マニラプトル類
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マニラプトル類
生息年代: 160?0 Ma
Pre??OSDCPTJKPgN
アーケオプテリクスの骨格標本
地質時代
ジュラ紀後期(前期からの可能性あり) - 現代
分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:爬虫綱 Reptilia
亜綱:双弓亜綱 Diapsida
下綱:主竜形下綱 Archosauromorpha
上目:恐竜上目 Dinosauria
:竜盤目 Saurischia
亜目:獣脚亜目 Theropoda
階級なし:マニラプトル形類 Maniraptoriformes
階級なし:マニラプトル類 Maniraptora

学名
Maniraptora
Gauthier1986
シノニム

Metornithes Perle et al., 1993
下位分類


アルヴァレスサウルス類(en)

テリジノサウルス類(en)

クニアオアエア(en)

Incertae sedis

カクル(en)?

オルニトレステス?

ヤヴェルランディア?


マニラプトル類あるいはマニラプトラ(Maniraptora 「手泥棒」の意味)はコエルロサウルス類恐竜分岐群であり、鳥類およびOrnithomimus veloxよりも鳥類に近縁な非鳥恐竜が含まれている。主要な下位分類群としてはアヴィアラエ、デイノニコサウルス類、オヴィラプトロサウルス類、テリジノサウルス類が含まれている。オルニトレステスアルヴァレスサウルス類が含まれる場合もある。姉妹群であるオルニトミモサウルス類とともに包括的な分岐群であるマニラプトル形類を構成する。マニラプトル類の最初の化石記録はジュラ紀のものであり(エシャノサウルス(Eshanosaurus)参照)、約1万種の鳥類という形で現在も生存している。
目次

1 特徴

1.1 羽毛と飛行

1.2 食性


2 分類

2.1 別の解釈


3 記相

4 参照

特徴 羽毛の印象をもつミクロラプトルの標本

マニラプトル類は長い腕と三本指の手(いくつかの系統では減少、癒合が見られる)および半月状手首の骨(手根骨(英語版))によって特徴付けられる。恐竜では唯一硬骨化した胸骨を持つ。2004年にトーマス・ホルツ(英語版)およびハルツカ・オスモルスカ(英語版)は骨格の詳細に関して他に6つのマニラプトル類に独特の特徴があると指摘した。恥骨が前方を向いている他の竜盤類とは異なり、マニラプトル類のいくつかの分類群では鳥盤類の様に後方を向いていた。恥骨が後方を向いているのはテリジノサウルス類、ドロマエオサウルス科、アヴィアラエ、一部の原始的なトロオドン科である。後方を向いた恥骨がマニラプトル類の多様な分類群で見られることから、研究者らは進歩的なトロオドン科やオヴィラプトロサウルス類に見られる「原始的な」前方を向いた恥骨は逆戻りの進化をしたもので、これらの分類群は後方を向いた祖先から進化したものであると結論している[1]
羽毛と飛行

現代の正羽風切羽は進歩的なマニラプトル類の分類群であるアヴィレミギア(Aviremigia)で知られている。テリジノサウルス類(特にベイピアオサウルス)などより原始的なマニラプトル類では単純な綿毛状の繊維と独特の細長い羽軸の組み合わせが見られる[2][3]。単純な羽毛はシノルニトサウルスのようなより原始的なコエルロサウルス類でも見られ、鳥盤類のティアニュロング(Tianyulong)や翼竜などより類縁関係が遠いものにすら存在していた可能性がある。このようなことから、少なくとも若い頃は全てのマニラプトル類に何かしらの羽毛もしくは綿毛状の外皮に類するものが存在したと見られる[4]

系統内のどこまで遡れるかについては議論があるものの、マニラプトル類は唯一飛翔能力のある種を含む恐竜の分類群である。羽ばたき飛行もしくは滑空飛行はラホナヴィス(Rahonavis)やミクロラプトルといったドロマエオサウル科のいくつかの種でも可能であったと考えられている[5]。他の分類群ではオヴィラプトロサウルス類の様に飛翔能力がある種が知られていないものの、一部の研究者により飛行していた祖先を持つと示唆されているものもある。グレゴリー・ポールはこの説を支持している。ポールはテリジノサウルス類、アルヴァレスサウルス上科(Alvarezsauroidea)、さらにはマニラプトル類ではないオルニトミモサウルス類についてすら飛翔能力のある祖先を持つという説を提案している[6]
食性 腹部に種子が保存されたジンフェンゴプテリクスの標本

マニラプトル類は伝統的に祖先的には純肉食性(英語版)、つまり鳥類以外の種は主に他の脊椎動物のみを捕食していると仮定されてきた。しかし、2000年代の多数の発見や、古い資料の再評価などからマニラプトル類は主に雑食性の分類群であり、主として植物、昆虫など肉以外の他のものを食べる分類群も含まれていることが分かって来た。加えて、系統関係の研究からは草食や雑食は以前考えられていたような単一の側枝ではなくマニラプトル類全体に広がっていることが分かって来ている。この分布からLindsay Zannoに代表される研究者はマニラプトル類は祖先的には雑食性であり、純粋に草食性の分類群(例えばテリジノサウルス類、原始的なオヴィラプトロサウルス類、およびアヴィアラエの一部)、非鳥恐竜では1つの分類群(ドロマエオサウルス科)のみが純粋な肉食に戻ったという結論に至っている。他の多くの分類群ではこの両極端な食性の間に入り、アルヴァレスサウルス科やアヴィアラエの一部では昆虫食、進歩的なオヴィラプトロサウルス類やトロオドン科では雑食性である[7][8][9]
分類

マニラプトル類は最初1986年にジャック・ゴーティエにより命名され、オルニトミムス科よりも現代の鳥類に近い全ての恐竜というブランチベース(英語版)の分岐群として定義された。ゴーティエはこの分類群が長い前肢と手により容易に特徴付けられることを特筆した。この特徴をゴーティエはものをつかむことへの適応と解釈した(これゆえManiraptoraという名は「握る手に」に関連して「手泥棒」を意味するものである)。1994年にトーマス・ホルツ(英語版)は手と手首のみに基づいたこの分類群の定義を試みた(子孫形質ベース(英語版)の定義)。この特徴には長く細い指、弓なりで翼に似た前腕の骨、鍵となる半月状の手首の骨が含まれる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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