マルちゃん 赤いきつねうどん
マルちゃん 緑のたぬき天そば
販売会社東洋水産
種類即席カップ麺
販売開始年1978年(赤いきつね)
1980年(緑のたぬき)
完成国 日本
関係する人物武田鉄矢
外部リンクhttps://www.akamidori.jp/
マルちゃん赤いきつねと緑のたぬき(マルちゃん あかいきつねとみどりのたぬき)は、東洋水産が「マルちゃん」ブランドで製造・販売している和風カップ麺(カップうどんおよびそば)。正式な商品名はそれぞれ「マルちゃん 赤いきつねうどん」、「マルちゃん 緑のたぬき天そば」となる。 東洋水産を代表するうどんとそばの和風カップ麺で、「赤いきつね」は1978年(昭和53年)8月に、「緑のたぬき」は1980年(昭和55年)8月に発売された。主幹となるこの2つ以外にもいくつかのシリーズ商品・バリエーション展開が存在する。 「赤いきつね」は関西だしにこだわった醤油味の汁に油揚げ麺(フライ麺)のうどんと油揚げの甘煮、卵、カマボコが入ったきつねうどんである。油揚げが大判サイズ、小判サイズが各1枚ずつと計2枚が挿入された「でか盛(大盛りサイズ)」もある(当初は「赤い大きつね」の名称だった)。「緑のたぬき」は鰹だしの醤油味の汁に油揚げ麺のそばと小エビの乾燥天ぷら(天かすと小エビのかき揚げ)、カマボコが入った天ぷらそばである。大判サイズの天ぷらと三陸産ワカメが入った「でか盛」もある(当初は「緑の大たぬき」の名称だった)。両者ともに標準サイズには七味唐辛子が添付される。 赤いきつねは各地の好みに合わせ、北海道向け、東日本向け(東北地方・関東地方・甲信越地方・東海地方)、近畿地方向け、西日本向け(北陸地方・中国地方・四国地方・九州地方)の4種類が販売されている[1]。だしの素材が異なっており、東日本向けパッケージと西日本向けパッケージはそれぞれ側面部分の「E」または「W」で区別できる。 2001年(平成13年)に西日本向けから近畿地方(関西)向けが独立し、蓋に「関西」の文字を強調したマークが入っている。2005年(平成17年)には東日本向けから北海道向けが独立し、「北海道限定赤いきつね 北のきつねうどん」として北海道民の味覚に合わせている。関西向けも北海道向けも、フタに書いてある地域名で区別できる。 緑のたぬきは東日本、西日本、関西、北海道の4種類が販売されている[1]。 「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」は、自動販売機では縦型カップ版で販売されている。 2008年(平成20年)8月に発売30周年を迎えた際、「赤いきつねうどん」には小判サイズの油揚げを、「緑のたぬき天そば」には小えび天を、それぞれ在庫が無くなり次第販売終了として追加添付した。 2009年(平成21年)8月のリニューアル版より、うどん・そばともに油揚げ麺の製法が大幅に改良され、麺の食感、および麺の喉越し感が向上している。 コンビニエンスストアでは、2009年10月より「マルちゃん 赤いきつねうどん ふっくらお揚げ2枚入り」「マルちゃん 緑のたぬき天そば かき揚げと小えび天入り」が全国の店舗限定で発売されている。希望小売価格は一般品と同じ170円である。蓋部分の「きつね」「たぬき」の文字が一般品では白抜きなのに対して金色になっており、「ふっくらお揚げ2枚入り」「かき揚げと小えび天入り」の文字が入っている。 前身にあたる商品は1975年(昭和50年)9月に発売された世界初のカップうどん「マルちゃんのカップうどんきつね」である。東洋水産は、だしの加工等も行う水産会社であり、自社製だしを使った。1972年12月には世界初の和風カップ麺として、麺に蕎麦を採用した日清食品「カップヌードル 天そば」が販売開始されていたものの、当時カップうどんを手がけるメーカーは少なく、その物珍しさが話題となった。それに加え、海原千里・万里や渥美清を起用したテレビCMの効果の影響で、当時としては爆発的なヒットを記録した。発売当初、東日本向けは丼型容器、西日本向けは縦型容器だった。当時東洋水産の研究部長だった深川清司らからは「油揚げなどの製法に関する特許や、容器に関する意匠登録を行っておいた方がよいのでは」との意見が出されたというが、社長の森和夫は「その必要はない」とこの意見を却下した。 