マッシュ_(テレビドラマ)
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マッシュ

出演者アラン・アルダ
ウェイン・ロジャース
マクリーン・スティーヴンソン
ロレッタ・スウィット
ラリー・リンヴィル
ゲイリー・バーグオフ
マイク・ファレル
ハリー・モーガン
ジェイミー・ファー
ウィリアム・クリストファー
デヴィッド・オグデン・スティアーズ
テーマ曲作者ジョニー・マンデル (written for the film)
オープニング"Suicide Is Painless"
エンディング"Suicide Is Painless"
国・地域 アメリカ合衆国
言語英語
シーズン数11
話数251(各話リスト)
各話の長さ24?25分(1話当たり)
製作
撮影地カリフォルニア州ロサンゼルス郡(センチュリー・シティ、マリブー・クリーク・エリア)
撮影体制シングル・カメラ
製作20世紀フォックステレビジョン

放送
放送チャンネルCBS
放送期間1972年9月17日 (1972-09-17) - 1983年2月28日 (1983-2-28)
公式ウェブサイト

番組年表
次作AfterMASH
W*A*L*T*E*R
関連番組Trapper John, M.D.
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『マッシュ』(M*A*S*H)は、20世紀フォックスCBSのために制作した、アメリカの医療ドラマ、ブラック・コメディ。

朝鮮戦争時に韓国に駐在した第4077移動野戦外科病院(Mobile Army Surgical Hospital - MASH)に配属された医師や補助スタッフのチームに起こる様々な出来事を描いている。1961年の小説『キャッチ=22』、1968年のリチャード・フッカー(英語版)による小説『M*A*S*H』および1970年同名の映画に着想を得て、ラリー・ゲルバートによって創作された。

このシリーズは、1972年9月17日に放送開始され、1983年2月28日に終了した。シリーズは、11シーズン、全251話にわたっており、最終回は、米国史上最も視聴率が高いテレビのエピソードである[1]
概要

週1回放送の30分のシットコムだが、しばしば劇的なテーマが取り上げられたため「ブラック・コメディ」とも称される。朝鮮戦争 (1950年-1953年)での米陸軍移動野戦外科病院の主要人物をめぐる集団劇である。第4077移動野戦外科病院は、韓国に駐在したいくつかの外科部隊のひとつである。なお、MASHとは米陸軍移動野戦外科病院の意味である。タイトル中の星印は小説で取り入れられたもので、意味はない。

初期のシーズンのストーリーには、本物の野戦病院の外科医に取材した実話に基づくものが多い。また、単なる朝鮮戦争についての話ではなく、このシリーズが始まった頃にまだ続いていたベトナム戦争の寓意であるとも言われる。ただし、制作者は戦争一般についての話だと語っている。

話が進むにつれ、脚本は道徳的な調子が強くなった。原作を書いたリチャード・フッカーは、「この番組のホークアイは本に比べるとはるかにリベラルだ」と述べている。本の続編では、ホークアイは「身体を鍛えるためだけに左翼をめった蹴りにする」(kicking the bejesus out of lefties just to stay in shape)と描かれているほどである。

番組は大まかに見てコメディ色が強かったが、よりシリアスな調子の独創的なエピソードも数多くあった。ストーリーは、筋立て中心のものも、登場人物中心のものもあった。ほとんどの登場人物は徴兵されてきた者で、レギュラーかゲストかにかかわらず「職業軍人」の登場人物との間には張りつめた緊張が起こることがよくあった。

1973年頃にある元移動野戦外科病院の医師がTVガイド宛に書いた手紙によると、クリンガーの女装も含めて、番組での最も非常識なジョークや馬鹿げたいたずらもほとんどが実際にあったことだという。移動野戦外科病院部隊の地獄のような現実が、笑いを切実に求めて、このような行動を生んだ。ただし、他の移動野戦外科病院経験者は後に、本物の女性があまりに少なすぎたので、常習的な服装倒錯者は長くは続けられなかっただろうと指摘している。

このドラマのオープニングのテーマ曲は、映画でも使われた「もしも、あの世にゆけたら(Suicide Is Painless)」である。

米国では、現在でも様々なネットワークでシンジケート番組(地域によって放送局の異なる番組)として放送されている。日本では、過去に関西テレビFOXスカイパーフェクTV!等で視聴可能)で一部が放送されたことがあるが、正しい放送順で全シリーズが放送されたことはない。また、アメリカではDVDが発売されているが、日本では未発売である。
キャストシーズン2のキャストメンバー、1974年撮影。時計回りで左から、 ロレッタ・スウィット, ラリー・リンヴィル, ウェイン・ロジャース, ゲイリー・バーゴフ, マクリーン・スティーブンソン, アラン・アルダ)

『マッシュ』は、全11シーズンを通じて出演したホークアイ、マッケイ(マルケイ)、ホリハン、クリンガーの4人の登場人物をはじめ、レギュラー陣には比較的入れ替わりは少なかった。この4人に、何人かのメイン・キャストが途中で入れ替わりつつ加わるとともに、ほかにも数多くのゲスト・スターや一回きりのキャラクターが加わった。
主要キャスト

