この項目では、女神について説明しています。その他の用法については「マイア (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ヘルメースとマイア。オリュムポスにおける神々の会議を描いたアッティカ赤絵式のアンフォラ(一部)。ミュンヘン、州立古代美術博物館
マイア(古代ギリシア語: Μα?α〈ギリシア語ラテン翻字: Maia〉、ラテン語: Maia)は、ギリシア神話またはローマ神話の女神。マイヤとも。ギリシア神話のマイアとローマ神話のマイアは本来無関係だったが、後に混同されるようになった。 巨人アトラースとプレーイオネーの7人の娘たちプレイアデス(昴)の1人[1][2]。彼女たちはアルカディア地方のキュレーネー山で生まれたとされる[1][注釈 1]。 マイアは長女とされ、キュレーネー山の洞窟内で[3]ゼウスの子ヘルメースを生んだ[4][5]。 『ホメーロス風讃歌』によると、マイアはキュレーネー山の洞窟の奥に立派な館を構えて住んでおり、館の3つの部屋にはネクタールとアムブロシアー、黄金や銀、衣服が満ちているとされる[6]。ゼウスは夜闇の中、ヘーラーが深い眠りに落ちているすきにマイアと関係を持った。これによって策略家で、盗みに長け、夜闇をうかがい、戸口を見張るヘルメースが生まれたとしている[注釈 2]。 またカリストーが大熊にされた後、その子アルカスを育てたのは彼女である[8]。他のプレアデス7姉妹と同様、狩人オーリーオーンに追い回されて隠れていた。 ローマ神話には春を司る豊穣の女神マイア (Maia) がおり、マイアの祭日である5月1日は供物が捧げられた。これがメーデーの起源である。 ギリシア神話のマイアとは本来は無関係だが、のちに混同されるようになった。またメルクリウスとも関連付けられるようになり、5月15日のメルクリウスの祭日にも祀られるようになった。 注釈^ キュレーネー山は現在のキリニ山。 脚注^ a b アポロドーロス、3巻10・1。
ギリシア神話
ローマ神話
脚注[脚注の使い方]
^ ゼウスとマイアとの関係がヘルメース神の性格の由来となっている[7]。
^ オウィディウス『祭暦』5巻83行。
^ アポロドーロス、3巻10・2。
^ ヘーシオドス『神統記』938行-939行。
^ オウィディウス『祭暦』5巻85行-88行。
^ 『ホメーロス風讃歌』第4歌「ヘルメース讃歌」229行-252行。
^ 沓掛訳注、p.252。
^ アポロドーロス、3巻8・2。