マインドストーム
[Wikipedia|▼Menu]
RCXを搭載したローバーボットEV3はセンサーが増えて多機能になった

MINDSTORMS(マインドストーム)は、モーターを備えたプログラムが組み込めるブロックや、センサー、レゴブロック、ギア車軸ビームタイヤと言ったレゴ・テクニックの部品の組み合わせで、ロボットや他の機械、または対話システムを組むためのレゴ社の商品セットである。
概要

レゴ マインドストーム(Mindstorms)は、発売当初のRCXと現状のNXTが主で、他にも派生型がある。当初は、「ロボット発明システムRIS」として売られていた。また、元々はMITメディアラボとレゴのパートナーシップを通して教材としても販売され使われていた。このブロックは Logoでプログラムされた。最初のビジュアル式プログラム環境はLEGOsheetsと称され、[1] 1994年にコロラド大学によってAgentSheets(英語版)を基に開発された。

教育用の商品は Lego Mindstorms for Schools と呼ばれており、タフツ大学で開発され ナショナルインスツルメンツ 社のLabVIEWをエンジンとして使っているGUIベースのプログラミングソフトである ⇒ROBOLABが同梱されていた。現状では、教育用NXTはROBOLABまたはNXTソフトウェアのどちらかを選択して、別途購入する方式をとっている。教育用とは別に、同梱されているセンサーやブロックが異なる玩具用NXTがあるが、こちらはNXTソフトウェアが同梱されている。

レゴ マインドストームはコンピュータで操る電子機械部品の組み込みシステムのモデルを構築するために使われるかもしれない。ほとんど全ての実生活の組み込みシステムはエレベーターのコントローラーから産業用ロボットに到るまでマインドストームを用いてモデル化できるだろう。

プロから趣味人、全ての年齢層からなる活発なコミュニティがありデザインやプログラミングの技巧やその他関連するアイディアを共有している。

最初のマインドストーム Robotics Invention System(RIS) は、1998年にリリースされた。DCモーター(※注意 一部ではステッピングモーターやサーボモーターであると勘違いしている場合があるが、これは誤りである。ただし、NXTはサーボモーター)、とタッチセンサーが2つずつと光センサーが1つ入っていた。別売りの追加パーツとして回転センサー、温度センサー、音量センサーがある。2000年前後ではモーターの新型も登場したが、ほとんど旧型と見分けがつかない。変更が見られたところはモーターのトップにはめ込みの跡があること、重量が若干軽くなった点などが挙げられる。2006年、レゴ社はNXTと呼ばれる新しいプログラミングできるブロックを中心とした次世代のマインドストームをリリースし、2009年 NXT 2.0をリリース。ソフトウェアは2010年に2.1にバージョンアップした。2013年9月1日にEV3を発売。

言語知識が無くても多様な機能を持つロボットを自由に作ることができる。高度な機能を比較的手軽に実装できるため、企業研修などでも多用される[2][3]。また、教育版レゴ マインドストームEV3は、レゴ マインドストームシリーズの3代目のロボット作成キット。

Evolution(進化)から名付けられた、教育版レゴ マインドストームEV3には、今までの利便性をそのままにプロセッサの見直し、出力ポートの追加、プログラミング機能などの改善や、新しくUSBポート、マイクロSDカードスロット、Auto-ID機能などが追加され、多岐にわたる進化を遂げている。
RCXMINDSTORMS RCX第1世代の RCX

レゴマインドストームの第一世代は、RCX(Robotic Command eXplorersのアクロニム)という名前のブロックを含むセットである。RCXにはCPUが内蔵されており、ルネサス テクノロジ社の16MHzの8ビットCPUであるH8/300マイクロコントローラが採用されている。32KのRAMにファームウェアと利用者のプログラムを保存する。

外部通信用のIRポートを持ち、Microsoft WindowsMacのパソコンから専用の赤外線インタフェースを通して、内蔵されたRAMに後述の対応言語で書かれたプログラムを5種類までダウンロードし登録できる。プログラムをスタートさせれば、その内容に従い内外の刺激に基づいて接続されたモーター等をコントロールする。これによりRCXを搭載した制作物を単体で自立動作させることができる。

また、複数のRCX同士で互いにIRポートを通して番号付きのメッセージの送受信を行うことができ、これを用いて協調動作や競争をさせる事も可能。

上面には3つのセンサー用入力ポートと3つのモーター用出力ポート(モーター以外に電球を灯したりすることも可能)があり、中央に電池の残量や入力・出力ポートの動作状況、プログラムの動作状況などの情報を表示する液晶ディスプレイを持つ。

