マジョラム
マジョラム
分類
マジョラム(英: marjoram、学名: Origanum majorana)は、シソ科の多年草。ハーブとして様々な用途に用いられる。和名はマヨラナ。オレガノなど同じ属の他の種と区別するためスイート・マジョラム(英: sweet marjoram)[2]、あるいはノッテッド・マジョラム(英: knotted marjoram)とも呼ばれている。30センチメートル程度の茂みに育ち、赤みがかった枝に、対になった丸く白い葉がつく。初夏に、先端に白い花を多数つける。ハーブのオレガノは同属。マージョラムとも表記される。肉料理の香りづけに使われるハーブとしても知られる。
リンネの『植物の種』(1753年)で記載された植物の一つである[3]。 マジョラムと呼ばれるものでは、他にポット・マジョラム(学名: Origanum onites 属名のOriganumはギリシャ語のoros(山)とganos(喜び)の合成語で「山の喜び」の意がある。 地中海東部沿岸が原産地とされる[4]。古代ギリシャから栽培されていた。古代ギリシャ、ローマでは幸せを象徴するハーブとして、結婚する若い二人が頭にこの花冠をのせる習慣があった。また、故人の冥福を祈って、死装束の香りとしてお墓にも植えられた。中世、ローマ人がイギリスに伝えると、ホップが使われる前までは、このハーブがビールの苦みに使用された。この香りを吸い込むと健康に良いとされ、乾燥したハーブが幅広く売られていた[5]。 茎葉がハーブとして使われ、野菜としての旬は4 - 10月といわれている[2]。茎葉は濃い緑色で、葉が新鮮なものが良品とされる[2]。香辛料や精油として用いられている。精油やエキスは沈静、抗不安、制淫の目的で使用されている。 料理では、俗に「肉のハーブ」とよばれる[2]。ほのかな甘い香りとほろ苦さは肉と相性が良く[2]、肉料理のソース、ソーセージ、パテ、鶏や豚のローストなどあらゆる肉料理の香りづけに用いられる[4]。トマトやチーズと良く合い、イタリア料理ではポピュラーなハーブである[2]。調理するときに長時間加熱すると香りがとんでしまうため、料理の仕上げに加えて軽く加熱する程度で使われる[2]。 オレガノとは近縁で、香りは似ているがマジョラムのほうがマイルドだといわれている[2]。ドライにしたものはオレガノよりも苦味があり、ミックススパイスにも使われる[4]。
他のマジョラム
語源と歴史
薬効・料理