マイ・フェア・レディ
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この項目では、ミュージカルについて説明しています。このミュージカルを元にした映画については「マイ・フェア・レディ (映画)」を、TBSのバラエティ番組については「Goroプレゼンツ マイ・フェア・レディ」をご覧ください。

My Fair Lady
マイ・フェア・レディ

作曲フレデリック・ロウ
作詞アラン・ジェイ・ラーナー
脚本アラン・ジェイ・ラーナー
原作ピグマリオン
by ジョージ・バーナード・ショー
上演1956 ブロードウェイ
1957 全米ツアー
1958 ウェスト・エンド
1976 ブロードウェイ
1978 全英ツアー
1979 ウェスト・エンド
1980 全米ツアー
1981 ブロードウェイ
1993 全米ツアー
1993 ブロードウェイ
2001 ウェスト・エンド
2005 全英ツアー
2007 全米ツアー
2018 ブロードウェイ
2019 全米ツアー
2022 ロンドン
受賞1957 トニー賞 ミュージカル作品賞
2002 ローレンス・オリヴィエ賞再演ミュージカル作品賞
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音楽・音声外部リンク
オリジナル・ブロードウェイ・キャスト
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My Fair Lady - Xelon Entertainment提供のYouTubeアートトラック
出演: ジュリー・アンドリュース(イライザ)、レックス・ハリソン(ヒギンズ)、スタンリー・ホロウェイ(アルフレッド)、ロバート・クート(ピッカリング)ほか

『マイ・フェア・レディ』(My Fair Lady) は、1913年のジョージ・バーナード・ショー戯曲ピグマリオン』を原作とした、作詞・脚本アラン・ジェイ・ラーナー、作曲フレデリック・ロウによるミュージカルコックニー訛りの花売り娘イライザ・ドゥーリトル音声学者のヘンリー・ヒギンズ教授から話し方を学び、レディに仕立て上げられる。皮肉屋で女性に無理解でありながら、ヒギンズ教授はイライザと恋に落ちる。

1956年のブロードウェイ公演は批評の上でも観客動員数でも成功し、ミュージカル作品賞を含むトニー賞6部門を受賞した。当時ブロードウェイ・ミュージカルの最長ロングランを記録し、その後のロンドンのウェスト・エンド公演でもヒットした。ブロードウェイ、ウェスト・エンドの双方でレックス・ハリソンジュリー・アンドリュースが主演した。数多く再演され、1964年には、オードリー・ヘプバーン主演で映画化もされ、アカデミー作品賞を受賞した。
ストーリー
第1幕

オペラがはねたばかりのコヴェント・ガーデンオペラハウス前では、イライザ・ドゥーリトルという花売り娘が、売れ残りの花をさばくために駆けずり回っている。その姿を見ながら一心にノートを書きなぐる男、ヘンリー・ヒギンズ教授がいた。一流の音声学者で、下町上がりの成金に上流階級の話し方を教えて生計を立てている。彼が「どんなに下世話な花売り娘でも、自分の手にかかれば半年で舞踏会でも通用するレディに仕立て上げられる」というのを聞き《Why Can't The English? 「なぜイギリス人は英語が話せない?」 》、イライザは猛烈な興味を示す《Wouldn't It Be Loverly?「素敵じゃない?」 》。

翌朝、ヒギンズの家に「下町流」に着飾ったイライザが現れる。「手も顔もちゃんと洗ってきたんだよ」と、自分を一人前のレディに仕立てるよう頼むイライザだが、ヒギンズは最初は袖に振る。しかし、居合わせたヒギンズの友人で言語研究家のピッカリング大佐が、「もし成功したら、イライザの授業費を全額持つ」と言い出したため、ヒギンズは俄然乗り気になり、イライザの教育を引き受けることにする。

数日後、イライザの父アルフレッドが、ヒギンズの家にやってくる《With A Little Bit Of Luck「ほんの少し運が良けりゃ」 》。彼はイライザがヒギンズに囲われたものと思い込み、それをダシに金をせびりにやって来たのだ。一度は追い返そうとしたヒギンズだが、アルフレッドの話を聞くうちに彼の「道徳観」にいたく感じ入り、5ポンドを渡して帰す。そればかりか、アメリカの投資家に彼を「イギリス一の中間階級道徳家」として推薦する手紙までしたためてしまう《I'm An Ordinary Man「僕は普通の男だ」》。

