マツダ・ルーチェロータリークーペ
M13P型
スーパーデラックス フロント
スーパーデラックス リア
デラックス フロント
概要
製造国 日本
販売期間1969年10月 - 1972年9月(生産終了)
ボディ
乗車定員5名
ボディタイプ2ドアクーペ
駆動方式前輪駆動
パワートレイン
エンジン水冷2ローター・655×2cc
最高出力126PS/6,000rpm
最大トルク17.5kgf・m/3,500rpm
変速機4速MTフロア
前F 独立・ウィッシュボーン・トーションラバー
R 独立・セミトレーリングアーム・コイル
後F 独立・ウィッシュボーン・トーションラバー
R 独立・セミトレーリングアーム・コイル
車両寸法
ホイールベース2,580mm
全長4,585mm
全幅1,635mm
全高1,385mm
車両重量1,255kg
その他
最高速度190km/h
生産台数976台
系譜
先代マツダ・ルーチェ
後継無し
テンプレートを表示
ルーチェロータリークーペ(Luce Rotary Coupe)は、東洋工業(現・マツダ)が1969年から1972年まで製造・発売した前輪駆動の2ドアクーペである。開発コードはRX87。 1967年10月26日から開催された第14回東京モーターショーのマツダブースに、「ファミリアロータリークーペ」のプロトタイプ「RX85」とともに、初代ルーチェをベースとした「RX87」が出展された[1]。これらのコンセプトカーは、この年発売となったコスモスポーツに次ぐ第2、第3のロータリーエンジン搭載乗用車の発売が秒読み段階に入っていることが示され、大きなセンセーションを巻き起こした。 RX87のボディはルーチェには存在しない2ドアのハードトップで、低く長い独特のプロポーションを持っていた。なお、後の生産型とは異なり、この年のプロトタイプではラジエーター部の格子がヘッドライトに伸び、三角窓も残されていた。タイヤサイズもセダンと同じ14インチで、セダンと同じホイールとホイールキャップを装着していた。 機構的にはマツダ初の前輪駆動の採用が注目された[注釈 1]。前輪駆動のシャシーに縦置きするためにエンジン長を短く(薄く)する目的で、ロータリーエンジンもコスモやファミリアの10A型よりもローター外径とローターハウジング内径を大きくした、専用設計の13A型[注釈 2]が搭載された[3]。なお、マツダのロータリーエンジン市販車で前輪駆動を採用した車種は、欧州市場と日本市場で販売されるMX-30のシリーズ式プラグインハイブリッドモデル「e-SKYACTIV R-EV」が登場するまで、本車のみであった[注釈 3][注釈 4]。 RX85は1968年6月に「ファミリアロータリークーペ」として市販化され、たちまち人気車種となったが、RX87は翌1968年10月の第15回東京モーターショー会場のマツダブースに再び最終試作型が展示された。エクステリアではヘッドライトが露出した新しい形状のフロントグリル、日本初となる三角窓のないハードトップボディ[注釈 5]、コスモスポーツ後期型と同じ165HR15のラジアルタイヤ、大型化され横長となったテールランプなどが特徴であった。内装も変更され、生産型ルーチェとの違いが明確化された。この第15回東京モーターショーには、同じくジョルジェット・ジウジアーロの作品であるいすゞ・117クーペの最終試作型も展示され、イタリアンデザインの高級パーソナルカーの競作として注目された。なお、この最終試作型までは前輪のみならずリアサスペンションのスプリングはコイルではなく、ラバー・イン・トーションバーであった。これは軽自動車のR360クーペ、キャロルで実績を積んだ方式であった[4]。 1969年10月15日にようやく「ルーチェ・ロータリークーペ」は発売されたが[1]、この年の10月24日に開始された第16回東京モーターショーにも、市販モデルとともに「コーンシールド型」が参考出品された。これは運転席から操作できる「コンシールド・ヘットランプ」を備えたモデルで、ライトを閉じた姿は当時のシボレー・カマロなど、アメリカ車の影響が見受けられるものであった。
概要
プロトタイプ