マタイ受難曲
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この項目では、J.S.バッハによるマタイ受難曲について説明しています。イラリオン・アルフェエフ府主教によるマタイ受難曲については「マトフェイ受難曲」をご覧ください。

ポータル クラシック音楽

マタイ受難曲 (Matthaus-Passion) は、新約聖書マタイによる福音書」の26、27章のキリストの受難を題材にした受難曲である。本項ではヨハン・ゼバスティアン・バッハ(以下バッハ)の作品について述べる。目次

1 バッハの受難曲

2 初演および復活上演

2.1 初演

2.2 復活上演


3 編成

4 演奏時間

5 マタイ受難曲の構成

5.1 第一部

5.1.1 導入の合唱

5.1.2 十字架の死の予告

5.1.3 祭司長たちの合議

5.1.4 香油を注ぐベタニアの女

5.1.5 ユダの裏切り

5.1.6 晩餐

5.1.7 オリーブ山にて

5.1.8 ゲッセマネの苦しみ

5.1.9 捕縛


5.2 第二部

5.2.1 人気なき園に花婿を探すシオンの娘とエルサレムの娘たちの同情

5.2.2 大祭司の審問

5.2.3 ペテロの否認

5.2.4 ユダの後悔と末路

5.2.5 判決

5.2.6 鞭打ち

5.2.7 十字架の道

5.2.8 十字架上のイエス

5.2.9 イエスの死

5.2.10 降架と埋葬

5.2.11 哀悼



6 特筆すべき録音

7 脚注

8 参考文献

9 関連項目

10 外部リンク

バッハの受難曲

バッハのマタイ受難曲 (Matthaus-Passion) は新約聖書マタイによる福音書」の26、27章のキリストの受難を題材にし、聖句、伴奏付きレチタティーヴォ、アリア、コラールによって構成された音楽作品である。BWV244。台本はピカンダー(Picanderは「かささぎ男」という意味の筆名であり、本名クリスティアン・フリードリヒ・ヘンリーツィ、あるいはヘンリーキ)による。正式なタイトルは「福音史家聖マタイによる我らの主イェス・キリストの受難Passion unseres herrn Jesu Christi nach dem Evangelisten Matthaus」となる。

バッハが作曲したとされる受難曲は、マタイ受難曲(2作あったとされるが、「2作目は合唱が2組に分けて配置される」という記述の目録があるので、現在伝わっているのは2作目あるいは何らかの改作後の方であることがわかる)のほか、ヨハネ受難曲(BWV245、1724年)、ルカ受難曲(BWV246)、マルコ受難曲(BWV247、1731年)の計4つが数えられるが、ルカ受難曲は真作と見なされておらず、マルコ受難曲は台本のみが現存し、他は消失している。
初演および復活上演 自筆総譜より#61レチタティーヴォ開始部分:聖句は赤インクで記されている。
初演

1727年4月11日、ライプツィヒの聖トーマス教会において初演。その後改訂が加えられ、1736年に最終的な自筆稿が浄書されている。かつては1729年4月11日の初演と伝えられ、未だ支持する者もいるが、完全に否定されている。この誤解は、メンデルスゾーンの初演に用いた楽譜が1729年稿であったこと、初演の広告が「100年ぶりの復活演奏」と銘打ったこと、1728年に没したケーテン侯レオポルトに捧げた追悼カンタータがマタイ受難曲のパロディだったこと(教会音楽を世俗音楽に書き換えることはありえないと信じられていた)などによるものである。
復活上演

バッハの死後、長く忘れられていたが、1829年3月11日、フェリックス・メンデルスゾーンによって歴史的な復活上演がなされ、バッハの再評価につながった。

この復活上演は2時間ぐらいにいくつかのカットが伴われ、また古楽管楽器オーボエ・ダ・カッチャを、同じ音域のオーボエ属楽器であるイングリッシュホルンではなくバスクラリネットで代用し、オーボエ・ダモーレの代わりにA管クラリネットを、オルガンチェンバロの代わりにピアノを使用するなど、メンデルスゾーンの時代により一般的であった、より現代に近いオーケストラの編成によって演奏された。この編成の演奏を再現した録音CDも存在する。当時の新聞評は芳しいものではなく、無理解な批評家によって「遁走曲(フーガ)とはひとつの声部が他の声部から逃げていくものであるが、この場合第一に逃げ出すのは聴衆である」と批判された。しかしこれを期に、当時は一部の鍵盤楽器練習曲などを除いて忘れ去られていたバッハの中・大規模作品をはじめとする音楽が再評価されることになったのである。近年、メンデルスゾーン版での復元演奏(鈴木雅明やパークマンなど)が試みられることがあり、そのため上記のCDも誕生した。
編成

オーケストラ

以下の編成を2組

フラウト・トラヴェルソT/U、オーボエT/U(オーボエ・ダモーレ持ち替え)、ヴァイオリンT/U、ヴィオラヴィオラ・ダ・ガンバ(独奏用)、オルガン通奏低音

第1オーケストラは更にブロックフレーテT/U、オーボエはオーボエ・ダ・カッチャにも持ち替える。

通奏低音の低音楽器には、チェロヴィオローネ(またはコントラバス)、ファゴットが、編成にあわせて適宜用いられる。オルガンが2台使用されるが、オルガンの右手は通奏低音の和声充填の他、第1曲等でソプラノリピエーノユニゾンコラール定旋律を演奏する。

第1オーケストラのヴィオラ・ダ・ガンバは、第56,57曲に用いられるが、初期稿ではリュートが想定されていた[1]

再演時、第2オルガンの代りにチェンバロが用いられた。これにより弱くなるコラール定旋律を補強するため、ソプラノ・リピエーノの人数が増やされた。また第2オーケストラのヴィオラ・ダ・ガンバが第34,35曲に追加された[1]


合唱

四声部合唱2組

ソプラノ・リピエーノ(Soprano ripieno または、ソプラノ・イン・リピエーノ Soprano in ripieno)

ソリスト群:テノール(福音史家)、バス(イエス)、及びアリアと福音書中の登場人物を、ソプラノ、アルト、テノール、バスが適宜分担する。


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