マッドマックス 怒りのデス・ロード
Mad Max: Fury Road
監督ジョージ・ミラー
脚本ジョージ・ミラー
ブレンダン・マッカーシー
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(マッドマックス いかりのデス・ロード、原題:Mad Max: Fury Road マッド マックス: フューリー ロード)は、2015年公開のオーストラリアとアメリカの合作映画。2012年7月から12月までアフリカのナミビアで撮影された[2]。前作『マッドマックス/サンダードーム』以来、27年ぶりに製作された『マッドマックス』シリーズの第4作である。
日本では2015年6月20日に公開[3]。本作は『マッドマックス2』と同様に、英雄誕生譚(貴種流離譚)など世界各地の英雄神話を研究した神話学者ジョゼフ・キャンベルによる著書『千の顔を持つ英雄』をテーマとしている[4]。
第88回アカデミー賞では10部門にノミネートされ、最多の6部門を受賞した。 核兵器による大量殺戮戦争勃発後、生活環境が汚染され、生存者達は物資と資源を武力で奪い合い、文明社会が壊滅した世界を舞台とする。 砂漠化し荒廃したウェイストランド(荒野)で、元警官マックスは、過去に救えなかった命の幻覚と幻聴に煩わされ、狂気に侵されているのは世界なのか自身なのか曖昧になる中、生存本能にだけ突き動かされV8インターセプターを駆る。流浪の途上で暴徒らの襲撃に遭い捕縛され、シタデルという砦に連行されたマックスは、インターセプターを奪われた上に身体を拘束され、環境汚染からの疾病を患う住人に供血利用される。そこではイモータン・ジョーを首領とした独自教義を持つ好戦的な集団の支配のもと、潤沢な地下水(アクア・コーラ)と農作物栽培を牛耳ることで成り立っている独裁社会が築かれていた。ガスタウンへと向かう取引当日、ジョーの部隊を統率するフュリオサ・ジョ・バッサ大隊長は、ジョー一族が受胎出産させることを目的として監禁していた5人の妻(ワイブズ)であるスプレンディド、トースト、ケイパブル、ダグ、フラジールの身柄を秘密裏にウォー・リグに搭乗させ、フュリオサの出生地である「緑の地」に匿う逃亡計画を、3000ガロンのガソリン(guzzoline[注釈 1])取引を隠れ蓑に東へと進路を変えて実行に移す。部下の背任行為と、妻たちと、その胎内の我が子を奪われたと知ったジョーは配下の戦闘集団ウォーボーイズを引き連れ、友好関係にある人食い男爵と武器将軍の勢力を援軍に追走を開始する。マックスはウォーボーイのニュークスの常備用「血液袋」として追尾車両に鎖で繋がれワイブス追走の争いに巻き込まれることになった。 追跡劇の最中に砂嵐に遭遇し、追走車両がウォー・リグの追突によって大破、手足の拘束を解くことができたマックスは、フュリオサ達を制圧する。一人でウォー・リグに乗り込むが、フュリオサ仕様に様々な改造が施されていたため、結局は同乗する事になる。また、ジョーの直々の命令でウォー・リグに乗り込んだものの失敗した上に、ジョーのお気に入りの妻が死亡してしまったことで戻れなくなったニュークスも、ワイブズの一人であるケイパブルに啓蒙されて一行に加わることとなる。一昼夜をかけて走破した場所でかつての仲間である鉄馬の女たちに出会うことが出来たが、土壌汚染の進行で既に目的の地は失われている事を知り、フュリオサは慟哭する。 それでもなお、ワイブスと鉄馬の女たちと共に、荒廃した地へとあてのない旅に向かおうとするフュリオサに対しマックスは、ジョーさえ除けば生きて行ける可能性の高いシタデルに戻るように諭す。マックスの提案に同意し、主不在の砦に向かって激走するフュリオサ一行を発見し、ジョーの軍勢は追撃をかける。犠牲も出る中、3日間に渡る逃走劇と過去の精算に決着をつけるべく、フュリオサは深手を負ったままジョーと直接対峙し、遂にジョーは倒される。そしてニュークスの捨て身の戦法で渓谷拱門の突破に成功、ジョーの配下達も排除される。フュリオサは危篤状態に陥ってしまうが、マックスはできうる限りの救命措置を施し、告げることを拒んでいた己の名前を明かす。一行は砦に凱旋し、ジョーの圧政から解放されたことで、フュリオサは群衆に歓迎される。人々の流れに逆らい、砦から去ろうとするマックスを見つけ、目を合わせたフュリオサは、無言の笑みをもって彼を見送るのだった。
あらすじ
登場人物・キャスト
主要人物
マックス(Max Rockatansky)
演 - トム・ハーディ本名はマクシミリアン・ロカタンスキー(Maximillian Rockatansky)で、異名としてロード・ウォリアーと呼ばれることもある。元・M.F.P.(Main Force Patrol)特殊警察警官隊隊員である。過去に目の前で散っていった命のフラッシュバックに苛まれ、高放射線に曝露された世界を旅していた。ある日、イモータン・ジョーの武装集団ウォーボーイズに捕らえられ、放射線障害の影響により短命なウォーボーイズ構成員であるニュークスの輸血ドナーとして採血されるために拘束されていた。逃亡したフュリオサたちの追跡を志願したニュークスにより荒地に運ばれ、自らの逃亡のため彼女達一団の砂漠横断の手助けをする。左足に金属製歩行補助器具、右肩にFRPショルダーパッド、上下黒のレザースーツとレザーブーツ、右手にパラコードブレスレットを付けている。そのブレスレットは、前日譚コミックでグローリー・ザ・チャイルドが右の上腕に付けていたもので、彼女の形見でもある[注釈 2]。前日譚コミック『Mad Max Fury Road Mad Max #1、#2』では、本作品は過去の映画 3部作と物語が繋がっているように描かれている。回想シーンでは、マックスは 3作目と2作目で破壊されたV8インターセプターを再び作り直すため、略奪、ボディガード、鉱山労働、暗殺などの仕事を引き受けながら部品集めの旅をしていた事が示されている。ある場所でインターセプターを保管し修理し続けており、V8エンジンを得るべくガス・タウンのサンダードームと呼ばれる闘技場で命をかけたバトルロイヤルでの闘いの試合に参加した。マックスは優勝し、インターセプターを復活させようとするが、バザードという名の盗賊による襲撃で重傷を負わされ、インターセプターが奪われてしまう。重傷を負ったマックスは謎の女性に助けられ、バザードに誘拐された娘のグローリーの救出を依頼される。前作同様、水平二連のソードオフ・ショットガンを武器[注釈 3] に、1人でバザードのアジトであるサンケンシティに乗り込み、グローリーを見つけインターセプターを取り戻し脱出しようとする。劇中ではこの一連の出来事がマックスの幻覚の主な原因となっている。
フュリオサ大隊長(Imperator Furiosa
演 - シャーリーズ・セロンフュリオサ衣装シタデルの女性大隊長。本名はフュリオサ・ジョ・バサ(Furiosa Jo Bassa)。