しかし翌1976年(昭和51年)に入ると危惧は的中し、ライバル・日清食品の「どん兵衛」きつねうどんを始めとする類似品が多数登場する。このため、同社は商品戦略の見直しを余儀なくされ、1978年(昭和53年)8月にパッケージなどのリニューアルを行った。この際につけられた名称が「赤いきつね」である。 発売直前まで黄色(ベージュ)の容器で「熱いきつね」という商品名が付けられる予定だったが[2]、1978年の山口百恵のヒット曲『プレイバックPart2』を聴いた当時の社長が歌詞のなかの「真っ赤なポルシェ」というフレーズに感じるところがあり、「真っ赤な、とは熱いイメージ。赤いことを基調にすれば商品自体に強力なインパクトを与えることができるのではないか」と考え、容器の色と共に急遽「熱い」を「赤い」に変更するという経緯があった。また、日清食品が「どん兵衛」のキャッチコピーとして「熱いうどん」を当時使っていたことから、類似品としてクレームをつけられる虞れを考慮して商品名が変更されたのだともいう。緑のたぬきの緑は赤の対照の色としてつけられた。 このリニューアル戦略については東急エージェンシーが企画立案を担当している。CMに起用するタレントとして、東急エージェンシーは候補に、歌手で俳優の武田鉄矢と、第1回ホリプロタレントスカウトキャラバンで優勝して芸能界デビューした榊原郁恵の2人を挙げ、最終的に武田が映画『幸福の黄色いハンカチ』(1977年(昭和52年)製作、山田洋次監督)の主役に抜擢されたことなどが決め手となり、武田が選ばれたという。
概要
つゆの地域性
仕様と変遷
発売に至る過程
主なシリーズ商品
現在
2023年(令和5年)10月現在
マルちゃん紺のきつねそば
油揚げのほかに味付豚肉が入っている。
マルちゃん白い力もちうどん
マルちゃん黒い豚カレーうどん
マルちゃん黒い豚カレー焼そば
黒い豚カレーうどんをカレー味の焼そばにアレンジしたもので、シリーズ唯一のカップ焼そば扱い。2009年度以降は夏季限定商品として発売された。
マルちゃんあじわい豚汁うどん
発売当初の商品名は「マルちゃんあつあつ豚汁うどん」だったが、2021年8月30日のリニューアルに伴い現在の商品名となった。
マルちゃん山菜乱切りそば
山菜のほかにきざみ揚げが入っている。当初は全国で発売されていたが現在は北海道専売商品となっている。
マルちゃんバリうまごぼ天うどん
「バリうま」は東洋水産の九州・山口地方限定のカップ麺商品の統一シリーズで、うどんの他に博多風・久留米風・熊本風ラーメンも発売された。
マルちゃん赤いきつね焼うどん でか盛
夏季限定商品。
マルちゃんお揚げとお揚げのきつねそば
2023年3月27日発売。具材には一枚揚げの味付油揚げと味付きざみ揚げが用いられている。
マルちゃん芋煮うどん
2023年8月7日発売。東北地方限定商品。
マルちゃん紅生姜天入り牛肉うどん
2023年9月11日発売。その商品名の通り、具材には牛肉のほか、紅生姜天ぷらが用いられている。
マルちゃん赤い天ぷらそば
2023年11月6日発売予定。かつお節のだしをベースに醤油と砂糖でバランスよく仕上げたそばつゆを基本に、具材には紅生姜入りの天ぷら、およびかまぼこが用いられている。七味とうがらし付き。
マルちゃん緑の天ぷらうどん
2023年11月6日発売予定。かつお節、昆布、煮干しの風味を利かせ、醤油で仕上げたつゆを基本に、具材にはあおさ入りの天ぷら、およびあおさ入りの揚げ玉、かまぼこが用いられている。
過去
マルちゃん黄色い博多ラーメン
1982年(昭和57年)頃に発売され、東日本・北日本でもテレビCMが放送された。あまり長続きせず、「まめバラエティパック」シリーズ用の「黄色いまめとんこつ博多ラーメン ミニ」を除き製造中止となったが、その後も度々期間限定商品として復活して発売されている。2014年3月3日に期間限定商品として再発売されたのち、2015年9月14日に縦型ビッグカップ仕様でコンビニ専売の期間限定商品として再々発売された。後述するマルちゃん金色のどらいカレーラーメンが発売されるまでは、シリーズ唯一の汁入り中華風カップ麺扱いだった。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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