マリーバードランド(英語: Marie Byrd Land)は、南極にある地域の名称。南極大陸の西部(西南極)、東南太平洋の方向にあたる。ロス海・ロス棚氷の東、エルスワースランドの西の領域である[1]。
この地域は1929年、アメリカ合衆国の海軍軍人リチャード・バードが率いた探検隊によって探検が行われた。地名はバードの妻マリーの名にちなむ。地理的な定義では西経103度01分から158度01分にかけて広がる。
南極にはさまざまな領有権の主張があるが、マリーバードランドを含む西経90度から西経150度の地域(ピョートル1世島を除く)は、いずれの主権国家によっても領有を主張されていない。この無主地を「マリーバードランド」の名で呼ぶこともある。 地理的なマリーバードランドは、エドワード7世半島先端の Cape Colbeck アメリカ地質調査所(USGS)の地名情報システム(GNIS)によれば、マリーバードランドの海岸(コースト)は、地理的に以下のように区分されている(西から東への順)。 地域西限東限説明参考
地理
位置・広がり
コースト
サウンダース・コースト
Saunders Coast
ルパート・コースト
Ruppert Coast146°31' W136°50' WBrennan Point [3] と Cape Burks [5] の間。[6]
ホッブス・コースト
Hobbs Coast136°50' W127°05' WCape Burks [5] と Dean Island 東端対岸の間。[7]
バクティス・コースト
Bakutis Coast127°05' W114°12' WDean Island 東端対岸と、 Cape Herlacher(マーティン半島先端)[8] の間。[9]
ウォルグリーン・コースト
Walgreen Coast114°12' W103°01' WCape Herlacher [8] と Cape Waite [10]の間。エルスワースランドのエイツ・コーストに接する。[11]
地形・地勢マリーバードランド
マリーバードランド東部が面する南極海の海域は、アムンゼン海と呼ばれる。
この地域には、以下の地形がある。 地理的な定義によるマリーバードランドのうち、西経150度以西はニュージーランドがロス海属領として領有を主張している。ただし、南極条約によって、南極地域における領土主権、請求権は凍結されている。 マリーバードランドの大部分とエイツ・コーストを含む、西経90度から西経150度の地域(ノルウェーが領有を主張しているピョートル1世島を除く)は、タロッサなどの非公式の国を除きいずれの主権国家によっても領有を主張されていない。この無主地を「マリーバードランド」と称することもある。1939年にフランクリン・ルーズベルト大統領がこの地域がアメリカ合衆国領であるという主張を準備したことがあるが、アメリカ合衆国による正式な領有権の主張は実行に移されなかった。
ロックフェラー高原(英語版)
エドワード7世半島
スルツバーガー湾
マーティン半島
ゲッツ棚氷
エグゼクティブ・コミッティー山脈
シドリー山
ハンプトン山
ベルリン山
タカヘ山
領有権主張