マジック:ザ・ギャザリング
[Wikipedia|▼Menu]

マジック:ザ・ギャザリング対戦風景
デザイナーリチャード・ガーフィールド
販売元

ウィザーズ・オブ・ザ・コースト
ホビージャパン (1996-2005)タカラトミー (2006-2011)ウィザーズ・オブ・ザ・コースト・ジャパン (2012-)
発売日1993年8月
ジャンルトレーディングカードゲーム
プレイ人数2 - 4人
対象年齢13歳以上
準備時間5 - 10分
プレイ時間15分 - 30分程度
運要素中 (カードドロー)
ウェブサイト ⇒magic.wizards.com/ja

マジック:ザ・ギャザリング(: Magic: The Gathering、M:tG、MTG)は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WotC)社製のトレーディングカードゲーム(TCG)。日本では、同社の日本事業部が窓口になっている。

1993年に発売された世界初[注 1]のトレーディングカードゲームである。公式にはマジック、のように略され、他にもMTG、ギャザ、マジギャザなどと呼ばれる。このほか、「もっともよく遊ばれているTCG」[1]などでもギネス世界記録に認定されている。

マジック:ザ・ギャザリングを初めとするTCGにおいては、一定の制限内で好きなようにカードを組み合わせたデッキ(山札)を各プレイヤーが用意する。さらに、多くのカードが原則を破る特殊ルール(極端な例として「ライフが0になっても敗北しない」「山札切れすると勝利する」など)を持っている。これにより、ほぼ無限に拡張され得るコレクション性と多彩かつダイナミックなゲーム展開とが両立された。

ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の創業者ピーター・アドキソンによれば、テーブルトークRPG (TRPG)のコンベンションを巡業していた経験から、その待ち時間にプレイできるファンタジー志向のゲームを意図して製作したとしている[2][注 2]。メインデザイナーであるリチャード・ガーフィールドによれば、本作は自身が高校生の頃に考案していたゲーム"Five Magics[注 3]に原点があるという[4]。「ルールを破るカード」というデザイン上のヒントはボードゲームの『コズミック・エンカウンター』に[5]、土地カードのヒントは"King of the Tabletop[注 4]にあったと話している。

このゲームは発売されてから短期間の内に驚異的な人気を得て、TRPG関連の新興零細メーカーに過ぎなかったウィザーズ・オブ・ザ・コースト社を一気に成長させた。そしてその人気に触発されて多くのメーカーが次々とTCGを発売した結果、僅か数年でTCGがゲームの一ジャンルとして確立したのである。人気は他のゲームジャンル・漫画にも影響を与えた。『デュエル・マスターズ』はこのゲームのメカニクスをライセンス供与され製作された。
基本的な遊び方ゲームの卓上セットアップ
対戦方式は様々あり、多人対戦も可能だが、最もメジャーな対戦方式は1対1であり、公式戦でも多くが1対1で行われる。

双方のプレイヤーは、各々20点(40点等の場合もあり)のライフを持ち、60枚以上(ルールによっては40枚以上、100枚ジャスト等)のカードで事前に構築されたデッキを持ちよる。

ダイスロール等による選択権からプレイヤーの先行・後攻を決定し、両名とも最初の手札となる7枚をドローする。所定のマリガン・ルールによりペナルティを受ける代わりに手札を引き直す事も出来る。

双方のプレイヤーが交互にやって来る各々の手番(ターンと呼ぶ)およびターン内に定められたフェイズ進行手順を実行することでゲームを進める。

アンタップ・アップキープ・ドローといったフェイズの処理を自身のターンの最初に行う。先攻(オン・ザ・プレイ)は最初のドローは行えない。後攻(オン・ザ・ドロー)は最初からドローできる。

戦闘の前後にある2つのメイン・フェイズ(第一メイン・第二メイン)では基本的に土地カードのプレイとクリーチャー召喚他の呪文カードによって自身の盤面を展開していく。土地は基本的に各ターンに一枚しかプレイできない。その他のカードは「マナ」を支払える限り使用枚数に制限はない。

自分のターンでないプレイヤーも、主にインスタント呪文によって割り込み・打ち消し・干渉等を行う事が出来る。

戦闘フェイズでは定められた方法で自分のクリーチャーで相手を攻撃するが、そのターンに召喚されたばかりのクリーチャーは「召喚酔い」状態にあるとされ攻撃が出来ないものがほとんどである。また、直接相手のライフを減らす呪文のみで構成されているなど、クリーチャーに頼らない戦略も存在する。

攻撃を受けた際、自分の場のカードにより防ぎきれなかった(または、あえて防がなかった)攻撃は、その点数分のダメージをプレイヤーのライフから減らす。

エンドステップではクリーチャーに累積したが殺すに及ばなかったダメージの消滅や8枚以上となった手札の7枚への調整が行われる。

以上を繰り返し、片方のプレイヤーのライフポイントが0になるか、山札を引けなくなるまで進行する。カードの効果により敗北する場合もある。また、完全なロック(行動制限)状態になるなど、明らかに勝ち目がないと判断したプレイヤーは投了を宣言することもできる。

「BO1(ベスト・オブ・ワン)」方式ではこの時点でマッチの勝者・敗者が決まる。「BO3(ベスト・オブ・スリー、三戦二本先取方式)」ではサイドボードからのカード入れ替えを行い再びゲームを行う。

