マリオン・ジマー・ブラッドリー(Marion Zimmer Bradley、1930年6月3日 - 1999年9月25日)は、アメリカの小説家、SF作家、ファンタジー作家、編集者。 歴史上の伝説に題材を採り女性主人公の視点から描くことで、男性本位や西欧キリスト教的な歴史通念・世界観とは異なる視点を提供する作品を書いていることで知られる。 代表作に『ダーコーヴァ年代記』『アヴァロンの霧』など。『アヴァロンの霧』でローカス賞ファンタジーノベル部門を受賞している。編集者でもあり、Marion Zimmer Bradley's Fantasy Magazine
活動と評価
日本ではその多くが創元推理文庫またはハヤカワ文庫から刊行されているが、2019年現在その多くが絶版となっている。 死後の2014年、英大衆紙ガーディアン紙上でブラッドリーの実娘らによる性的虐待の告発が行われた。ブラッドリーの夫、Walter H. Breen
性的虐待疑惑
3歳から12歳まで虐待を受けた実娘の告発によると、ブラッドリーは娘が父から受ける性的虐待を不問としたばかりでなく、「マリオンによる虐待はもっと酷く、彼女は冷酷で暴力的だった。彼女の性的志向は完全にイカれていたし、私以外にも被害者はいた」[2]が「私の人生よりも彼女のフェミニスト作家としての名声、またファンの安寧は重要で、それらを傷付けたくなかったため今まで口を開かなった」[3]と事であった。 これにはSF作家のコミュニティからも多くの非難が寄せられ、彼女の名声は大きく傷つけられる事となった。これを受けた出版各社は相次いで、以後の彼女の作品の電子版の売り上げ等から関連団体への寄付を行うとの声明を出した。 地球から遠く離れた惑星ダーコーヴァ ("Darkover") に不時着した人類と、そこに生まれた独自の文化の形成と崩壊を描く大河ドラマ的SF小説。『どちらかと言えばファンタジー』という評価もある。下記リストの他に、ブラッドリー自身の著作を含むアンソロジーが多数発表されている。 原題発表年、注訳書 (邦題、出版社、訳者、出版年)
作品一覧
『宇宙の秘密の扉』 The Door Through Space (久保書店QTブックス、1976年)
ダーコーヴァ年代記
The Sword of Aldones1958年『惑星救出計画』 創元推理文庫 東京創元社(大森望訳、1986年)
The Planet Savers1962年『オルドーンの剣』創元推理文庫 (大森望訳、1987年)
The Bloody Sun1964年、1979年改稿『宿命の赤き太陽』創元推理文庫(浅井修
Star of Danger1965年『はるかなる地球帝国』創元推理文庫(阿部敏子
(日本語訳は第一部と第二部&第三部が別タイトルで刊行されている。)
『ドライ・タウンの虜囚』 - 創元推理文庫(中原尚哉訳、1987年)
『ヘラーズの冬』 - 創元推理文庫(氷川玲子・宇井千史訳、1987年)
The Forbidden Tower1977年『禁断の塔 上/下』- 創元推理文庫(浅井修訳、1988年)
Stormqueen1978年『ストームクイーン 上/下』 創元推理文庫(中村融・内田昌之訳、1988年)
Two to Conquer1980年『キルガードの狼 上/下』 創元推理文庫(嶋田洋一訳、1988年)
Sharra's Exile1981年(The Sword of Aldone の改訂版)(日本語訳は未公刊)
Hawkmistress1982年『ホークミストレス 上/下』 創元推理文庫(氷川玲子・中原尚哉訳、1988年)
Thendara House1983年(日本語訳は未公刊)
City of Sorcery1984年(日本語訳は未公刊)
The Heirs of Hammerfell1989年(日本語訳は未公刊)
Rediscovery1993年、Mercedes Lackeyとの共著(日本語訳は未公刊)
Exile's Song1996年、Adrienne Martine-Barnesとの共著(日本語訳は未公刊)
The Shadow Matrix1998年、Adrienne Martine-Barnesとの共著(日本語訳は未公刊)
Traitor's Sun1999年、Adrienne Martine-Barnesの著作(日本語訳は未公刊)
Fall of Neskaya2001年、Marion Zimmer Bradley, Deborah J. Ross(日本語訳は未公刊)
Zandru's Forge2003年、Marion Zimmer Bradley, Deborah J. Ross(日本語訳は未公刊)