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マンゴープリン
マンゴープリン(英語: Mango pudding、中国語: 芒果布丁、広東語: 芒果布甸・香芒布甸)は、香港発祥の中華風の洋生菓子。マンゴーの完熟した果肉を潰し、生クリーム・ゼラチン・砂糖などと混ぜて、冷やし固めたゼリーのこと。 プリンという名が付いているが、本来のプリンのような蒸す工程がなく、また現在は鶏卵も使用しない例が多く、ゼラチンで固めるレシピが一般的であるため、実際は乳製品の風味を加えた不透明なフルーツゼリーの一種である。 1980年代までに香港のレストランでデザートとして供され、台湾・マレーシア・日本では中華風のスイーツとして広まったが、中国大陸では洋菓子の一種とみられる。香港ではフィリピンのペリカンマンゴー 最初に作られた時期や場所は考証が必要であるが、1980年代にはすでに香港に存在している。この頃、香港でフィリピンマンゴーの流通が広がったことが背景にある。 1980年代後半から、アニメ雑誌『ファンロード』が読者を集めて行った香港ツアーでは、参加者が食べたマンゴープリンがおいしかった旨の感想が同誌で紹介された。1987年にこれらのツアーの内容をまとめて出版された『ファンロード特別編集93 香港・台湾ゲゲボ・ガイド』[1]にも、魚の形のマンゴープリンの写真に「夏場は小さい店でも食べられる」との説明があり、季節商品であったことが知れる。 出版数の多いガイドブックとしては、1989年に飛山百合子
概要
歴史
1990年代になると、香港でも出す店が増え、各種ガイドブックや雑誌も取り上げるようになると、香港のマンゴープリンは果肉たっぷりで美味であるとして日本からの観光客の注目を集めた。1997年の中国への返還を前に出版ブームとなった香港紹介本にもマンゴープリンのこうした紹介がある。この頃から日本でも独自に「マンゴープリン」と称するものが製造販売されるようになったが、香港の物とは全く異なる、風味の薄いものであった。
2005年、日本で生果としてのマンゴーの人気が高まり、再び多くの食品メーカーから、マンゴープリンを含むマンゴー入りの製品が各種発売されるようになった。また、香港の甘味処である「糖朝」が日本各地に店舗を持ち、本場レシピのマンゴープリンを展開し、ホテルや洋菓子店でも消費者の求める本物指向に応える商品が増えてきた。現在では、日本でもある程度のコストを払えば、香港に近い味のマンゴープリンを食べられるようになっている。
各地のマンゴープリン
香港魚の形(香港)
現在の香港では、各中華料理店や洋食レストランが店内で製造し、デザートとして客に供している。果肉をある程度残して、混ぜ込む事が多い。1990年代までは卵黄を加えるレシピも広く採用されていたが、現在は卵黄を入れないものがほとんどである。
菊の花の様なデザインで、上にハートの模様が入った金型を使って作る店が多いが、他にもマンゴーの果実の形をした金型や、魚の形をした金型を使う店もある。宴会料理では大きなボールで作った物を客が取り分けるスタイルもある。
レストランでは無糖練乳(エバミルク)をかけたり、ホイップクリームを添える場合が多いが、場合によってさらにマンゴーの果肉か缶詰のサクランボかペパーミントの葉をアクセントとして添える程度の総じてシンプルなものである。