カードの種類カードの例

マジックのカードは、大きく土地(Land)カードと呪文(Spell)カードに分けられる。呪文カードは、使用形態の違いによりさらに細分化され、また効果は色(マナ)ごとにある程度偏りがあり、その色の特色が出るようになっている。

各種類のカードに定められたルール上の原則はカードの効果によって無視されることがある。例えば、通常自分のターンごとに手札から出せる土地カードは1枚までとなっているが、この制限を破るカードもある。
土地(Land)カード
マジックにおいて他のカードを使うために必要なマナという魔法力を生み出すカード。土地はタップ(場札を使用すること)することで、呪文カードを使うために必要なマナを生成することができる。つまり、自分が場に出している土地の枚数で、各ターンに使える呪文の質や量が決まることになる。※場札は自分のターンが来るたびに再びアンタップ状態(未使用状態)となる。また、余ったマナを次のターン(正確には次のフェイズ)に持ち越すことは基本的にはできない。自分のターンごとに1枚の土地カードを(手札にあれば)出すことができるので、基本的にゲームが進むごとにより強力、大量に呪文が使用できるようになっていく。《平地》、《島》、《沼》、《山》、《森》、《荒地》の基本土地と、特殊な用途がある基本土地でないカードがある。黎明期にはマナを生み出さない土地が存在したが、現在では基本方針としてマナを生み出す土地しか作られないようになっている。
呪文(Spell)カード
土地以外のカード。自分のターンに、土地から生み出されるマナを支払うことにより手札から使用することができる。マナさえ余っていれば、何枚でも使用してもよい。各呪文カードは白、青、黒、赤、緑に色分けされている。色はそれぞれ《平地》《島》《沼》《山》《森》の5種類の土地に対応しており、大抵の場合対応する土地から出るマナが必要となる。また、通常は色を持たないアーティファクトカードや、複数の色を持つ多色(マルチカラー)カード、複数の色で使える混成(ハイブリッド)カード、カードの左右が独立した別々の色や効果を持っていて、状況に応じて使い分ける分割(スプリット)カードなども存在する。呪文カードは、クリーチャー、アーティファクト、エンチャント、ソーサリー、インスタント、プレインズウォーカーに分類される。複数のタイプを持つカードもある。
クリーチャー(Creature)カード
「生物」の意。モンスターや人物などを表したカード。使用すると場札となり、戦闘での攻撃やブロック(迎撃)に使用できる。
アーティファクト(Artifact)カード
「人工物」の意。魔法の道具を表したカード。通常は色を持たないが、一部色を持つアーティファクトもある。使用すると場札となり、様々な効果を発揮する。ゴーレムなど、アーティファクトでありながらクリーチャーでもあるカードも存在する(アーティファクト・クリーチャー)。
エンチャント(Enchant)カード
「呪い、加護」の意で、中国語版では「結界」と訳される。持続的に続く魔法を表したカード。使用すると場札となり、様々な効果を発揮する。ゲーム全体に影響を及ぼす全体エンチャント(俗称)と、場札やプレイヤーに掛かるオーラ・エンチャントに加え、拡張セット未来予知にて先行収録されテーロスにて本格導入された神々の世界の住人を表すエンチャント・クリーチャーがある。神の武器であるエンチャント・アーティファクトが追加され4種類となった。
ソーサリー(Sorcery)カード
「魔術」の意。プレイヤーが直接詠唱する魔法を表したカード。使用後は場札にならずに捨て札となる。
インスタント(Instant)カード
「即時」の意。プレイヤーが直接詠唱する魔法を表したカード。使用後は場札にならずに捨て札となる。他のカードとは違い、クリーチャーの戦闘中や、相手のターンでも使うことができる。その代わり、単体での性能はソーサリーに劣る。対戦相手の呪文や行動に対抗して使うのが最も一般的な使い方である。
プレインズウォーカー(Planeswalker)カード
「次元を渡り歩く者」の意。拡張セット、ローウィンから登場したタイプのカード。マジックの世界・ストーリー設定の根幹をなすものである。プレイヤーの友軍。使用すると場札となり、プレイヤーの指示により強力な能力を発動できる。これが自軍の場札になると、以後相手プレイヤーはプレイヤーかプレインズウォーカーのどちらを狙って攻撃や呪文を仕掛けるかを選択することになる。自分のプレインズウォーカーへの攻撃も、自分への攻撃と同様に自軍のクリーチャーを使ってブロック(迎撃)することができる。プレインズウォーカーにはそれぞれ忠誠度が設定されている。その能力の多くは使用することで忠誠度が上下する。忠誠度には上限はないが、プレインズウォーカーがダメージを受けると忠誠度が減っていき、忠誠度が0になると捨て札になる。
バトル(Battle)カード
「戦争」の意。拡張セット、機械兵団の進軍から登場したタイプのカード。使用すると場札となり、同時にプレイヤー1人を守る者として設定する。プレイヤーは自分が守っていないバトルを攻撃でき、自分が守るバトルに対する攻撃をブロックすることができる。バトルにはそれぞれ守備値が設定されている。バトルがダメージを受けると守備値が減っていき、0になるとバトル固有の能力が誘発するか、能力が誘発しない場合は単に捨て札となる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:170 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef