マンハッタン
基本情報
種別ショートドリンク
作成技法ステア
色琥珀色[1]
グラス カクテル・グラス
アルコール度数
度数25度以上[1]
国際バーテンダー協会のレシピ
マンハッタン(英: Manhattan)は、ウイスキーベースのカクテルの一種である。カクテルの女王と呼ばれる[1][2][3][4]。 誕生については諸説あるが、1850年代から1880年代くらいまでに誕生したと考えられている[1]。
歴史
ジャネット・ジェローム考案説[3][5][4]
ウィンストン・チャーチルの母親ジャネット・ジェロームが考案したとする説。1876年アメリカ合衆国大統領選挙の際、当時はまだ独身であったジャネットは民主党候補の応援に奔走していた。ニューヨークの「マンハッタン・クラブ
メリーランド州発祥説[3][4]
メリーランド州のバーテンダーが負傷したガンマンの気付け薬として考案した。アメリカ西部ではこちらの説が唱えられることが多い[4]。その際には「“マンハッタン”とはインディアンの言葉で“酔っ払い”の意味である」との追加説明がなされることもあるが、実際には「丘の多い島」という意味である[4]。ただ、マンハッタンの語源は「我々がみな、酔っぱらいにされた島」という意味の語からという説もある(マンハッタン#その他の小島の記述参照)。
ロングアイランド発祥説[7]
マンハッタン行きのフェリーを待つロングアイランド住民が考案した。
マンハッタンがカクテルブックに収録されたのは、ジェリー・トーマス(英語版)による『How To Mix Drinks』の1887年改訂版だと長らく考えられていたが、1884年にアメリカで出版されたカクテルブック、『The Modern Bartenders' guide』(O. H. Byron著)、『How To Mix Drinks:Bar Keepers' Handbook』(George Winter著)であることが確認されている[6]。
日本にも早い時期には入ってきたようであり、高野新太郎が1907年に記した『欧米料理法全書』の附録小冊子「洋酒調合法」には「マンハータン カクテル」として掲載が確認できる[6]。 Winterの著書ではベルモットの指定はないが、Byronの著作にはスイート・ベルモットを使用するレシピが「マンハッタン No.2」、ドライ・ベルモットを使用するレシピが「マンハッタン No.1」として記載されている[6]。また容量比率もウイスキーとベルモットが等量である[6]。 トーマスの著書ではスイート・ベルモットを用いるレシピが掲載されているが、ウイスキーとベルモットは1:2とベルモットのほうが容量が多い[6]。 「洋酒調合法」掲載のレシピはウイスキーとスイート・ベルモットは等量で、ビターズにはオレンジ・ビターズを用い、アブサンやガムシロップも加わる[6]。 ベルモットよりウイスキーの容量のほうが多くなるレシピの掲載は1919年刊行の『ABC of Mixing Cocktails』(ハリー・マッケルホーン
レシピの変遷
1930年代以降、徐々にウイスキーの割合が多くなる「ドライ化」が進んでいった[6]。
日本で1957年に出版されたカクテルブック『洋酒 ストーレトからコクテールまで』(佐藤紅霞著、ダヴィッド社)には「マンハッタン・コクテール」としてドライ・ベルモットを指定し、アーモンド風味のリキュールであるクレーム・ド・ノワヨー(英語版)を加えるレシピが掲載されている[6]。スイート・ベルモットを用いるレシピは「スイート・マンハッタン」と別項目になっているため、1950年代の日本では「マンハッタン」のレシピの定義は確固としたものではなかったことがうかがえる[6]。 国際バーテンダー協会によるレシピを以下に挙げる[8]。 ドライマティーニ同様に各材料の比率の違いなどバリエーションが多く、特にアメリカでは自分好みのレシピがある人も多い[9]。 上述のようにマンハッタンはバリエーションの多いカクテルである。材料の比率を変えたもの、材料の酒を変更したり追加したものなど様々である[9]。
レシピの例
材料
ライ・ウイスキー - 50ml
スイート・ベルモット - 20ml
アンゴスチュラ・ビターズ - 1dash
作り方
全ての材料を氷と共にミキシンググラスでステアし、カクテルグラスに注ぐ。
マラスキーノ・チェリーを飾る。
バリエーション
ロブ・ロイ[1][4]