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マイルカ属(真海豚属、Delphinus)はクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科に属する属の一つ。マイルカ属はマイルカ(真海豚、Delphinus delphis)とハセイルカ(Delphinus capensis)の2種で構成される。ネッタイマイルカ(熱帯真海豚、Delphinus tropicalis)を種とする分類もある。詳細は本項の「分類学」を参照。
和名ではマイルカすなわち「真のイルカ」、英名でもCommon Dolphin(普通のイルカ)であるが、多くの人が「イルカ」と聞いた時に初めに思い浮かべるイルカはこのマイルカではなく、ハンドウイルカ(バンドウイルカ)であろう。これはテレビシリーズの『わんぱくフリッパー』(原題 Flipper)で活躍したイルカがハンドウイルカであることや、世界中の水族館で最も多く飼育されているイルカがハンドウイルカであることが主な原因であろう。好奇心旺盛で人懐っこいハンドウイルカに比べて、やや神経質な性格とされ飼育例は少ない。 マイルカ属 Delphinus マイルカ属に属するイルカは、生息域によるサイズ、体型、体色の差異が大きく、過去数十年の間に、20以上もの種が提案されていたが、1990年代半ばまでは、マイルカ属に属するのは通常はマイルカ (Delphinus delphis) のみとされていた。しかし1960年代、カリフォルニア州の生物学者は、マイルカ属に属するのは2種(口吻の短い種と口吻の長い種)であると結論付けた。1990年代になり、遺伝子解析により裏付けられ、現在ではマイルカ(Delphinus delphis、英名 Short-beaked Common Dolphin(口吻の短いマイルカの意))とハセイルカ(Delphinus capensis、英名 Long-beaked Common Dolphin(口吻の長いマイルカの意))との2種に分類されることが多い。 同じく遺伝子解析により、第三の種となる可能性のあるイルカが存在することがわかっている。このイルカはネッタイマイルカ(Delphinus tropicalis、英名 Arabian Common Dolphin(アラビアのマイルカの意))とも呼ばれ、紅海やインド洋に棲息し、特に細長い口吻が特徴である。現時点では独立した種ではなくハセイルカの一亜種であって、一部の地域のみに棲息し固有の特徴を有しているものとされることが多い。 マイルカ属のイルカは、世界中の温帯から熱帯の海域、緯度で表現すると北緯50度から南緯40度の海域に棲息する。離れた生息域間での相互の関りは少ないと考えられている。
分類
マイルカ Short-beaked Common Dolphin(単にCommon Dolphinとも), Delphinus delphis
ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
ハセイルカ Long-beaked Common Dolphin, Delphinus capensis
(ネッタイマイルカ Arabian Common Dolphin, Delphinus tropicalis(ハセイルカの亜種とされることが多い。詳細は本項の「分類学」を参照))
分類学
分布と生息数土佐湾でのウォッチング船団とハセイルカの群れ