マツ
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マツ属
アカマツ Pinus densiflora
分類

:植物界 Plantae
:裸子植物門 Pinophyta
:マツ綱 Pinopsida
:マツ目 Pinales
:マツ科 Pinaceae
:マツ属 Pinus

学名
Pinus L.
和名
マツ



本文参照

マツ属(マツぞく、学名:Pinus)は、マツ科の一つ。マツ科のタイプ属である。約100種が北半球の各地域に分布し[1]針葉樹で針のような形態の葉と、松かさ(松ぼっくり)とよばれる実がなるのが特徴である。人との関わりも深く、さまざまに利用されたり、文化や信仰の対象にもされている。



分布マツ属植物の分布範囲

マツ属の天然分布は、赤道直下のインドネシアから、北はロシアカナダ北極圏に至り、ほぼ北半球に限られるといってよい。これは針葉樹としては最も広い範囲に当たる。温度の適性が広いことが一因として挙げられており、亜熱帯熱帯に分布する種でも−10程度の低温・組織の凍結には堪えて生存する[2]

人間による植栽の結果、南半球でも見られ、オーストラリアニュージーランドアフリカ大陸で大規模に植栽されているラジアータマツ (P. radiata) が特に有名。

化石の研究によれば、マツ属は比較的古い時代に登場したとされ、現生種の多様性は、進化してきた年月の長さによるものとされている[3]
形態

マツ属に含まれるものはいずれも木本であり、草本は含まれない。樹高は10 m未満のものから、大きいものでは40ないしは50 mに達する種もある。アメリカ合衆国西部に分布するサトウマツ (Pinus lambertiana) やポンデローサマツ (P. ponderosa) では樹高80 mを超える個体も報告されている。

樹木の樹形は環境に左右されるが、マツ属の樹形は同じマツ科に属するモミ属トウヒ属のそれに比べるとより環境の影響を受けやすく不定である。苗木のうちは綺麗なクリスマスツリー状の円錐形だが、大きくなるにつれて先端は鈍く丸まり広葉樹の様な外観になるものも多い。高山に生育する種では上に伸びず匍匐状に横に広がるものも知られる。日本ではマツの樹形を整えるテクニックとして春先に新芽を摘み取る「みどり摘み」や秋に行う「もみ上げ」と呼ばれる方法が知られる。

綺麗なクリスマスツリー型の個体 P. jeffeyi

傘を広げたような個体 P. pinea

高山性種の中には地面を這うように伸びる物が多いP. pumila

枝は同じ高さから四方八方に伸びる(輪生)、これは苗木でも成木でも変わらないが、前述のように樹形が崩れた老木の太い枝ではよく分からないことがある。主軸(幹として上に伸びる枝)、枝(横に延びる枝)共に先端に数個の冬芽を付け、夏から秋にかけて膨らんでよく目立つ。翌年の春にはこれらの内の一つが幹に他が枝になる。冬芽の大きさ、色や毛の生え具合は種を区別する上で大切な情報である。

同一の高さから左右に枝を伸ばすのが分かるP. sylvestris

P. sylvestrisの冬芽

P. aristataの冬芽

成長を始めたP. sylvestrisの新芽

成木の樹皮は他の針葉樹に比べて厚く発達し、亀甲状に大きく割れるものが多い。しかし、多くの種の幼木時代、また一部の種では成木でも滑らかであるか、モミトウヒの様に薄く鱗状にはがれるに留まる。色は一般に褐色で、黒っぽいもの、赤っぽいもの、灰色っぽいものなど様々である。

赤みの強い樹皮を持つP. jeffereyi

白色の幹を持つ P. bungeana

薄くうろこ状になる P. densiflora

深く亀甲状に割れるP. ponderosa

比較的滑らかでうろこ状にはがれるP. bungeanaの樹皮

マツの葉は子葉、初生葉、鱗片葉、尋常葉(針葉)の4種類に分けることができる。このうち、私たちが普段目にするのは尋常葉(針葉)と鱗片葉のみであり、子葉と初生葉は発芽直後のみ見られる。鱗片葉は葉に見えず、以下、「葉」といった場合には特に断りのない限り、私たちが普段使う通りの尋常葉(針葉)を指す。


子葉

胚において形成されており発芽後に最初に開く葉。後述のようにマツの葉は種類によって葉中の維管束の数が違うことが知られているが、子葉においてはいずれの種でも維管束は一つだという
[4]。他のマツ科植物と同じく子葉は3枚以上出てくる多子葉植物である。


初生葉

子葉の次に出現する葉であり、縁には鋸歯を有する。


鱗片葉

枝(長枝)を埋め尽くすように生えている三角形の鱗のようなもの、一見すると葉に見えないが葉の一種だという。マツ属を表す特徴の一つ。


尋常葉

短枝と呼ばれる枝の一種に数枚が束生する。いくつかの例外を除き1本の短枝に束生する葉を全部集めると断面は円形になる。すなわち2葉のマツならば個々の葉の断面は中心角が180度の扇形、5葉のマツのそれは中心角72度の扇形になる。これは葉という構造物が茎から分化した名残と説明される場合がある。

