ポール・リード・スミス
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ポール・リード・スミス(Paul Reed Smith、略称:PRS)は、エレクトリックギターエレクトリックベースを製造する、アメリカ合衆国企業及びその創業者である。1985年設立。現在、社名としてはPRS Guitarsという表現を使用している。 テキサス・ギター・フェスティバルにおいて自社のギターを試奏するポール・リード・スミス氏目次

1 創業者ポール・リード・スミス

2 概要

3 特徴

3.1 オプション


4 主なモデル

4.1 ギター

4.1.1 レギュラーモデル

4.1.2 シグネチャー・モデル

4.1.3 廉価モデル


4.2 Private Stock


5 主な使用アーティスト

5.1 アメリカ合衆国

5.2 カナダ

5.3 イギリス

5.4 スウェーデン

5.5 オーストラリア

5.6 日本


6 脚注

7 外部リンク

創業者ポール・リード・スミス

ポール・リード・スミス(Paul Reed Smith、1956年2月18日 - )はアメリカ合衆国メリーランド州出身のルシアーで、自らの名を冠するギターメーカーPRSギター(PRS Guitars, Paul Reed Smith Guitars)の創業者会長である。

メリーランド・セント・メリーズ大学(St. Mary's College of Maryland)在学中にギター製作を開始し中退後も月1本のペースで手作りを継続[1]、将来PRSギターの幹部となるジョン・イングラムと出会う。

1975年にテッド・ニュージェント・バンドの楽屋に潜り込み、ギタリストのデレック・セントホームズ(Derek St. Holmes)にギターを試弾してもらったことから人気が出た。デレックは舞台で使用し、他のミュージシャンにギターを見せたりした。カルロス・サンタナも大変気に入り、シグネチャーモデルを作るなど、PRSだけを自分のギターとした。

エクスプローラーES-335フライングVなどを作った元ギブソン社長のテッド・マッカーティー(Ted McCarty)に連絡し12年に亘り指導を乞う。その結果、ソリッドとホロウ・ボディーの生産を含むPRSギターが生まれる元となった。1985年にPRSギターを創業。テッド・マッカーティーやレオ・フェンダーと違い、スミス自身自らのバンドでギターを弾く。
概要

フェンダーギブソンなどの老舗ギターメーカーと比べると若いメーカーではあるが、組み込み精度や調整、演奏性など、楽器のクオリティは高く評価されており、愛用しているミュージシャンも数多い。エレクトリックギターの二大巨頭といわれるギブソン・レスポールフェンダー・ストラトキャスターのそれぞれの長所を組み合わせた設計を主とし、マホガニーバックにメイプルトップというボディに、トレモロユニットとロッキングチューナーを搭載したCustomシリーズが主力機種である。

デザイン面では、アーチトップボディ及びキルテッドメイプルやフレイムメイプルの木目を生かしたシースルーフィニッシュ、様々な鳥の飛行を象ったポジションマークなどが特徴として挙げられる。

最高級機種では、ギター全体を覆うドラゴンのインレイを持つモデルなども提供しているが、上記のような贅沢な仕様のため、全体的なモデル構成がかなり高額なものとなっていた。そのため、2001年頃[2]より、より安価でコストパフォーマンス比を向上させた韓国生産のSE(Student Editionの略)シリーズが廉価版としての位置づけで加わった。

アメリカでは、ギターやベース以外の製品として、新たにギターアンプとシールドも発売した。
特徴

ピックアップについては、「ソープバー・ピックアップ」やホロウボディに使用されるピエゾピックアップなど一部機種を除いて自社製造のものを使用しており、機種によって違うピックアップが使われている(特にCustomは同じ機種でもフレット数の違う22と24で違うピックアップを使用している)。もともとハムバッキング系の機種が多いため、製造しているのはハムバッキングがほとんどで、HFSとVintage Bass(Custom 24)、Dragon II(Custom 22)、McCarty、Archtop、Santanaなどは単体でも販売している。契約しているアーティストの志向に合わせたアーティストモデルのピックアップも手掛けている。513と305で使用されているシングルコイルもPRS製である。近年、コイルの素材や製造機械などを1950年代と同じあるいはまったく同じ物を使用した「1959/2009」ハムバッカーなど、ヴィンテージ志向の強いピックアップを多く手掛け、また2010年には25th Anniversaryモデルで、シングルコイルサイズのハムバッカーである「NF(Narrow Field)」が登場している。NFにもヴィンテージ志向のモデルが存在する。

ソープバー・ピックアップはセイモア・ダンカンがPRSの製品に合わせ、特別にワインディングした特別仕様のピックアップである。ホロウボディはL.R.Baggs社製のPRS特製ピックアップとなっているが、2010年モデルとして登場したアコースティックギターにオプションとして用意されるピエゾピックアップは、PRSの独自開発の物となっている。過去に存在した「EG」シリーズには、リンディ・フレイリンが製作したオリジナルのシングルコイルピックアップを採用していた。これは、ピックアップカバー内のコイルが低音側と高音側に分けられた、フェンダー・プレシジョンベースのピックアップ構造と似たものとなっており、これによりハムノイズを打ち消す構造となっていたが、EGシリーズの製造終了に伴い、姿を消している。

SEのピックアップは、SE用のHFSなどPRSが開発したものを、韓国のG&B社[3]がOEM契約生産をしている。このG&B社はESPB.C.Richとも契約しており、低価格で高品質な製品を作っている。

その他、パーツも自社製造であり、特にペグとトレモロはPRSが既存のものをもとに、独自で開発したものを使用している。
オプション

バード・インレイ(Bird inlay)
鳥のシルエットを象ったインレイ。PRSの象徴のようなものである。現在のデザインはアウトラインをアバロンなど、その内側にはジェルを埋め込んだものである。初期のデザインはインレイ全体で鳥のシルエットを象ったデザインだったが、2008年の途中で変更され、その後はアウトラインだけにインレイが埋め込まれたものになり、現在に至る。アバロンが埋め込まれている。Customのボルトオンネック版であるCE以外、全てのモデルにオプションとしてつけられる。PRSの廉価版であるSEは以前は例外も含めて一切なかったが、25周年モデルを皮切りにつけられるようになった。Customなどのモデルは、現在、バード・インレイが標準でつけられている。通常のアバロン以外にアーティスト・パッケージの
パウア貝やターコイズなどの種類があり、Private Stockでは金や銀の縁取りを施したものや、エッチングによって細かい模様を掘り込んだ金、銀、さらにオニキスラピスラズリマラカイトなどの貴石珊瑚など、材質だけでも更にたくさんの種類がある。20周年モデルでは鳥の飛行を象った「Birds in Flight」、25周年モデルは鳥に影が入った「Shadow Bird」と限定デザインがある。513と305だけは、他のモデルとは違い、独自のバード・インレイをもつ。

ムーン・インレイ(Moon inlay)
通常のギターにあるようなドット・インレイに見えるが、アバロン貝を組み合わせることによって、ドットの中に月の満ち欠けのデザインが施されている。廉価版も含めて、大体のモデルにつけることが可能で、一部では標準になっている。

10top
北米で採れる膨大なメープル材の中で僅かなフィギアド・メープルという、斑点などがなく木目が美しいものを使用したギターの総称。


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