マイマイ新子と千年の魔法
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マイマイ新子と千年の魔法
Mai Mai Miracle

監督片渕須直
脚本片渕須直
原作高樹のぶ子マイマイ新子
出演者福田麻由子
水沢奈子
森迫永依
本上まなみ
音楽村井秀清
Minako "mooki" Obata
主題歌コトリンゴ『こどものせかい』
制作会社マッドハウス
配給松竹
公開 2009年11月21日
上映時間93分
製作国 日本
言語日本語
興行収入6400万円[1]
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『マイマイ新子と千年の魔法』(マイマイしんことせんねんのまほう)は、片渕須直監督、マッドハウス制作によるアニメーション映画高樹のぶ子の自伝的小説『マイマイ新子』を原作とする。昭和30年代の山口県防府市を舞台に、お転婆で空想好きな少女の新子と、東京から来た転校生の貴伊子との友情を描く[2]文部科学省特別選定(対象:少年向き)、文部科学省選定(対象:青年向き、成人向き、家庭向き)[2]。興行収入は6400万円を記録している[1]
概要

本作品は、30数館という小規模で公開され宣伝もほとんど行われなかったため、興行的には振るわなかったが、感動した観客からの熱心な活動が行われた。この作品の高い評判が、片渕監督の次回作『この世界の片隅に』につながることになった。(#『マイマイ新子と千年の魔法』から『この世界の片隅に』へも参照)

原作は、著者の少女時代を小説の中で見事に再現したが、アニメ化によって、舞台となった昭和30年の山口県防府の風景が圧倒的に美しい映像で描かれた。

公開当初、本作の観客動員数は低迷し、劇場公開は4週間で終了した。監督の片渕須直がのちに分析したところによれば、大きな問題は2点あったという。ひとつめは、広告宣伝の方向が「親子向け」を指向し、アニメファン向きではなかったこと。そしてふたつめは、一般的な社会人が鑑賞しやすい夕方以降の上映時間を組んだ映画館が少なかったことだった。だが作品の質の高さから熱心なファンを獲得し、上映継続を求めるインターネット署名運動が行われる等の動きを呼んだ。これらの動きに呼応して、いくつかの映画館が上映継続に名乗りを上げ、2年間に及ぶロングランに結びついた。

また、山口県防府市では、まさに映画の舞台となった国衙の中心地で野外上映を行ったり、松崎小学校佐波神社など映画の舞台となった実在の場所を探訪する「マイマイ新子探検隊」が何度にもわたって行われている[3]。地元との良好な関係性についても特筆される[4]

当初、海外でのDVDリリースはされなかったが、海外のファンからのキックスターターでの熱いラブコールに応えて英語版DVDの製作販売が企画されている。(#英語版DVDの経緯も参照)
履歴

2007年11月、フランス・リール市における片渕の回顧展上映で題名未紹介のままメイキング映像が上映[5]

2008年東京国際アニメフェアで制作を公表。

2009年5月21日、舞台となった山口県防府市ワーナー・マイカル・シネマズ防府(現・イオンシネマ防府)で、特別先行試写会が開催された。

8月15日ロカルノ国際映画祭ワールドプレミアを兼ねた公式上映。並行して行われた特集「マンガインパクト」とは別に、最新の映画トレンドを紹介するIci et Ailleurs部門において[6][7]

9月2日、エンディング主題歌の入った完全版が完成。

10月、オタワ国際アニメーションフェスティバルのコンペティションノミネート長編部門に入選[8]

11月21日、国内一般公開。

12月19日、東京杉並のラピュタ阿佐ヶ谷で8日間連続のレイトショー上映が開始。この8日間全てが補助席まで出す満席状況となった上、整理券をもらえず観賞できない観客が連日数十人単位で発生[9]


2010年1月9日より3週間のアンコール上映が行われる。さらにエクストラアンコール上映という形で2月12日まで2週間延長された。


2010年1月30日からは大阪・九条シネ・ヌーヴォでレイトショーが開始。


2010年4月18日 - MAG・ネット第3回にて紹介。

2010年4月23日 - DVD発売が正式に告知される。

2010年7月 -カナダのモントリオールでのファンタジア映画祭でベストアニメ賞(Best Animated Feature Film award)を受賞。

2010年10月23日 - 第23回東京国際映画祭のみなと上映会で上映。

2010年12月8日 -第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞が発表される。

2012年2月 キックスターターで英語版DVD製作資金の資金集めが始まり、30日で1000万円を集める(後述)。

2017年1月 - 「この世界の片隅に」のヒットから再び注目され、8日の新宿ピカデリーを皮切りに全国でリバイバル上映が始まる。デジタルシネマ版も作成され、20日に同劇場で初公開。

2019年7月9日 - 日本テレビの「映画天国」にて地上波初放送(関東ローカル)[10][11]

あらすじ

昭和30年山口県防府市。青木新子は祖父の小太郎から、千年前の都の話を聞かされる。平安の時代、この地は「周防の国」と呼ばれ、国衙遺跡や当時の地名をいまでもとどめている。広がる麦畑の下には千年前の街がある[12]。新子はそこに住む自分と同じ年頃のお姫様・諾子を想像する。物語は新子と諾子の時代を行き来しながら進む。

新子は東京から転校してきた島津貴伊子と仲良くなる。新子と貴伊子はシゲルたちと桑畑の水路をせきとめ、大きなダム池を作って遊ぶがそこへ1匹の金魚があらわれる。新子たちは金魚に「ひづる」と名付けて飼い始める。保健室のひづる先生が結婚すると聞いた新子たちは金魚のひづるに花やビー玉を飾って祝うが、翌日ひづるは死んでいた。新子はひづるを都跡の記念碑の裏に葬り、千年の魔法で帰ってきてくれるよう願う。新子たちは金魚を探すが見つからず、あきらめかけたところをタツヨシに鼓舞される。だがその日の夕方、タツヨシの父親が借金苦で首つり自殺したとの知らせが入る。新子は米をつめた一升瓶を背負って家を出るとタツヨシを誘い、父親を自殺に追い込んだバー・カリフォルニアに仇討ちに行く。だがタツヨシは泣き崩れるバーの女に手が出せず、生前父親と仲良くできなかったことを悔やみ、新子と店を飛び出す。タツヨシと別れた新子は用水路に金魚を見つけ、貴伊子を連れてきて、夜道で金魚を眺める。翌日ひづる先生は退職。冬の終わり、新子の祖父も亡くなる。春、新子一家は父親の勤務先の街に引っ越すことになり、貴伊子たちに見送られて旅立つ。
登場人物
青木新子
声 -
福田麻由子防府市国衙の農村に生まれ育ったお転婆な少女。3年3組。右の額にマイマイ(つむじ)があり前髪が逆立っている。何か心動くときはマイマイがむずむずザワめく[13]


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