マクロス_ザ・ミュージカルチャー
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マクロス ザ・ミュージカルチャー(MACROSS THE MUSICALTURE)は、アニメマクロスシリーズ」を題材とした日本ミュージカル作品。2012年10月3日より10月8日まで、東京ドームシティーホールにて全8回公演。
概要

「マクロスシリーズ」30周年を迎えた2012年に企画された「マクロス30周年プロジェクト」のひとつ。テレビアニメ『超時空要塞マクロス』の第1話放送(1982年10月3日)から30年目となる2012年10月3日に初日公演が行われた。「歌」が重要な意味を持つ本シリーズにおいては、劇中歌を担当する歌手により各種のコンサートが催されてきたが、ミュージカルの上演は初の試みとなる。

内容は既存のアニメ作品の舞台化ではなく、新たに書き下ろされたオリジナルストーリーとなる。時間設定は『マクロスF』から3年後の2062年。『マクロス7』や『マクロスF』と同じく、市民生活を営みながら宇宙を航行する新マクロス級超長距離移民船団のひとつ「マクロス29(ツーナイン)」が舞台となる。シリーズの伝統である「三角関係」のドラマを織り込み、5人の歌姫が歴代マクロスソングをカヴァーする[1]。舞台表現のライブ感を重視するため、映像配信やソフト化は行わない予定[1]

ヒロインのさくら・クロフォード役はガールズユニット9nine吉井香奈恵が演じる[2]。また、30周年プロジェクトの別企画「ミス・マクロス30コンテスト」の「アクトレス・ウイング」部門で審査員特別賞を受賞した片木ゆきがキャストの一員として初舞台を踏む[3][4]

なお、製作発表から上演までに主要キャスト2名が変更された。ヴィーゴ役の菊池卓也広瀬友祐へ交代。シャルロット・マリオン=グラス役の神田沙也加急性胃腸炎のため初日公演2日前に降板が発表され、富田麻帆が代役となった[5]
ストーリー
第一幕

西暦2009年、地球人類は戦闘種族ゼントラーディの襲来により滅亡の危機に瀕したが、伝説の歌姫リン・ミンメイの歌声がゼントラーディの闘争本能を鎮め、和解へと導いた。生き残った地球人とゼントラーディは宇宙移民計画を立案し、銀河系各方面へと移民船団が旅立っていった。

西暦2062年、第29次新マクロス級超長距離移民船団、通称「マクロス29(ツーナイン)船団」は独自の非戦闘主義を貫いていたが、その代償として船団経済は破綻寸前であった。市民の不満の受け皿として、武力再興を唱えるゼントラーディ系組織「ネオ・ゼントラン」が支持を広げており、若き指導者ヴィーゴ・ウォルグリアが次期市長選挙への出馬を表明する。

ヴィーゴの立候補演説を見て、幼なじみのアッシュ・アンダーソンとさくら・クロフォードは戸惑う。かつて3人は踊りと歌に青春を賭けていたが、5年前ネオ・ゼントランの暴動事件に巻き込まれ、アッシュとさくらは夢を諦め、ヴィーゴはふたりの前から姿を消していた。さくらはヴィーゴと再会し、彼がネオ・ゼントランをまっとうな組織に変えようと励んでいることを理解する。しかし、アッシュはネオ・ゼントランへの恨みから、ヴィーゴへのわだかまりを捨てられずにいた。

現市長のセルジュはヴィーゴの人気に焦り、支持率回復の妙案として、船団一の歌姫を決める「ミス・マクロス・コンテスト」の開催を宣言する。さくらはアッシュを励ますためコンテストへの出場を決意する。アッシュと同居するロボットのエル、中華料理店「娘娘」の店長ソニア、ヴィーゴの妹ダリル、市長の娘シャルロットも、それぞれの決意を胸にコンテストに参加する。
第二幕

コンテスト当日、5人の出場者たちはミス・マクロスの座をかけ溌溂とパフォーマンスをみせる。しかし、ネオ・ゼントランの副官ゼガンドがヴィーゴを裏切り、コンテスト会場を占拠して市長らを拘束し、力ずくで政権を奪い取ろうとする。アッシュは過去と決別しヴィーゴを救おうとするが、ゼガンドの手下に捕らえられてしまう。

そんな窮地において、さくらが発した渾身の歌声がネオ・ゼントランの心を震わせ、闘争本能を鈍らせる。歌姫たちのハーモニーが加勢して形勢は逆転し、アッシュとヴィーゴは乱闘劇の末にゼガンドを組み伏せる。

ヴィーゴは組織の責任を取ろうとするが、セルジュ市長は罪滅ぼしのためともに働くよう提案。ミス・マクロス・コンテストを再び開催し、ほかの移民船団に売り出して、エンターテインメントで経済を活性化しようとする。アッシュとヴィーゴはバックダンサーとしてコンビを復活しようと約束し、さくらは「わたしの歌で銀河を震わせてみせる!」と誓う。
登場人物・キャスト
主要人物
ヴィーゴ・ウォルグリア (Vigo Walgria)
- 広瀬友祐本作の主人公。理想に燃えるネオ・ゼントランの若きリーダー。ゼントラーディの血を引く屈強な身体と精悍な顔立ちながら、内面には優しさを秘めている。アッシュとさくらは幼なじみで、学生時代は相棒のアッシュと共にダンサーを目指していた。5年前の暴動事件後、アッシュの仇討ちのつもりでネオ・ゼントランに加わったが、同じ悲劇を繰り返さないよう組織の内部改革に努め、リーダーとして政界進出を目指すところまで来た。
アッシュ・アンダーソン (Ash Anderson)
演 -
土屋シオン娘娘飯店でアルバイトをする若者。首にヘッドホンをかけ、左脚にはダイナム超合金の義足をつけている。機械いじりが得意で、スクラップ置き場に住んでいる。かつては銀河一のダンサーになることを目指していたが、5年前にネオ・ゼントランの暴漢に撃たれそうになったさくらをかばおうとして片脚を失う。普段は陽気にふるまっているが、心中に夢を諦めたことへの挫折感を抱えている。
さくら・クロフォード (Sakura Crawford)
演 -
吉井香奈恵ピンク色の髪をもつ天真爛漫な女性。娘娘飯店の常連客で、アッシュとは口喧嘩が絶えない。以前はリン・ミンメイのような歌手になることを夢見ていたが、5年前の暴動事件で自分をかばったアッシュが片脚を失ったことを悔やみ、それ以来歌が歌えなくなった。ヴィーゴに勇気づけられ、自分とアッシュの夢を取り戻すためミス・マクロス・コンテスト出場を決心する。
ミス・マクロス・コンテスト出場者
ダリル・ウォルグリア (Daryl Walgria)
演 -
上杉梨紗ヴィーゴの妹。髪はプラチナのショート。ネオ・ゼントランの男社会で育ち、男勝りの性格をしている。


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