マンモス
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「マンモス」のその他の用法については「マンモス (曖昧さ回避)」をご覧ください。

モンマス」とは異なります。

マンモス属
生息年代: 5?0.0045 Ma Pre??OSDCPTJKPgN
ケナガマンモス (M. primigenius) 復元図
地質時代
鮮新世 - 更新世
分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
上目:アフリカ獣上目 Afrotheria
:ゾウ目 Proboscidea
:ゾウ科 Elephantidae
亜科:ゾウ亜科 Elephantinae
:アジアゾウ族 Elephantini
:マンモス属 Mammuthus

学名
Mammuthus Brookes1828



† M. africanavus アフリカマンモス

† M. armeniacus アルメニアマンモス

† M.columbi コロンビアマンモス

† M. exilis コビトマンモス

† M. hayi

† M. jeffersonii ジェファーソンマンモス

† M. lamarmorae

† M. meridionalis メリジオナリスゾウ

† M. primigenius ケナガマンモス

† M. protomammonteus ムカシマンモス

† M. subplanifrons

† M. sungari ショウカコウマンモス

† M. trogontherii ステップマンモス

マンモス(旧象[1][2]英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。

現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある。シベリア北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である。実際にはマンモスは大小数種類あり、シベリア以外のユーラシア大陸はもとより、アフリカ大陸南アメリカ大陸に広く生息していた。特に南北アメリカ大陸に生息していたコロンビアマンモスは、大型・短毛で、かつ最後まで生存していたマンモスとして有名である。
誕生と絶滅ケナガマンモスの復元模型

最古のマンモスは、約500万 - 400万年前、北アフリカにおいて生まれたと考えられている。そのあらましは、およそ次のとおりである。
誕生

700万 - 600万年前に、アフリカゾウ属 (Loxodonta) から、「インドゾウとマンモスの共通の祖先」が分岐した。さらに600万 - 500万年前に、その「インドゾウとマンモスの共通の祖先」から、アジアゾウ属 (Elephas) とマンモス属 (Mammuthus) に分岐した。

Mammuthus subplanifrons は、約400万 - 300万年前に生息したとされる最古のマンモスの一種で、南アフリカ共和国ケニヤなどから化石が出土している。チャドリビアモロッコチュニジアで見つかった Mammuthus africanavus も最古期のマンモスと信じられ、一説に約480万年前に生存したとされるが、出土したのは臼歯と牙のみであり、これら「最古のマンモス」については異論もある。

約300万 - 250万年前、アフリカからヨーロッパに北上して移住する過程で、マンモスは新しい種 Mammuthus meridionalis を誕生させた。さらに、アジアシベリアを経て、約150万年前には北米大陸まで広がった。当時シベリアとアラスカの間にベーリング海峡は存在せず陸続き(ベーリング地峡)だったため、自由に往来ができた。
絶滅

更新世末期にあたる約4万 - 数千年前に多くの大型哺乳類と共にマンモスは絶滅した。最後のマンモスは紀元前1700年頃に東シベリアの沖合にある北極海(チュクチ海)上のウランゲリ島狩猟されたという説が提起されている。

原因は未確定であるが、有力な仮説として氷期末期の気候変動に伴う植生の変化を原因とする説がある。約1万年前に氷期が終わり、高緯度地域の気温が10度程度上昇した。この温暖化以前のシベリアは乾燥した大地でイネ科の草が生息する黒土地帯のような肥沃な草原が広がっていた。シベリアで発見されたマンモスのの内容物からイネ科の植物がマンモスの主食であり、他にキンポウゲ科ヨモギ類などを食べていたと推測される。

ところが温暖化に伴って湿潤化し、一年の半分は大量のが降り積もる現在のタイガへと変貌した。針葉樹林がもたらす生産力の低い酸性の土壌がイネ科の草木を激減させ、マンモスに限らずケブカサイオオツノジカなど多くの大型草食動物がシベリアから消えていった、という推定である。

その他の有力な仮説としては、ヒト狩猟の対象になったことを原因とするものがある。アメリカ大陸では紀元前1万年前後から人類が進出し、人類がマンモスハンティングに使用したクロビス石器が登場する1万1000年ごろと相前後してマンモスは地上から姿を消し始める。シミュレーションによれば、アメリカ大陸に人類が進出して800年ほどでマンモスは絶滅している。子供を一度に1頭しか生まない大型動物であるマンモスは狩猟圧に弱い動物である。

また、アメリカ大陸のコロンビアマンモスの化石の検証から伝染病説が最近の有力な仮説として提唱されている。これはアメリカ大陸でマンモスの化石と一緒に発見されたじり(人間による狩猟の証拠)は全体で7件しかないにもかかわらず、病変と見られる大腿骨の変形が8割近くの化石で確認されていることによる。この伝染病の原因は人間が連れてきた家畜であり、そのため人類がアメリカ大陸に上陸した直後にマンモスは絶滅したが、決して人類の狩猟のみによって絶滅したのではないという説である。上記のほかに、約4万年前の超新星爆発によって絶滅したとする説も存在する[3]

ただし、ウランゲリ島でのマンモスの絶滅については、最新の研究で人類の到達する約100年前にマンモスが絶滅していたと考えられること、遺伝的多様性も維持されていたという調査結果から環境の緩やかな変化や狩猟によってではなく、巨大な細菌ウイルスによる伝染病の流行といった突発的な事件によってマンモスは絶滅したのではないかという説も出されている[4]

2012年5月9日、『英国王立協会紀要』に史上最小のマンモス(肩高120センチメートル、体重310キログラム)がクレタ島で350万年前まで生息していたという研究が発表された[5]
発掘メリジオナリスゾウ(南方マンモス)の全身骨格模型


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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