マイレージ、マイライフ
Up in the Air
監督ジェイソン・ライトマン
脚本ジェイソン・ライトマン
シェルドン・ターナー
原作ウォルター・カーン
『マイレージ、マイライフ』(Up in the Air)は、ジェイソン・ライトマン監督による2009年のコメディドラマ映画である。ウォルター・カーン(英語版)による2001年の同名小説を原作としてライトマンとシェルドン・ターナーが脚本を執筆した。物語はジョージ・クルーニーが演じる企業の「ダウンサイザー」であるライアン・ビンガムと彼の旅に焦点が当てられ、他にヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック、ダニー・マクブライドなどが脇役を務める。撮影は主にミズーリ州セントルイスで行われ、作中の多くの都市の場面で代用として使われた。この他にもデトロイト、オマハ、ラスベガス、マイアミでも撮影が行われた。
ライトマンは2009年9月5日のテルライド映画祭を皮切りに他の様々な映画祭や上映会に出席して宣伝活動を行った。ロサンゼルスプレミアは2009年11月30日にマン・ヴィレッジ・シアターで行われた。パラマウント映画は2009年12月4日に北米での限定公開を開始し、12月23日に拡大公開に踏み切った。
映画はナショナル・ボード・オブ・レビュー賞やワシントンD.C.映画批評家協会賞で作品賞を獲得した。放送映画批評家協会賞では8つの候補を獲得して脚色賞、ゴールデングローブ賞では6つの候補を獲得して脚本賞を受賞した。アカデミー賞では6つの候補を獲得したが無冠に終わった。 ライアン・ビンガムは人事コンサルタント会社で働いており、雇用主に代わってレイオフや解雇を宣告するために米国中の事業所を飛び回っている。また彼は「バックパックの中身は?」という例えを使って自己啓発スピーチも行い、人間関係も荷物の負担も無い人生の美徳を賞賛する。1年の大部分を出張に費やすライアンはほとんど自宅に戻らず、旅を楽しみ、アメリカン航空史上7人目で最年少の1000万マイル達成者となることを目標にしている。ライアンは出張中に同じく年中飛び回っているアレックスとも気軽な関係
あらすじ
ある日、ライアンはネブラスカ州オマハにある自分の会社のオフィスに呼び戻される。野心的な若手社員のナタリー・キーナーはテレビ電話によるレイオフに切り替えてコストを削減するプログラムを推進する。ライアンはこのプログラムが孤立して無感覚であるように見られる可能性があるという懸念を示し、ナタリーは解雇プロセスの実態や怒った人々の扱いについて無知であると主張する。彼は解雇された従業員を演じて彼女の経験不足を証明する。ライアンの上司はナタリーを教育させるために次の彼の出張に同行させる
出張中、ナタリーは人生、特に人間関係や愛についてのライアンの哲学に疑問を呈するが、彼は自分のライフスタイルに満足していると断言する。また出張中にナタリーはボーイフレンドにメールで別れを告げられて落ち込み、ライアンとアレックスに慰められる。ライアンは試しにナタリーに解雇宣告をさせてみるが、1人はカメラを前に泣き出して慰めることができず、また直にあったもう1人は自殺をほのめかした。ナタリーはアレックスとの関係を真剣なものに発展させないライアンに説教し、怒り出す。ナタリーは後に謝罪し、2人は彼女のプログラムを始動させるためにオマハに戻る。
オマハに戻った直後にライアンはアレックスを説得して彼の妹の結婚式に出席させる。ライアンは出張先の様々な場所で妹夫婦が写った看板を写真に撮るように頼まれていたが、これは彼らが新婚旅行をする余裕がなかったからであった。式の直前、新郎が逃げ腰になって部屋にこもるとライアンの姉はスピーチの技術を使って彼を説得するようにライアンに頼む。個人哲学には反するが、ライアンは人生の重要な瞬間はほとんど共有されないと言って彼を説き付け、結婚式は無事に執り行われる。
ライアンは自分の人生と哲学について再考し始める。ラスベガスのコンベンションで「バックパックの中身は?」の公演を開く際にはもうそれを信じていないことに気づき、ステージから降りる。そのままライアンはシカゴにあるアレックスの自宅まで飛ぶ。アレックスがドアを開けるとライアンは彼女が既婚者であり、子供もいることを知り、夫に察せられる前にその場を立ち去る。アレックスは後にライアンに電話をかけ、家族が本物の人生であり、彼はただの逃避であることを伝える。
飛行機でライアンは搭乗員から1000万マイル達成を発表される。操縦席からフィンチ機長がライアンの元へ現れ、彼が最年少達成者であることを告げる。機長からどこに住んでいるのかを尋ねられるとライアンは「ここです」とだけ答える。
ライアンは航空会社に連絡し、妹夫婦が世界一周旅行ができるようにそれぞれ50万マイルを譲る。ライアンの上司は以前に出張中にナタリーが解雇した女性が本当に自殺し、そして彼女がメールで辞職したことを告げる。会社は遠隔解雇プログラムを中断する。
ナタリーは元ボーイフレンドのためにオマハに行く前に働いてたサンフランシスコで再就職の面接を受ける。面接官はライアンからの強い推薦の手紙を受けてナタリーの雇用を決める。ライアンが空港の電光案内板の前に立ち止まって見上げ、荷物入れから手を離したところで映画は終わる。 ※括弧内は日本語吹替
キャスト
ライアン・ビンガム - ジョージ・クルーニー[5][6](小山力也)
アレックス・ゴーラン - ヴェラ・ファーミガ[6](深見梨加)
ナタリー・キーナー - アナ・ケンドリック(嶋村侑)
クレイグ・グレゴリー - ジェイソン・ベイトマン(根本泰彦)
カーラ・ビンガム - エイミー・モートン
ジュリー・ビンガム - メラニー・リンスキー(佐藤あかり)
ジム・ミラー - ダニー・マクブライド(佐藤晴男)
スティーヴ - ザック・ガリフィアナキス
ボブ - J・K・シモンズ(土師孝也)
メイナード・フィンチ - サム・エリオット(佐々木勝彦)