マキノトーキー製作所
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マキノトーキー株式会社
Makino Talkie KK.
種類株式会社
略称マキノトーキー
本社所在地 日本
京都市太秦帷子ヶ辻中開町(現在の同市右京区太秦堀ヶ内町)
設立1935年11月 マキノトーキー製作所
1936年9月 組織・社名変更
業種製造業
事業内容劇映画トーキー)の製作・配給・興行
代表者マキノ正博
主要株主笹井末三郎
関係する人物太田進一
笹井末三郎
宗田政雄
松山英夫
特記事項:1937年4月 解散
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マキノトーキー製作所(マキノトーキーせいさくしょ、1935年11月 設立 - 1937年4月 解散)は、かつて京都に存在した映画会社である[1]。当時27歳の映画監督マキノ正博が、自ら開発した録音機材を投入して設立した初期のトーキー映画のプロダクションであり、1936年9月に組織変更しマキノトーキー株式会社となったが、短命に終わった[1]
略歴・概要
前史 技術開発者マキノ

マキノの父・牧野省三は早くからトーキーに取り組んでおり、マキノ・プロダクション時代の1929年(昭和4年)にはディスク式トーキー作品『戻橋』(監督マキノ正博)を製作、全国的なヒットを生んだが、興行の現場では映写技師がシンクロに苦労し、苦情が殺到していた[1]

1931年(昭和6年)に松竹が「国産初のトーキー映画」とされる『マダムと女房』(監督五所平之助)を発表、翌1932年(昭和7年)から松竹、日活月形陽候プロダクション片岡千恵蔵プロダクション新興キネマ新映画社[要曖昧さ回避]、音映の各社が数本ずつのオール・トーキー、サイレント映画にトーキー部分を織り込んだパート・トーキー、サイレントに音楽や活弁を収録したサウンド版を製作しはじめた[1]

1933年(昭和8年)、マキノ正博は、亡くなった父・省三の代からの横田永之助との確執から日活を馘首された。これからはトーキーだと確信していたマキノは、退職金の2,000円(当時)の半分を握って上京、日本国粋会太田進一率いる牛込区神楽坂(現在の新宿区神楽坂)の音映で、同社の技術スタッフたちとともに録音・撮影機材の研究・開発に没頭した。新機材を開発したマキノは、音映の京都支社を新設して、録音技師として各社の下請けをし、録音技術の研鑽を積んだ[1]

1935年(昭和10年)、神戸の千鳥興業の専務取締役宗田政雄が京都のマキノを訪れ、「月間トーキー2本、サウンド版2本、年間48プログラム」の生産ペースを前提に、配給と製作費の出資をする旨の申し入れをした。ついては12月中旬から第1作を公開したいので、11月からクランクインしてほしいというこの申し入れに、マキノは考え込んだが、笹井末三郎が撮影所用地を調達して励まし、マキノはついに新会社設立の決意をした[1]
安価なトーキーの量産

同年11月に設立に先駆け、10月末には設立の発表がなされた。第1回作品は澤村國太郎原駒子の主演、マキノ監督によるトーキー映画『江戸噺鼠小僧』で、撮影所が建設中のため、新興キネマ京都撮影所のステージを借りて撮影を行い、同年12月18日に公開された。同年12月末、太秦帷子ヶ辻中開町(現在の右京区太秦堀ヶ内町)にマキノトーキー撮影所が開設となった。

1936年(昭和11年)1月、同社の陣容を発表した(以下抜粋、一部追記)[1]

撮影所長 マキノ正博

理事 笹井末三郎

所長秘書[2]・人事部 楠五郎

経理部 田丸重雄、笹井武彦

製作部 伊東弘

進行部 響庭寅蔵[2]、片山伸二[2]

監督部 松田定次広瀬五郎久保為義根岸東一郎中川信夫[2]

脚本部 比佐芳武、千治喬(千治喬二[2])、山下元、波多謙治、山本正夫[2]

技術部 大森伊八、大塚周一、藤井春美、柾木四平

照明部 山下直一[2]

小道具部 長尾淑[2]

大道具部 川村鬼世志[2]

助監督部 姓丸浩、平尾善夫、藤本脩一郎、駒沢雅夫、宮城文夫、佐々木勘一郎

編集部 宮本信夫、井上秋江、井上貞子

技芸部男優 月形龍之介、澤村國太郎、中野英治光岡龍三郎葉山純之輔谷譲二ジョー・オハラ[2]大泉慶治[2]榊田敬治[2]清水英朗[2]

技芸部女優 マキノ智子松浦築枝、原駒子、山縣直代、マキノ博子、花房銀子[2]、藤代朝子[2]

企画部 松山英夫岡本潤、中川信夫、坂田重則ほか

※後に参加したキャスト[2]

技芸部男優 志村喬団徳麿田村邦男光岡龍三郎水原洋一浅野進二郎廣田昂椿三四郎雲井龍之介林誠太郎大内弘坂内永三郎ほか

技芸部女優 大久保清子大倉千代子月澄江大内照子桜井京子久松三津枝ほか

撮影所が開所してわずか1か月の同月末、すでに通算9本を完成、4本の映画にとりかかっていた。


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