マレーヤマバショウ
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栽培化されたバナナについては「バナナ」をご覧ください。

マレーヤマバショウ

分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:単子葉類 Monocots
階級なし:ツユクサ類 Commelinids
:ショウガ目 Zingiberales
:バショウ科 Musaceae
:バショウ属 Musa
:マレーヤマバショウ M. acuminata

学名
Musa acuminata Colla
シノニム

[1]

Musa cavendishii Lamb.

Musa chinensis Sweet, nom. nud.

Musa corniculata Kurz

Musa nana Lour.

Musa × sapientum var. suaveolens (Blanco) Malag.

Musa rumphiana Kurz

Musa simiarum Kurz

Musa sinensis Sagot ex Baker

本文参照

和名
ミバショウ[2]
現代の食用バナナの祖先種の元々の自生地域。本種は緑色で示されている[3]

マレーヤマバショウ(馬来山芭蕉、学名: Musa acuminata)は、東南アジア原産のバナナの一種である。現代の食用デザートバナナの多くはこの種に由来するが、一部はリュウキュウバショウ(Musa balbisiana)との交雑種(M. × paradisiaca)である[4]。およそ1万年前(紀元前8000年)にから栽培される[5][6]

種小名のacuminataはラテン語で「鋭い」の意。果実(インド西ベンガル州)。
記載

マレーヤマバショウはではなく、常緑多年生草本である。幹(偽茎と呼ばれる)は、完全にあるいは部分的に埋もれた球茎から生じた葉鞘が、緊密に折り重なった層で出来ている[7]

花序はこの幹から水平あるいは斜めに成長する。個々のは白色から黄味がかった白色で、負の屈地性(英語版)を示す(すなわち、地面とは反対の方向、上向きに成長する)[7][8]。雄花と雌花は、両方が単一の花序中にある。雌花は根本側にあり、果実へと成長する。雄花は先端側の革質の苞の間にある[7]

果実は細く、漿果にあたり、個々の大きさは含まれる種子の数による。それぞれの果実は15から62個の種子を含む[9]。それぞれの果房には、平均して161.76 ± 60.62個の果実があり、個々の果実の大きさはおよそ2.4 cm × 9 cmである[10]

本種の野生のものでは、種子は直径およそ5?6 mmである[7]。種子の形は亜球形あるいは角があり、非常に硬い。胚は非常に小さく、胚珠の先端に位置する[9]。個々の種子は、バナナの可食部にあたるデンプン質の柔組織に包まれる。典型的なものでは、可食部の厚みは種子の大きさのおよそ4倍(0.23 cm3)である[7][11]。本種の野生のものは 2n=2x=22の染色体を持つ2倍体であるのに対し、栽培品種はほぼ3倍体(2n=3x=33)で単為結果性であり、種子のない果実を付ける。最も身近なデザートバナナの栽培品種はキャベンディッシュ亜群に属する。こうした有用な栽培品種は、栄養繁殖から得られた自然突然変異を通して形成された[12]。種子に対する果肉の比率は、「種なし」の食用栽培品種において劇的に増加しており、23倍にあたる[11]。種子はほぼ不稔で、果実の中心軸に沿った黒い点状の粒にまで小さくなっている[7]
分類

バショウ属(Musa)のMusa(旧Eumusa節)に属する。バショウ属はショウガ目バショウ科に属する[1]。本種はいくつかの亜種に分けられる。

本種はイタリア植物学者ルイジ・アロイシャス・コッラ(英語版)により、著書『Memorie della Reale Accademia delle Scienze di Torino』(1820年)において初めて記載された[13][14]。本種に当たる植物や、本種に由来する交雑種に対しては、他にも様々な学名が発表されている。例えばリンネによるMusa sapientumは、現在マレーヤマバショウ(Musa acuminata) とリュウキュウバショウ(Musa balbisiana)の交雑種として知られているが、マレーヤマバショウを指す学名で最も古いのは、コッラによるもので、国際植物命名規約に従い、その他の学名に優先している[15]。コッラは、自然由来とはいえ、栽培品種のように種子を形成しない倍数体を用いて記載を行ったとはいえ、マレーヤマバショウとリュウキュウバショウの2種を野生の祖先種として認識した、最初の著者でもある[14]
亜種

マレーヤマバショウは非常に多様性が高く、6から9の亜種が認められる。以下は最も一般に受け入れられている亜種である[16]

Musa acuminata subsp. burmannica Simmonds

= Musa acuminata subsp. burmannicoides De Langhe

ビルマ、南インド、スリランカに分布。


Musa acuminata subsp. errans Argent

= Musa errans Teodoro, Musa troglodyatarum L. var. errans, Musa errans Teodoro var. botoan

フィリピンに分布。フィリピン語でsaging matsing、saging chonggo(どちらも「猿のバナナ」を意味する)[17][17]、saging na ligao(野生のバナナ)、agutayと呼ばれる。現代のデザートバナナの多く(AA群(英語版)およびAAA群)の重要な母系祖先種である。花序は青紫色で、未熟な果実は非常に薄い緑色。


Musa acuminata subsp. malaccensis (Ridley) Simmonds

= Musa malaccensis Ridley

マレーシアとスマトラ島に分布。ラツンダンバナナ(英語版)の父系祖先種。


Musa acuminata subsp. microcarpa (Beccari) Simmonds

= Musa microcarpa Beccari

ボルネオ島に分布。栽培品種「Viente Cohol」の祖先種。


Musa acuminata subsp. siamea Simmonds

カンボジア、ラオス、タイに分布。


Musa acuminata subsp. truncata (Ridley) Kiew

Musa acuminata subsp. zebrina(英語版) (Van Houtte) R. E. Nasution


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