マウナロア
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マウナ・ケア」とは異なります。

マウナ・ロア
マウナ・ロア
標高4,169 m
所在地 アメリカ合衆国 ハワイ州
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯19度28分46.3秒 西経155度36分9.6秒 / 北緯19.479528度 西経155.602667度 / 19.479528; -155.602667座標: 北緯19度28分46.3秒 西経155度36分9.6秒 / 北緯19.479528度 西経155.602667度 / 19.479528; -155.602667
山系ハワイ諸島
種類楯状火山
OpenStreetMap
プロジェクト 山
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マウナ・ロア(ハワイ語: Mauna Loa)は、ハワイ諸島にある活火山であり、ハワイ島を形成する5つの火山のうちの1つである。ハワイ語でマウナは山[1]、ロアは長いという意味で[2]、マウナ・ロアで「長い山」の意となる[3]。山頂にはモクアーヴェオヴェオ(ハワイ語: Mokuʻ?weoweo)と呼ばれるカルデラがある。マウナ・ロアの体積は約75,000 km3であり (富士山は1,400 km3)[4]、地球で最も体積の大きい山でもある。

マウナ・ロアは有史以来、30回を超える噴火が起こっており、1984年の3月から4月にかけて起こった噴火は世界的にも有名である。
概要マウナ・ケアとマウナ・ロア

マウナ・ロアは楯状火山であり、その体積はおよそ75,000 km3と見積もられるが[4]、その山峰は隣のマウナ・ケアより約35 m低い。マウナ・ロアから噴出する溶岩は珪長質に乏しく非常に粘度が低い。そのために非爆発的なハワイ型噴火になる傾向にあり火山斜面の傾斜は極めてなだらかである。

火山は少なくとも70万年間にわたって噴火していて、約40万年前に海水準より上に現れた。しかし、岩石の年代測定で知られている最古のものは約20万年前である[5]。そのマグマハワイ・ホットスポットに由来し、このホットスポットは何千万年もの時間をかけて天皇海山列やハワイ列島を作る原因となってきた。太平洋プレートのゆっくりした動きによって、この火山は最終的にホットスポットからは離れるため、火山は50万年から100万年以内に死火山となると考えられている。

マウナ・ロアの最も有名な噴火は1984年3月24日から1984年4月15日にかけて起こった。最近の噴火による死者は出ていないが、1926年1950年の噴火は複数の町を壊滅させた。そもそもヒロの一部は19世紀後半からの溶岩流の上に構築されている。人口集中地に及ぼす危険性を考慮して、マウナ・ロアは、世界でも危険性が高い火山の研究を奨励する防災十年火山プロジェクトの対象に選定されていた。マウナ・ロアは1912年以来ハワイ火山観測所 (HVO) によって集中的にモニターされている。大気の観測はマウナロア観測所で、太陽の観測はマウナロア太陽観測所で行われていて、両方がその山頂近くに位置する。ハワイ火山国立公園はこの火山の山頂と南東麓をカバーし、別の火山であるキラウエアを含む。

直近には2022年11月27日に噴火が起き、噴火は現在継続中である(2022年12月4日現在)。

マウナ・ロアを登った最初のヨーロッパ人の記録は、1794年博物学者アーチボルド・メンジーズ (Archibald Menzies)、ジョゼフ・ベイカー大尉 (当時) (Joseph Baker) ら4人によるものである[6][7]気圧計を用いて、メンジーズはその標高を15 m以内の精度で計算した。
構造マウナ・ロアの地形図 (1:250,000)

マウナ・ロアは世界最大の楯状火山である。溶岩の粘度が低く極めて流動的なため、斜面がなだらかで盾を伏せたような形である。激しい噴火は稀で、ほとんどの場合で溶岩噴泉から溶岩流が供給されるハワイ型噴火が起こる。典型的な噴火では、始めに数kmにおよぶ割れ目火口が開き、それに沿って溶岩噴泉がいわゆる「炎のカーテン」として出現する。通常では数日間で火山活動は一つの噴火口へと収束していく[8]

噴火は一般的に、山頂、北東に伸びる割れ目帯、南西に伸びる割れ目帯、という3つの地域で起こる。過去200年間に起きた噴火の約38%は山頂で、31%は北東割れ目帯で、25%は南西割れ目帯で起こった。残りの6%は、割れ目帯から離れた山頂の北西にある複数の火口で起こった[9]。山頂カルデラはモクアーヴェオヴェオと呼ばれ、その直径は3-5 kmである。1,000-1,500年前、北東割れ目帯からの非常に大規模な噴火により山頂の下にあった浅いマグマ溜りが空となり、山頂が崩れてカルデラが形成されたと考えられている[10]

地震データから火山活動の源であるマグマ溜りの位置が分かる。地震波のうちS波は液体状態の岩石中を進むことができないため、マグマ溜りはS波の伝達を遮る「影」として映る。影の位置から、山頂の約3 km下にマグマ溜りがあり、さらに割れ目帯の下には小さなマグマの塊があることが判明している[11]

ハワイ島の上を東から西へ吹く貿易風とマウナ・ロアがこの地域の気候に強い影響を持つ。低い標高では、風上である火山の東側に激しい雨が降るためヒロは米国で最も降水量の多い都市である。この降雨が広範囲の森林をうるおしている。風下にあたる西側ははるかに乾燥しており、高い標高では降水量は減る。非常に気温が低いため降水の大半は雪である。このためマウナ・ロア山頂付近は、凍結と融解が地質的に重要な役割を果たす周氷河地域に分類される[12]
地質と歴史
起源

マウナ・ロアは70-100万年前に噴火を始め、それ以来現在まで着々と成長を続けてきた。マウナ・ロアは他のハワイ諸島の火山と同様に、地球のマントル深部から上昇するプルームに起因するハワイ・ホットスポットが作ったものである。太平洋プレートは年間10 cmの速度で移動していくが、ホットスポットの位置はマントル深部に対して固定されている。熱いマグマの上昇は火山を作り、マグマの上昇経路の上からプレートの移動によって火山が動かされる前に、個々の火山は数百万年にわたって噴火する。

ホットスポットは少なくとも8000万年にわたって存在し、数々の古い火山で構成される天皇海山列-ハワイ列島はホットスポットから5,800 km近くも伸びている。現在、このホットスポットは、マウイ島ハレアカラハワイ島フアラライ、マウナ・ロアおよびキラウエア、そしてハワイ島の南に成長しつつある海底火山のロイヒ、という5つの火山にマグマを供給している。マウナ・ロアはこれら5つの中で最大のものであり、キラウエアが現在もっとも激しい火山活動をしている[13]
先史時代の噴火1984年に噴火したマウナ・ロア


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