マッカ啓示(マッカけいじ、メッカ啓示、英: Meccan sura)は、イスラーム教(イスラーム)の聖典であるクルアーン(全114スーラ)の2区分うちの1つ。
なお、もう一方の区分マディーナ啓示(メディナ啓示、英: Medinan sura)についても、参考のため一覧を記す。 「カイロ版欽定 クルアーン」では、現行クルアーンの大部分となる計86スーラ(章)が、マッカ啓示とされる。そして、残りの計28(章)が、マディーナ啓示とされる。 なお、それに依拠しない「井筒俊彦訳 コーラン」などでは、区分が異なる[1][2]。
概要
例[3]
マッカ 計90章 / マディーナ 計24章 (テオドール・ネルデケ)
マッカ 計93章 / マディーナ 計21章 (ウィリアム・ミュア
マッカ 計92章 / マディーナ 計22章 (ヒューバート・グリメ)
ヒジュラ(聖遷、622年)を境としてマッカ期・マディーナ期に区分されているという。なお、スーラ(章)の一部に、別の時期の節が組み込まれているものもあるという指摘がある[4]。 和名(日本語訳名)は、「日亜対訳注解聖クルアーン」(三田了一訳)による。
マッカ期の啓示
簡潔な文体で、多神崇拝・偶像崇拝を批判するものが多く見られるという[5]。
マディーナ期の啓示
17, 57, 59, 61, 62, 64, 87章の計7章は、「ムサッビハート」(Musabbi??t、意味: 神を讃えるもの)と総称される。どの章も「???」(?-?-?、s-b-?)という子音(語根)を含む単語で始まる[6]。
マッカ啓示マッカは北アラビアの中心地で、アラビア半島の西側の紅海沿岸地方、ヒジャーズ地方に位置する。キャラバンのルート上にある国際交易都市で、重要な水源であるザムザムの泉(ザムザム井戸)と古来から多神教と偶像崇拝の聖地であったカアバ神殿を擁していた。カアバ神殿の守護者としてこのマッカを掌握していたのがクライシュ族である[7]。
一覧
啓示順(降臨順)の類推
は、直前に「カイロ版」におけるマディーナ啓示を挟むとの類推0 欽 = 「カイロ版欽定 クルアーン」[8]0 A = Jalal al-Din al-Suyuti
章和名Ayah欽AジNR高Mグ
1開端7Al-Fatiha5811448808679
6家畜165Al-An'am555554898889*8189
7高壁206Al-A'raf3939388787879188
10ユーヌス109y?nus5151508484847987
11フード123h?d5252517575757886
12ユースフ111y?suf5353527777777785
14イブラーヒーム52ib'r?h?m7272717676768050
15アル・ヒジュル99Al-Hijr5454535757576248
16蜜蜂128An-Nahl7070697373738883
17夜の旅111Al-Isra5050496767678782
18洞窟110Al-Kahf6969686969696981
19マルヤム98Maryam4444435858586878
20ター・ハー135?? h?4545445555557574
21預言者112Al-Anbiya7373726565658677
23信者たち118Al-Mu'minoon7474736464648475
25識別77Al-Furqan4242416666667473
26詩人たち227Ash-Shu'ara4747465656566171