ヒギンズによるイライザの訓練は困難を極めた《Just You Wait「今に見てろ」 》。しかしヒギンズはついに、イライザに上流階級の話し方をマスターさせることに成功した《The Rain In Spain「スペインの雨」》。ヒギンズとイライザ、そしてピッカリングは狂喜乱舞する《I Could Have Danced All Night「踊り明かそう」》。彼らは勢いに乗って、ヒギンズの母親がボックスを持つアスコット競馬場に乗り込む《Ascot Gavotte「アスコット・ガヴォット」》。しかし、イライザの社交界デビューは散々なものになった。彼女は上品な話し方こそ身に着けていたが、中身は下品な花売り娘のままだったからだ。イライザの言動のせいで大恥をかき、おまけに母親にまで「人間でお人形遊びをしている」と罵倒され、ヒギンズは雪辱に燃えて自宅へと戻った。だが、ボックスでイライザと同席した貧乏貴族の令息フレディ・アインスフォード=ヒルは、ヒギンズの家まで彼女を追いかけ、彼女に会えるまで玄関の前で待ち続ける決意を固めたのだった《On the Street Where You Live「君住む街角」》。
第2幕

アスコットでの失敗から6週間後、地獄のような特訓の末、イライザの再デビューの日がやって来た。場所はトランシルヴァニア大使館の舞踏会である。ヒギンズやピッカリングの心配をよそに、イライザはトランシルバニア皇太子からダンスの相手に指名されるという快挙をやってのける。途中ヒギンズの弟子だというハンガリー人・カーパシーにゆすりまがいの詮索を受けるものの、イライザは見事にだまし通した。イライザは花売り娘からレディへと、鮮やかな変身を遂げていたのだった。

こうして、実験は成功に終わり、賭けはヒギンズの勝利となった。舞踏会から帰宅し、ヒギンズとピッカリングは互いの健闘をたたえあう《You Did It「でかしたぞ」》。しかしその2人の横で、イライザは静かに唇を噛み締めていた。彼女はまさに今、自分が単なる実験用のハツカネズミであったことに気づいたのだ。実験を通して、彼女の中には一人の人間としての自我が目覚めていた。しかしヒギンズは、彼女を一人の人間として扱ってはくれなかった。そしておそらくこれからも。

イライザは一人きりになった実験室で泣き崩れる。スリッパを取りにヒギンズが戻ってくる。イライザはヒギンズにスリッパを投げつけ、それをきっかけに大ゲンカが始まるが、ヒギンズには原因がわからない《A Hymn To Him「男の賛歌」》。「この家に自分の居場所はない」。そう感じたイライザは、こっそり家を出て行く。

外に出たイライザは、待ち構えていたフレディと一緒に《Show Me「証拠を見せて」》自分の故郷コヴェント・ガーデンの青物市場に向かう。しかし、昔の花売り仲間たちは、レディとなったイライザに気づくことはなかった。絶望に駆られるイライザの前に現れたのは、ピカピカのモーニングで着飾った父親の姿だった。聞けば、ヒギンズがアメリカの投資家に出した手紙のせいで、彼は投資家の遺産相続人となり、年4,000ポンドの金を受け取ることになってしまったのだ。そのうえ、翌朝には愛人との結婚式まで控えているという。それでも彼は「イライザを引き取ることはできない」と言い張る。そしてイライザに「お前なら一人でもやっていける」と、励ましになっていない励ましの言葉をかけるのだった《Get Me To The Church On Time「時間通りに教会へ」》。

翌朝、イライザがいないことに気づいたヒギンズは大慌てになる。彼女に秘書的な役も負わせていたので、スケジュールが一切わからなくなってしまったのだ。イライザが逃げ込んでいたのは、ヒギンズの母親の家だった。イライザの理解者となってくれる者は、もう彼女しかいなかったのだ。2人が話し込んでいるところに、ついにヒギンズが怒鳴り込んでくる。ヒギンズの母はわざと、息子をイライザと2人きりにした。イライザはヒギンズに「あなたのことは好きだが、人間として扱ってくれない以上、もう一緒にはいられない」と告白する《Without You「あなたなしでも」》。しかしヒギンズは、ますますへそを曲げてイライザを突っぱねる。結局イライザは再びヒギンズの前から姿を消し、ヒギンズは母親の前でイライザを散々馬鹿にしてから家路に着いた。

しかし、ヒギンズはイライザが自分と同等の人間になっていたこと、そして、いつの間にかイライザのことが好きになっていたことに気づいていた。しかし、自分はイライザを拒絶した。なぜなら、彼にとって女は一人前の人間ではなかったからだ。それでもなお、彼女の面影は頭の中から離れない《I've Grown Accustomed To Her Face「忘れられない彼女の顔」》。

帰宅したヒギンズは、録音してあったイライザの声を流しながら研究室の椅子で独り想いにふける。

突然再生が止まり、聞きなれた声がこう言った。「手も顔もちゃんと洗ってきたんだよ」。

ヒギンズは応えた。「私のスリッパはいったい…どこだい?」
登場人物および出演者

1956年3月15日、ブロードウェイ初演オリジナル・キャストを以下に示す[1]

イライザ・ドゥーリトルコックニー訛りの若い花売り娘 ? ジュリー・アンドリュース


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