マストドン_(ミニブログ)
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、フリーソフトウェアおよびソーシャルネットワークサービスについて説明しています。長鼻目に属する動物については「マストドン」を、アメリカのヘヴィメタルバンドについては「マストドン (バンド)」をご覧ください。

Mastodon

作者オイゲン・ロホコ
開発元Mastodon gGmbH
初版2016年3月16日 (6年前) (2016-03-16)[1]

最新版4.0.2[2]  - 2022年11月15日 (2か月前) (2022-11-15) [±]
リポジトリ

github.com/mastodon/mastodon

プログラミング
言語Ruby on Rails, JavaScript (React, Redux)
対応OS公式
iOS, Android
サードパーティー
Windows, macOS, Linux, Sailfish OS
対応言語多言語(93言語以上)[3]
サポート状況開発中
種別ミニブログ
ライセンスAGPLv3
公式サイトjoinmastodon.org
テンプレートを表示
マストドンのマスコットキャラクター

マストドン (Mastodon) はミニブログサービスを提供するためのフリーソフトウェア、またはこれが提供する連合型ソーシャルネットワークサービスである。開発者はドイツのオイゲン・ロホコ[4](Eugen Rochko)。「脱中央集権型」 (decentralized) のマストドンのサーバーはだれでも自由に運用する事が可能であり、利用者は通常このサーバーの一つを選んで所属するが、異なるサーバーに属する利用者間のコミュニケーションも容易である。
概要 マストドンの説明動画

サービスとしてのマストドンは短文投稿型のSNSである。WebUIは、Twitter用のクライアントTweetDeckに類似した外観を持ち、画面は複数のカラムによって分割された構成になっている[注 1]

マストドンでは利用者の投稿する短文は「トゥート」と呼ばれており、500文字の制限がある。他の利用者を「フォロー」することで、その利用者の投稿を「ホームタイムライン」と呼ばれるカラム上で読むことができるようになる点は先行サービスと同様である。トゥートの閲覧に関する制限導入が可能なのも同じだが、それらについてはより細かい調整が可能となっている(トゥートとプライバシー機能を参照)。

サーバーは複数の利用者がぶら下がる結節点(ノード)となり、サーバー間はActivityPubを用いて通信を行う。こうしたマストドンのネットワークは電子メールのそれに類似している。電子メール同様、利用者は自分とは別のサーバーに属する利用者と交流が可能である。また、他のサーバーへと利用者がアカウントを移行させるための機能も提供されている。

「中央集権型」のサービスでは全ての利用者は単一の管理者(Twitter, Inc.など)が運営するサーバーにログインする。また、その様なサービスの運営者はソースコードを公開していないため他の管理者が同一のサービスを運営していることは基本的に無く、クライアントソフトにも運営者を切り替える機能は搭載されていない。

マストドンは管理者も設置場所も異なる多数のサーバーで運用されており、利用者は自分自身でサーバーを選ぶか、自身でサーバーを開設し、アカウントを作成、これにログインする。管理者は自身のインスタンスを自由に操作出来る。また、APIが広く公開されており、クライアントや関連アプリケーションの製作が単一の管理者によって制限されることはない。

なお、バージョンアップに際し、運用するサーバーは管理者の任意のタイミングにバージョンアップが可能となっている。そのため、バージョンが異なるサーバー間や独自で変更を加えているサーバーとの間で不具合が生じる場合もある。

AGPL-3.0に基づき、各サーバーによる独自の改良が可能となっている。これにより、企業向けツールの土台としても利用されている。#使用技術も参照。

名前について、GitHubで公開されているFAQにおいて、ロホコは「私は同名のプログレッシブバンドのファンで、そこからマストドンという動物に興味を持つようになった。この動物とマストドンという名前は大変クールであると考えた」としている[5]
利用者とサーバー

Twitterのような中央集権型のサービスであれば利用者はアカウントを作成するだけでサービスを利用できるが、マストドンの場合、利用者は一般的には自分が所属するサーバーを決めてそこにアカウントを作成する必要がある。サーバーを設置するための特別な資格や権限は必要ないため、自分で使用するためのサーバーを新たに設置する事もできる。2017年4月現在、500以上のサーバーが運用されている[6]

その仕組み上、悪意あるサーバーが自身に登録した利用者を攻撃する・情報を悪用するといった可能性は否定できずこれを防ぐことは困難である。マストドンは信頼できるサーバーにアカウントを作成するよう呼び掛けている。

マストドンのネットワーク全体には利用規約に相当するものは存在しない。その代わり、個々のサーバーの管理者は自身のサーバーの利用者に対し利用規約を設定し、これに違反したアカウントを削除する事ができる。また各サーバーは自身のポリシーに合わない投稿が行われるサーバーとの通信を遮断できる。ロホコは「コミュニティが密接で小規模であるほど、その中で有害な振る舞いは隠蔽されにくい」と述べており、このような小規模コミュニティによるサーバーが自身のポリシーに近い他のサーバーと連合を作ることによって、中央集権型のサービスが支払わざるを得ない、ハラスメントなどの不正行為の対策に割く莫大なコストを削減できると主張している。不正行為そのものを目的としたサーバーが登場する可能性についても考慮されており、各インスタンスは不正サーバーとの通信を遮断する事で自身に属する利用者を保護できる。こうした連合型のSNS特有の不正行為対策とは別に、Twitterのブロックやスパム通報に相当する、ハラスメントの被害者などが利用するための自衛手段も用意されている[7]

バージョン2.0.0より、実装されたカスタム絵文字の機能でサーバー内の雰囲気などに合わせて自由に絵文字を増やすことができるようになる、分散型特有の機能が追加された。また、Twitterでも使用されている様な「フォローしているアカウントのリスト機能」も追加された。
所属インスタンス移行

マストドンではユーザー所属サーバーの移行、すなわちフォロー/フォロワー等を引き継いだ引っ越しが可能である。

SNSのユーザー情報(例: フォロー/フォロワー、list)は所属するサービス・サーバーにより管理されており、もし別のサービス・サーバーで新規アカウントを作成しようとすると一般にはユーザー情報を引き継ぐことはできない。マストドンでもユーザーは1つのサーバー(インスタンス)に所属するが、マストドンでは所属するインスタンスの引っ越し、すなわちユーザー情報を引き継ぐ形の所属インスタンス移行が可能である[8]

技術的にはActivity Vocabularyで定義されるMove activityを用いた旧所属インスタンス-新所属インスタンス-followerインスタンス間の連携により旧所属インスタンスアカウントへのフォローが新アカウントへのフォローへと自動変更され、フォロワーの引継ぎが可能になる[9][10][11]
トゥートとプライバシー機能

利用者は自分のトゥート1つ1つに対し「公開」するか否かを設定できる。利用者の投稿した公開トゥートは、自身がフォローした利用者のトゥートが表示される「ホームタイムライン」と呼ばれるカラムとは別の、「公開タイムライン」[注 2]と呼ばれるカラムにも集約される。公開タイムラインには「ローカルタイムライン (Local timeline)」と「連合タイムライン (Federated timeline)」の二種類が存在している。ローカルタイムラインではそのサーバーに所属している全利用者の公開トゥートが表示される。一方連合タイムラインではサーバーが「知っている」全ての公開トゥートが表示される。これは「同一サーバーの全利用者の公開トゥート」・「同一サーバーの利用者がフォローしている(他インスタンスの)全利用者の公開トゥート」を意味する[12] 投稿前にプライバシーレベルを選択する


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:43 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef