マヨネーズ
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この項目では、ドレッシングについて説明しています。音楽グループについては「マヨネーズ (音楽グループ)」をご覧ください。

マヨネーズ 卵黄型[1]100 gあたりの栄養価
エネルギー2,803 kJ (670 kcal)

炭水化物1.7 g

脂肪72.3 g
飽和脂肪酸6.85 g
一価不飽和36.50 g
多価不飽和22.99 g

タンパク質2.8 g

ビタミン
ビタミンA相当量(7%) 55 μg
チアミン (B1)(3%) 0.04 mg
リボフラビン (B2)(8%) 0.10 mg
ナイアシン (B3)(1%) 0.1 mg
パントテン酸 (B5)(11%) 0.55 mg
ビタミンB6(3%) 0.04 mg
葉酸 (B9)(1%) 2 μg
ビタミンB12(13%) 0.3 μg
ビタミンD(7%) 1.0 μg
ビタミンE(63%) 9.5 mg
ビタミンK(133%) 140 μg

ミネラル
ナトリウム(60%) 900 mg
カリウム(1%) 25 mg
カルシウム(2%) 23 mg
マグネシウム(6%) 23 mg
リン(11%) 80 mg
鉄分(7%) 0.9 mg
亜鉛(5%) 0.5 mg
(1%) 0.01 mg
セレン(13%) 9 μg

他の成分
水分20.2 g
コレステロール150 mg
ビオチン(B7)7.3 μg
酢酸0.5 g
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。使用油配合割合: なたね油 8、大豆油 2


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。

マヨネーズ、卵黄型(使用油配合割合:菜種油 8、大豆油 2)100g中の主な脂肪酸の種類[3][4]項目分量 (g)
脂肪総量72.3
脂肪酸総量66.3
飽和脂肪酸6.8
一価不飽和脂肪酸36.5
多価不飽和脂肪酸22.9
リノール酸17.8
α-リノレン酸5.0
ミキサーに入ったマヨネーズ(中央)と原材料 後方より時計回りになたねのキャノーラ油(黄色)、マスタードコショウパプリカ、レモン、卵、塩、オリーブ・オイルリンゴ酢(赤)を使っている

マヨネーズ(: mayonnaise)は、食用油を主材料とした半固体状調味料。卵は卵黄のみ使用するものと全卵を使用するものがある。

元々は卵やオリーブ油などで作られるスペイン料理ソースの一種であり、現代ではサラダなどの料理における調味料として利用されている[5]日本には油は加えないが類似の風味を持つ合わせ調味料である黄身酢(きみず)がある。[6]
解説

日本農林規格(JAS)における「ドレッシングの日本農林規格」、および「ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料品質表示基準」では、マヨネーズの定義を半固体状ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ、食用植物油脂、食酢若しくはかんきつ類の果汁、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)及び香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであつて、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のものをいう。 ? 「ドレッシングの日本農林規格」、および「ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料品質表示基準」

と規定している[7][8]

このため、日本国外で生産されたマヨネーズの多くは、日本のJASの基準ではマヨネーズに該当せず、原産国ではマヨネーズという商品名にも拘らず、日本では表記できないため「半固体状ドレッシング」という分類で販売されている。

日本の企業が販売しているマヨネーズは、全卵タイプのもの(市場占有率2位の味の素社製のものなど)も存在するが、最も市場占有率の高いキユーピーの製品は卵黄タイプである。一方、アメリカ圏を始めとして[9]世界では全卵タイプのものが主流である。

また、日本人の好みに合うように菜種油大豆油などの癖のない植物油と米酢を主原料にしており、この点でも欧米のものとは風味が異なる。欧米の人々には、日本でマヨネーズを使用したピザが売られていることや、何にでもマヨネーズを使用するマヨラーの存在は奇異に映るが、日本製のものを使用すると、理解を示すという[10]

油分を少なくして、カロリーコレステロールの摂取を抑え「肥満防止」を謳った製品や、食物アレルギーへの配慮から、卵を使用せずに大豆など植物性原料のみで作った「大豆マヨネーズ」、あるいは「豆腐マヨネーズ」も販売されている。アメリカ合衆国では、Nayonaise がよく知られる。ただし、油分を少なくしたものや、卵を使わないものは、JAS規格から外れるため、JASマークの表示および「マヨネーズ」として表記や販売はできず、「半固体状ドレッシング」や「マヨネーズ風ドレッシング」の品名で販売されている。

マヨネーズには、多くの食用油と不飽和脂肪酸が含まれている。卵や酢の影響で油臭さを感じないように工夫されているが、約70%が脂肪であって、カロリーが高く、1日あたり大さじ1杯以上のマヨネーズを食べることは、摂取者の体質にもよるが、一般的にはカロリー過多となり、栄養学上好ましくないとされる。

登山中の遭難や大地震で倒壊した建物内に閉じ込められるなど、非常事態から生還した人の中に、マヨネーズを摂取し続けて飢えを凌いだという証言があることなどからわかるように、マヨネーズのカロリーは非常に高く、通常状態の人にとっては摂取量を考慮しなければならないレベルの高エネルギー食品である。アメリカの市販マヨネーズには、ホワイトソースと掛けあわせた製品などもあり[11]、名前が同じマヨネーズでも組成は一様ではなく、食事療法に使用する場合には、個々の製品で成分の確認が必要となる。

ロシアがマヨネーズの消費量で世界一である[12]

界面化学上は、O/Wエマルションに分類されており、水の中に油が分散している状態である。水は卵の中のわずかな水分、界面活性剤は、卵黄中のリン脂質である。マヨネーズを製造する際、O/WからW/Oに相転移すると、なめらかな食感は得られず、マーガリンのような、べたついた食感となる。
製造法
工場での製造例
選別搬入された鶏卵を検査し選別する。

割卵
割卵機を用いて卵を割る[13]

混合卵と、醸造酢、調味料、香辛料を加えた水相をミキサーで攪拌しながら食用油脂を徐々に加え、水中油滴型のコロイドとする。この段階では油滴の粒子は粗い。空気による劣化を防ぐため、減圧下で行われることも多い[13]

乳化工程コロイドミルを用いて油滴の粒子を細かくする。コロイドミルとは、テーパー状に先が細くなった凹部を持つ固定子に、これと噛み合うようなテーパー状の回転子を組み合わせたもので、その噛み合いの細い隙間に材料を通過させると、油滴が砕かれ粒径が小さくなる[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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