マグマ_(バンド)
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マグマ
Magma
オランダ・ティルブルフ公演 (2017年4月)

バンド ロゴ&シンボル
基本情報
出身地 フランス
ジャンルズール
プログレッシブ・ロック
ジャズロック
アートロック
アバンギャルド
実験音楽
スペースオペラ
活動期間1969年 - 1984年
1996年 - 現在

メンバークリスチャン・ヴァンデ
ステラ・ヴァンデ
フィリップ・ブゾネ
ジェイムス・マック・ガウ(2021年没)
ハーヴ・アクニン
イザベル・フォイヨボゥワ
ジェレミー・テルノイ
ベノア・アルジアリ

旧メンバークラウス・ブラスキス
ベルナール・パガノッティ
ヤニック・トップ
ディディエ・ロックウッド
ほか 別記参照

マグマ(Magma)は、フランス出身のプログレッシブ・ロックバンド

クリスチャン・ヴァンデが主宰し、長い活動実績を誇る同国の代表的グループ。コバイア語という架空言語を駆使して、スペース・オペラ的な長編物語を構築。強力なリズム隊と呪術的な混声合唱を展開し、独自のスタイルを築き上げた。
来歴フランス・シルティカイム公演 (2007年5月)

1967年ジャズサックス奏者、ジョン・コルトレーン (John Coltrane) の大ファンだったクリスチャン・ヴァンデは、彼の死にショックを受け、イタリア放浪を始める。放浪生活中「啓示を受け」フランスに帰郷。1969年にマグマを結成する。

結成時からのメンバーはクリスチャン・ヴァンデのみだが、マグマにはフランスのジャズ・ロック/プログレッシブ・ロックシーンの中心的な人物が多数関わっている。中には辣腕のジャズ・ヴァイオリニストであるディディエ・ロックウッドなどの名前もあり、フレンチ・ジャズ・ロック・シーンにおいては伝説的存在である。

いわゆるジャズ・ロックの枠内にとどまらない音楽性を創出し、オペラ、古典派のクラシック、ミニマル音楽などの要素を導入した「ズール」(Zeuhl Music)[1]なるジャンルの創始者として知られる。音楽性の微細な変化は幾度か経ているが、惑星コバイアを舞台とした神秘主義的なストーリーをエピカルに描くスタイル、特徴的なボーカリゼーション、ギター・キーボードより前面に出るリズムセクション、執拗な反復とビートの変化を繰り返しながらも狂熱的なアンサンブルはおおむね不変である[2]

1stアルバム『コバイア - マグマ誕生』(1970年)、2ndアルバム『2 - 摂氏1001℃』(1971年)では、「宇宙からきたコバイア星人の言語」であるコバイア語(架空言語)を構築し、変拍子を使用したホーンセクション中心のジャズ・ロックを展開していた。3rdアルバム『呪われし地球人たちへ』(『Mekanik Destruktiw Kommandoh』通称「M.D.K.」 1973年)では、7人の混声合唱隊を導入し、短い主題の反復発展を繰り返すコーラスとベース、ドラムが絡み合う39分に及ぶ大作を作り上げている。

それ以後の活動の中で、音楽シーンから複雑な長尺の楽曲が減っていくにしたがって、ヴァンデの関心によってファンクソウル色が強まり、彼自身の歌に重きが置かれ、アルバム『メルシー』(1985年)では、コバイア語を使わないというアプローチに至り、その直後に解散している。

1980年代後半にはクリスチャン・ヴァンデはソロ・プロジェクト、オファリング(Offering)にてヨーロッパ各地を公演している。先述の『メルシー』で見せたアプローチをより推し進めた音楽性で、マグマの呪術性や重苦しさとは対照的に、明朗なボーカルとファンク・ソウルを盛り込んだコンテンポラリーなジャズ・ロックを志向。四枚のスタジオアルバムと一枚のライブ盤を発表している(AKTシリーズに音源あり)。

1996年からマグマとしての活動を再開し、精力的にライブを行い、2004年には1973年頃に数回ライブで演奏されただけの幻の曲「Kohntarkosz Anteria」、2005年の単独来日公演(ある公演ではLes Voixの布陣で「トゥーザムターク」三部作を抜粋ではあるが通奏した)を経て、2009年には「コンタルコス」三部作の未発表楽章「Emehntehtt-Re」を新アルバムとして発表した。

2010年フジロックフェスティバルへの出演、2015年にも再来日し単独公演[3]

日本では吉田達也が大きな影響を受けており、極端に多用される変拍子や独特の言語による歌唱を自身の音楽で再現している。
エピソード

リーダーのクリスチャン・ヴァンデは大の飛行機嫌いで、アメリカや日本からの公演の依頼を何度も断っていたが、その後2005年には来日を果たし、その模様を収めたライブ・アルバムもリリースしている。

ジャン=ピエール・ラッサム監督の1972年のフランスのコメディ映画『億万長者わが道を行く(Moi Y'en A Vouloir Des Sous)』に出演している。主人公の設立した教会に呼ばれて演奏にやってきたカルトなバンドという設定で、神父たちが見守る中で演奏を披露している。

主要メンバーだったベルナール・パガノッティ(ベース)は日本人のナオコ・パガノッティとの間にアントワーヌ・パガノッティ、イミコ・パガノッティの2人の子供がおり、2人は同時期にボーカリストとしてマグマに参加していた。

1995年、ベルナール・パガノッティはフランスで録音された加藤登紀子のアルバム『花』に参加し、その後、日本各地で行われたツアーにバック・バンドの一員として参加している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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