一般向けのセットには対応センサーとして接触センサーと光センサーが同梱されている他、製品としては回転センサー、温度センサーも存在する。また出力ポートからはランプなどの電飾部品の制御も可能。

RCXの赤外線インターフェースはスパイボット、スカウト、レゴトレイン、NXT(サードパーティーの赤外線リンクセンサーを使用)とも通信可能だった。RCX 1.0 IR 受信機の搬送波の周波数は38.5 kHzだったが、RCX 2.0 IR では搬送波の周波数は76 kHzだった。両方のバージョンはどちらの周波数でも送信できる。[4] 信号はRCXに内蔵されたタイマーの一つで生成される。RCXはシリアルポートUSB IR タワーを介してコンピュータと通信できる。タワーはWindows 98、MeとXP (32ビット)に対応する。ハイパースレッディング/マルチコアCPUのためのパッチが入手可能である。Windows Vista (32ビット)への公式サポートは無いが機能するという報告はある。USB タワーは64ビットのOSでは使用できないが32ビットのOSは仮想環境上で使用できる。シリアルタワーは通常64ビットのWindows 7でサードパーティー製のUSB-シリアルアダプターを介して使用できる。

全てのバージョンのRCXは固有の番号が印刷されていて技術サポートを受ける時や今では廃止されたマインドストームのウェブサイトでID番号としてアカウントとして必要だった。最初に製造されたRCXは000001でマインドストーム10周年イベントで展示された。[5]

電源は一般的な単三乾電池6本だが、RCXバージョン1.0にはそれ以外にACアダプタ用の電源ジャックが搭載されており、家庭用コンセントからの電源供給も可能でそれにより長時間の使用が可能だった。製品自体にはACアダプタは含まれていないが、電圧さえ合えば他製品のACアダプタを極性や交流・直流に関係なく利用可能であり、ファミコン用の製品などが流用できる。バージョン1.5以降では電源ジャックは取り除かれている。電源ジャックを搭載したRCXは電池使用時と違い持続的な動作を可能にするため、固定ロボットアームのようなロボット工学プロジェクトやレゴモデルトレインへの使用に人気がある。レゴモデルトレインではRCXに電車モデルの動作を自動化するデジタルコマンドコントロール(DCC)ソフトウェアをプログラムする必要がある。

2008年現在では既に生産終了しており、取扱店も在庫のみの状態であり新品の入手は困難である。教育機関向けの正規代理店では一部販売しているようである[要出典]。
プログラム言語
レゴ社製

RCX コード

玩具店で売られる一般向けマインドストームに同梱


ROBOLAB

LabVIEWに基づきタフツ大学で開発された。2011年開発停止。一つの制御をするのに複数のブロックを集める必要があり、ブロックの所在はユーザーが覚えてたどり着くしかないという使い勝手の悪さがあった。


NXTソフトウェア

LabVIEWに基づき、GUIを一新させたもの。非常に小さなプログラムを組む場合に使い勝手が良い。しかしバグが多く、アプリケーションが途中で勝手に隣の制御ブロックとの接続を切り離してしまうので、エラーが頻発する。コピーペーストでブロックを複製したり、ブロックをまとめて移動すると高い確率でバグにはまる。150個程のブロックを並べると、最後が表示出来ない等のバグは、2011年7月時点で未解決のままメーカー保留中である(メーカーにAfrel経由で報告済2010.12)。


サードパーティ製

BrickOS(かつてのLegOS)下の
CC++

leJOSやTIny VM下のJava

NQC(Not Quite C)

pbFORTH(Forthの拡張)

Visual Basic(CDで供給されているCOM+インタフェースを介して)

RobotC(新言語で、NXTと互換がある)

RCX以外のプログラム動作可能な製品
4.5V PC インターフェース

最初のプログラム可能なレゴの製品(1989)である。IBM-PC-互換機のISA インターフェースカードでリボンケーブルと制御パネルで構成された。制御パネルは6個の極性の反転のできない4.5Vの出力ポートと3個の極性を反転可能な4.5V出力ポート(それぞれ2個の反転不可能のポートから電力供給)、2個の4.5V入力ポートと常時出力の4.5V 出力ポートが含まれた。同様に手動式の停止ボタンを特徴とした。本体のコンピュータ上でプログラムを実行して利用者は固定されたプログラム可能なロボットを古い4.5Vのシステムを使用してレゴ インベンションで作る事が出来た。4.5V PCインターフェースは1995年に9V式のDacta Control Labによって置き換えられた。
テクニック コントロールセンター

コントロールセンター(1990)は単独で作動する最初のプログラム可能なレゴの製品で保存可能なシーケンスを基本としたプログラムを実行した。3個の出力ポートと手動制御と手動によるタイミング情報によるシーケンスを備えた。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:60 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef