マアムーン
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

その他の同名の人物については「マアムーン (曖昧さ回避)」をご覧ください。

マアムーン
??? ???? ???????
アッバース朝カリフ
マアムーンの金貨
在位813年 - 833年

出生786年9月14日

死去833年8月9日
タルスス付近
配偶者ウンム・イーサー(ハーディーの娘)
子女ウンム・アル=ファドル(ムハンマドの妻)
家名アッバース家
王朝アッバース朝
父親ハールーン・アッラシード
母親マラーズィル
テンプレートを表示

マアムーン(アラビア語:أبو العباس عبد اﷲ المأمون ابن هارونالرشيد; ラテン転写:Abū al-ʿAbbās ʿAbd Allāh Al-Mā'mūn ibn Hārūn ar-Rashīd、786年9月14日 - 833年8月9日、在位:813年 - 833年)は、アッバース朝第7代カリフ。弟アミーンとの間で内戦を引き起こし、アッバース朝はその全盛期を過ぎることになる。
略歴

マアムーンは第5代カリフ、ハールーン・アッラシードの長子として786年9月14日に生まれた。実名はアブドゥッラー。母はイラン系の女奴隷マラーズィルであるが、マアムーンの誕生後まもなく没したため、ハールーン・アッ=ラシードの正后ズバイダのもとで育てられた。

アブドゥッラーは長子であったが、794年、次男のムハンマド(のちのカリフ・アミーン)が第一後継者に指名された。これはムハンマドがズバイダのなした子であったためである。ズバイダは第2代カリフ・マンスールの孫で、ハールーンのいとこに当たっており、ムハンマドは両親ともアッバース家のもので、その貴種性はまぎれのないものであった。アブドゥッラーが第二位継承者に指名されるのは799年のことである。ハールーン・アッ=ラシードは生存中に、二人の息子に誓書を作らせた。太子ムハンマドには、次代のカリフには兄アブドゥッラーを指名すること、帝国の東半分の統治は兄に一任することを誓わせた。一方、アブドゥッラーには弟のムハンマドがカリフ職を担う際には忠誠を尽くすことを誓わせた。この誓書は『マッカ文書』の中に入っており現存している。

809年、ムハンマドがカリフに即位、アミーンを名乗る。アブドゥッラーは直ちに任地マルウを中心とするホラーサーンヘ引きこもった。しかし、間もなく811年、アミーンは誓書の誓いを破り、兄のアブドゥッラーを差し置き、息子ムーサーを後継者とする意向を示した。アブドゥッラーはこれに対抗してイマームを名乗った。811年3月、まずアミーンが討伐軍を差し向けた。これに対してマアムーンは、イラン系の名将ターヒルを司令官に任命して応戦した。812年3月、アブドゥッラーは公式にカリフ・マアムーンを名乗る。アミーンの方は、母がアラブ人だった事もあり、アラブ人を軍の主力とし、マアムーンはイラン人を軍の主力とした。812年の夏には、ターヒル率いる軍はホラーサーンからの増援も加えてバグダードを包囲した。アミーンもよく防いだが帝国諸地方が次々にマアムーンになびき、813年9月に陥落。アミーンは捕らえられて殺害された。

しかし、マアムーンは以降も慎重を期して、マルウでしばらく事態を静観していた。その後、彼は驚きの行動に出た。反アッバース朝の運動をたびたび起こすアリー家のものを後継者に指名したのである。816年に、ムハンマドの血統でマディーナ(メディナ)に住んでいたムハンマドシーア派十二イマーム派における第9代イマーム)を呼び寄せ、817年には自分の後継者として指名。周囲にも忠誠(バイア)を誓わせ、アッ=リダー(神の嘉せし者)という称号を与えた。そればかりか、アッバース家の色は黒であったが、マアムーンはこれをアリー家の緑色に変えてしまった。この処置は、アッバース家の人々だけでなく、イラクの住民達をも怒らせてしまった。バグダードではマアムーンの叔父の一人がカリフに推されただけでなく、各地で反乱が勃発した。イラク地方で、マアムーンに忠誠を守り続けたのは、バスラ総督のみであり、他の者はことごとく反乱軍に荷担した。マアムーンは、マルウに留まる事ができなくなった。マアムーン一行は、818年の末にアル・リダーを伴い、大挙して西に向かった。しかし、トゥース近郊まで来た時、アリー・アッ=リダーは急死してしまった。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:12 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef