マカリアー
[Wikipedia|▼Menu]

マカリアー(古希: Μακαρ?α, Makari?)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してマカリアとも表記される。英雄ヘーラクレースデーイアネイラの娘[1]。ヘーラクレースの死後、英雄の子供たち(ヘーラクレイダイ)はミュケーナイエウリュステウスから迫害を受けた。そのときマカリアーは自ら命を絶つことによって一族を救ったと伝えられている[2][1]
神話
エウリーピデース

エウリーピデース悲劇ヘーラクレースの子供たち』によると、ヘーラクレイダイはエウリュステウスの迫害から逃れるため、アッティカ地方のマラトーンに身を寄せた。アテーナイ王のデーモポーンは彼らを保護し、エウリュステウス率いるアルゴス軍と戦うべく兵を起こしたが、アテーナイに古くから伝わる神託を調べた結果、勝利するためにはハーデースの妃神ペルセポネーに良家の娘を生贄として捧げる必要があることが判明した[3]。それを知ったマカリアーは一族のために自ら進んでその身を差し出す決意をした。ヘーラクレースの甥イオラーオスは全ての姉妹でを引き、公平に決めるべきだと主張したが、マカリアーはむしろ偶然引いた籤で死ぬのは嫌だと言ってこれを退けた。こうして、マカリアーはデーモポーンの立会いの下でペルセポネーの生贄となり、彼女の望み通りに女性の腕の中で息絶えた[2]
パウサニアス

パウサニアスによると、ヘーラクレイダイがエウリュステウスの迫害を受けたのは、アテーナイ王デーモポーンの父テーセウスの時代とされている。テーセウスはトラーキース王ケーユクスに保護されていた彼らを受け入れ、エウリュステウスからの引き渡しの要求にも応じなかったが、ヘーラクレースの子供たちの中から自ら犠牲になる者が現れらなければアテーナイは戦いに勝つことが出来ないと神託で告げられた。そこでマカリアーは自ら喉をかき切って命を絶った。この犠牲によってアテーナイは勝利し、ヘーラクレイダイは救われた。マラトーンにあるマカリアーの泉は彼女の名前に由来するという[1]
系図

        ヘーラクレース デーイアネイラ       ポリュネイケース アルゲイアー
    
                                   
                     
イオレー ヒュロス グレーノス クテーシッポス オネイテース マカリアー テルサンドロス デーモーナッサ
    
                                   
           
クレオダイオス アリスタイクメー エウアイクメー トラシュアノール           ティーサメノス 

                                  
     
アリストマコス レオーナッサ     アンティマコス           アウテシオーン 

                                      


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:49 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef