を起こすよりも、次の段階であるジェミニ計画(2人乗り宇宙船)に移行しようと考えた。

しかし、有人飛行センター(現在のジョンソン宇宙センター)の見解は異なっていて、ソ連の一人乗り宇宙船であるヴォストークは1日以上の飛行を既に実現してるのだから、マーキュリー計画(1人乗り宇宙船)でもソ連と同レベルの飛行を実現すべきだと考えた。

1962年9月には、NASAマクドネル・エアクラフト社にマーキュリー計画の宇宙船が1日以上の飛行に耐え得る様に改造する事を依頼した(潜望鏡や余分な推進装置を削減し、バッテリーと酸素タンクを追加)。Lift off of MA-9

1962年11月にゴードン・クーパーがパイロットに、アラン・シェパードがバックアップに選ばれた。

マーキュリー・アトラス9号は北緯32.5度から南緯32.5度までの世界のほとんどの地域を飛行することになるため、28隻の船舶、171機の航空機、18,000人もの技術者によるサポート体制が敷かれた。5月14日に予定されていた打ち上げは、バミューダ海域のレーダー故障により15日に延期された。
飛行中のトラブル

打ち上げ後、9周目の地球軌道飛行中にトラブルの兆候が現れ始めた。宇宙船の重力計が0.05g (0.5 m/s2) を指示した。これは宇宙船が減速していずれ大気圏に突入することを示すのだが、計器の故障であることが判明した。20周目には高度計が故障し、21周目には250ボルトのメインインバーターのショートが発生し、自動姿勢制御装置が停電した。

21周目に歩哨船 (Coastal Sentry Quebec) に乗って日本九州付近を航行中であったジョン・グレンが、無線で逆推進操作用の改訂版チェックリストの準備を手伝った(システムの故障で、手動操作が大量に追加されたため、チェックリストの改訂が必要になった)。当時は通信衛星がなく、無線の中継が出来なかったため、21周目で宇宙船と通信が可能だったのはハワイザンジバルだけであったが、通信状態は良好であった。

船内と宇宙服の二酸化炭素濃度が上昇する問題も発生し、ザンジバル通過中の交信ではクーパーが「問題が雪だるま式に膨れ上がっている」と報告しているが、これらの山積する問題の中にあっても、クーパーは終始冷静に対応していた。21周目の最後にクーパーは再びグレンと交信し、チェックリストの実行完了を報告した。グレンが逆推進ロケット点火の10秒カウントダウンをし、クーパーは34度の機首下げ姿勢を取りながら逆推進ロケットを点火した。

15分後、第一回収船 (USS Kearsarge) から6kmの地点に着水した。数々の問題があったにもかかわらず、その当時では最も正確に予定地点へ着水することが出来た。[1]

マーキュリー・アトラス9号でトラブルが頻発したため、マーキュリー計画の飛行をもう一度行うかどうかが検討された。アラン・シェパードによるマーキュリー・アトラス10号が1963年10月に打ち上げられ、3日間で地球を48周する予定であったが、NASAはジェミニ計画への移行を決定したため、打ち上げられることはなかった。

マーキュリー計画はここに終了することになった。
宇宙船の展示場所ジョンソン宇宙センターに展示されているフェイス7

フェイス7はテキサス州ヒューストンジョンソン宇宙センターに展示されている。
出典^ NASA SP-45 "Mercury Project Summary Including Results of the Fourth Manned Orbital Flight"


This New Ocean: A History of Project Mercury - NASA SP-4201

NASA NSSDC Master Catalog

Project Mercury - Results of the Fourth Manned Orbital Flight - NASA SP-45 - 1963

Mercury-Atlas 9 Composite Air-to-Ground and Onboard Voice Tape Transcription











マーキュリー計画
全般

NASA

スペース・タスク・グループ(英語版)

宇宙開発競争

宇宙飛行
Mercury program capsule
ミッション

有人

弾道 : フリーダム7

リバティー・ベル7
地球周回軌道 : フレンドシップ7

オーロラ7

シグマ7

フェイス7
中止 : マーキュリー・アトラス10号(英語版)

無人

リトル・ジョー1号

ビッグ・ジョー1号

LJ-6

LJ-1A

LJ-2

LJ-1B

緊急脱出用ロケット海岸発射試験

MA-1

リトル・ジョー5号

MR-1

MR-1A

MR-2

MA-2

LJ-5A

MR-BD

MA-3

LJ-5B


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