P. sibiricaの子葉

P. sibricaの展開した子葉。中心の小さな葉が初生葉

子葉が展開した P. pinea

P. palustrisの発芽。この時点で初生葉も見える

P. sylvestrisの初生葉。普通の針葉に見えるが短枝が無く、葉も束ではない

P. contortaの尋常葉。この種は各短枝から2葉が出る。

若い球果の上の枝に見える鱗状の鱗片葉。P. pungens

二針葉松の葉の断面図。中心角180度の扇形になっている

三針葉松の葉の断面図。中心角120度の扇形になっている

五針葉松の葉の断面図。中心角72度の扇形になっている

葉はベトナムに分布するP. krempfii(イヌマキのような扁平な葉を持つ)という例外を除いて、細く針のようになっている。葉の長さにも色々あり、僅か3 - 4 cmのバンクスマツ P. banksianaから40cmを超えるようなダイオウマツ (P. palustris) やヒマラヤマツ (P. roxburghii) に至るまで様々なものがある。一般に温暖な地域に分布するものの方が葉の成長期間が長く、長い葉を持つ傾向にあるという[5]

マツ属の葉は短枝と呼ばれる枝の一種に数枚が束になってつく。その数は個体内での多少の差はあるものの2枚、3枚ないしは5枚が束になって生えていることが多く、種によってその数は決まっている。

日本では二葉松はアカマツ (P. densiflora)、クロマツ (P. thunbergii)、リュウキュウマツ

五葉松はゴヨウマツヒメコマツハイマツチョウセンゴヨウ (P. koraiensis)、ヤツタネゴヨウが知られている。

三葉松は、アメリカ大陸を中心に分布しテーダマツ (P. taeda) やダイオウマツ (P. palustris) などが知られている。日本には3葉のマツは自生していないものの、化石の研究からオオミツバマツ (P. trifolia) と名付けられた種が分布していたことが確認されている。

葉の数による分類は直感的で非常に分かりやすい方法であり、両者には葉の数以外にも多数の違いがあること、遺伝的にも交雑できないことから、分類学的にも古くから認められていた方法である。

さらに、葉の断面を顕微鏡で観察すると維管束が見える。その数は2葉・3葉のマツと5葉のマツで異なるという特徴もよく知られており、一般に2葉・3葉のマツは2つの維管束を持つことから複維管束亜属 (Dipxylon)、5葉のマツは1つの維管束しかないことから単維管束亜属 (Hapxylon) とされてきた。しかしながら、北米やアジアに分布する一部の種は維管束は1つであるが、葉の数は2枚ないしは3枚であり、両者の中庸の形態を持つ。

P. pineaの葉と若葉(左)

P. taedaの短枝と葉

維管束が2つの複維管束亜属 P. heldreichii

維管束が1つの単維管束亜属

マツの花は雌雄同株[注釈 1]である。雌花は枝の先端に作られて、小さな球果の形をしている。雄花は枝の根元に作られ、小さなラグビーボールが多数集まった様相を呈すものが多く、色は黄色から赤色までさまざまである。

風媒花であり雄花で作られた花粉は風で、雌花に運ばれて受粉する。花粉は杉などと異なり、二つの風船状の気嚢が付いており風に乗りやすい形状をしている。

雌花は毬花(英語: female cone)などとも呼ばれ、概ね成熟した球果の縮小形をしている。色は赤っぽいものが多い。

P. elliottiの雄花

P. pinstarの雄花

P. sylvestrisの雄花

P. palustrisの雄花

P. monticolaの雌花

P. taedaの雌花

P. sylvestrisの雌花拡大図

マツ属花粉の光学顕微鏡写真

マツ属の花粉の電子顕微鏡写真 Pinus mugo

実は松かさや松ぼっくりと呼ばれる。裸子植物のうちでマツを含む針葉樹類の実は植物学的には球果と呼ばれるので、以下では特に断りのない限り球果と呼ぶ。マツの球果は鱗片状のもの(種鱗)が集まった形状である。鱗片に突起(英:umbo)が現れるのが他のマツ科各属との違いの一つである。この球果についても形や大きさ、個々の鱗片状の凹凸の状態、表面の棘の有無、熟した時の色合いなどに違いが見られる。形や硬さについても色々あり、2葉・3葉のマツの多くの球果は卵型で硬く種鱗を剥がすのは素手では困難であるが、5葉のマツの球果は細長い円筒形(カプセル型)で比較的柔らかく素手でも容易に分解できるものが多い。ただし、例外もある。樹から落ちるときは球果ごと落ちるタイプである。(マツ科でもモミ属ヒマラヤスギ属は樹上で鱗片ごとに分解してしまう。)マツ属内で見た場合。球果と枝とを結ぶ柄(果柄)についても長いものから短いものまで種類は様々である。球果が樹上から落ちる際には果柄と球果実の間、もしくは枝と果柄の間に離層が形成されることが条件であるが、どちらに形成されるのかという違いもある。前者の場合、さらに一部の種では球果の種鱗数枚を果柄に残したまま落果するものもあるという。なお、種類によっては離層が形成されにくく、樹上に何年にもわたって球果が残るものもある。また、球果が開く条件は乾燥によるものが多いが、中には火災による高温や動物による摂食や球果の腐敗が条件の種もある。

P. pumilaの球果。丸く鱗片表面は滑らか

P. strobusの球果。白いのは松脂

P. taedaの若い球果。棘が目立つ

P. nelsoniiの球果。長い果柄が目立つ

P. banksianaの熟した球果。火災によって開くタイプ

非常に大きいP. lambertianaの球果

P. cembraの球果。熟しても開かない。動物散布型。

動物に齧られたP. cembraの球果。

種子は一般に風散布型で翼を持つが一部持たないものがある。また、翼のあるものであってもその大きさは色々である。特に種子に付く翼の付き方で分類する方法も古くから知られており、葉の維管束だけでなくこれでも2・3葉のマツと5葉のマツをほぼ綺麗に分けられることが知られている。一般に2・3葉のマツは翼と種子を綺麗に分離できるが、5葉のマツは翼の組織が種子内部に入り込んでおり綺麗に分離できない。

P. sylvestrisの種子と翼。翼を外しやすいタイプ


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