役名俳優階級職務
ホークアイ・ピアス
(Hawkeye Pierce)
アラン・アルダ(吹替:広川太一郎
(Alan Alda)大尉主任外科医
マッケイ(マルケイ)神父
(Father Mulcahy)ウィリアム・クリストファー
(William Christopher)中尉
後に大尉従軍牧師
マーガレット・"ホット・リップス"・ホリハン
(Margaret "Hot Lips" Houlihan)ロレッタ・スウィット
(Loretta Swit)少佐婦長
マックスウェル・クリンガー
(Maxwell Klinger)ジャミー・ファー
(Jamie Farr)伍長
後に軍曹衛生兵
事務
トラッパー・ジョン・マッキンタイア
(Trapper John McIntyre)ウェイン・ロジャース(吹替:羽佐間道夫
(Wayne Rogers)大尉外科医
ヘンリー・ブレイク
(Henry Blake)マクリーン・スティーブンソン
(McLean Stevenson)中佐外科医
指揮官
フランク・バーンズ少佐
(Major Frank Burns)ラリー・リンヴィル
(Larry Linville)少佐外科医
レイダー・オライリー
(Radar O'Reilly)ゲイリー・バーゴフ
(Gary Burghoff)伍長事務
B.J.ハニカット
(B.J. Hunnicutt)マイク・ファレル
(Mike Farrell)大尉外科医
ポッター大佐
(Colonel Potter)ハリー・モーガン
(Harry Morgan)大佐外科医
指揮官
チャールズ・エマーソン・ウィンチェスター三世
(Charles Emerson Winchester III)デヴィッド・オグデン・スティアーズ
(David Ogden Stiers)大尉外科医

キャストの交代

ヘンリー役のマクリーン・スティーブンソンは、第3シーズンが始まる頃には、アラン・アルダ、ウェイン・ロジャースに次ぐ第三の外科医を演じることに次第に嫌気がさし、途中で降板したいとプロデューサーに告げた。ヘンリーの別れの回を準備する時間はたっぷりあったので、ヘンリー・ブレイクは第3シーズンの最終回で除隊し、家に帰ることに決まった。彼の最後のエピソードのタイトルは、"Abyssinia, Henry"である。Abyssiniaは発音のよく似たI'll be seein' yaの俗語で、「さよなら」「また会おう」の意である。その回の最後のシーンで、レイダーは涙ぐみながらヘンリーの乗った飛行機が日本海で撃墜され、彼が死んだと報告した。レイダー役のバーゴフがこの演技について聞かされる数分前まで、キャストはこのシーンを書いたアルダを除き、誰もこんなことになるとは知らなかった。それまでは、ブレイクが無事に家に着いたことが伝えられるはずだった。今ではこれは古典的なエピソードだと考えられているが、当時はファンから怒りの手紙の集中砲火を浴びた。その結果、『マッシュ』の制作チームは、他のキャラクターは悲惨な去り方をすることはないと約束した。スティーブンソンは1996年2月15日に亡くなった。なお、映画でヘンリー・ブレイクを演じたロジャー・ブラウンはその翌日に逝去している。しかも、二人とも死因は心臓発作である。

トラッパー役のウェイン・ロジャースは、第4シーズンにも出演する予定だった。しかし、契約更新の際に「道徳条項」にサインすることを求められ、拒否するといういざこざが起こった。ロジャースは第1シーズンからシリーズを降板すると脅しをかけていたが、第3シーズン途中で降板を決めたマクリーン・スティーブンソンに比べれば、その離脱は予想外だった。ロジャースは、彼の役はろくに重視されたことがなく、アルダの役ばかりに重点が置かれていると感じていた。ロジャースの後釜のマイク・ファレルは、1975年夏の中断の間にあわてて採用された。トラッパーの別れのエピソードがないのはこのためである。

3人の主役のうちの2人が去った結果、第4シーズンは『マッシュ』にとって大きなターニング・ポイントとなった。第4シーズンの冒頭で、ホークアイはレイダーから自分の休暇中にトラッパーが除隊になったと知らされる。そして、トラッパーの代わりにB.J.ハニカットが招集されてきたが、視聴者がトラッパーの出発を見ることはなかった。このシーズンの第2話では、シャーマン・T・ポッター中佐が、ブレイクの代わりに部隊の指揮官に任命される。シリーズは、コメディではあるが、次第に感情面を重視するようになる。ロレッタ・スウィットが演じるホリハン少佐の役柄はこの間にも進化を遂げ、ホークアイやB.J.とより親しくなり、フランクと仲違いする。彼女は後に、「わたしより階級が上じゃない人は愛せないの。」として将校仲間のドナルド・ペノブスコット(Donald Penobscot)中佐と結婚するが、この結婚生活は長く続かなかった。「ホット・リップス」というニックネームは、このシリーズの半ば頃からほとんど使われなくなった。実は、ロレッタ・スウィットは、他の役柄(特に『女刑事キャグニー&レイシー』のクリスティン・キャグニー)を演じるために第8シーズンでシリーズを降板したいと考えたが、プロデューサーは契約解消を拒否した。


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