ポール・リクール
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ポール・リクール
Paul Ricoeur

生誕1913年2月27日
フランスヴァランス (ドローム県)
死没 (2005-05-20) 2005年5月20日(92歳没)
フランスパリ
時代20世紀の哲学
地域西洋哲学
学派大陸哲学
分析哲学
研究分野現象学
フランス反省哲学
解釈学
主な概念"identite narrative"
影響を受けた人物

エトムント・フッサール
カール・ヤスパース
ガブリエル・マルセル
ジュール・ラシュリエ
ジュール・ラニョー
ジャン・ナベール
ジークムント・フロイト
ウィトゲンシュタイン
カール・マルクス
ヘンドリック・ド・マン
マルティン・ハイデガー
ミシェル・ド・セルトー
フリードリヒ・ニーチェ

影響を与えた人物

ジャック・デリダ
ジャン・フランソワ・リオタール
ジュリア・クリステヴァ
クリフォード・ギアーツ
ロジェ・シャルチエ
ジャック・ランシエール
坂部恵
野家啓一
鹿島徹
エマニュエル・マクロン
他多数

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ポール・リクール(Paul Ricoeur、1913年2月27日 - 2005年5月20日)は、20世紀フランスを代表する哲学者の一人。現象学解釈学修辞学、時間論、歴史哲学宗教哲学政治哲学などに業績を持つ。

物語論の代表的論者であり、主著に『時間と物語』がある。いわゆる大陸哲学の哲学者だが、分析哲学も扱った[1]
経歴

1913年、フランス南東部ヴァランス生まれ。幼くして両親を亡くす(父親は第一次大戦で戦死)[2]レンヌで幼少期を過ごし、レンヌ大学を経て、1934?1935年に戦災孤児のための奨学金を得てパリソルボンヌ大学で学ぶ[2]ラシュリエラニョーについての修士論文を提出。しかし、第二次大戦のために出征。ドイツ軍の捕虜となり、ポーランドの捕虜収容所で数年間拘留される。

戦後は、CNRSを経て、ジャン・イポリットの後任としてストラスブール大学助教授。また捕虜時代の仲間であった美学者M.デュフレンヌと共著でヤスパースについての研究書を出版。『意志的なものと非意志的なもの』を主論文、フッサール『イデーン』の仏訳を副論文として、国家博士号を取得。名実ともにフランスにおけるドイツ哲学研究の第一人者になる。1956年、パリ大学の哲学教授。1960年『過ちやすき人間』『悪の象徴系』。この頃、一時期デリダがリクールの助手を務めていた。

1965年『解釈について―フロイト試論』出版、ラカン派との激しい論争が起こる(ラカンはこれを契機にそれまで躊躇っていた『エクリ』(1966年)の公刊に踏み切った)。1968年5月革命の後にはパリ大学ナンテール校学長として同大学学生との折衝役を混乱のなか務めた[3]。1969年、コレージュ・ド・フランスの教授に立候補するも、投票の結果、1970年にフーコーが選出される。

アメリカでも活動し、1973年からシカゴ大学神学部教授を併任。英米の言語哲学(いわゆる分析哲学)との相互影響が顕著になる。またシカゴ大学同僚の宗教学者エリアーデと交友。

1981年から1983年、主著『時間と物語』。「物語的自己同一性」(identite narrative)の概念を提示。「ヘーゲルを断念する」と述べ、相前後して刊行されたリオタール『ポストモダンの条件』と共に、思想界の一時代を画する仕事になった。歴史学のアナール学派第3世代の動向とも連動する。1990年『他者のような自己自身』。マイケル・ウォルツァーハーバーマスサンデルに論及した倫理学の重要著作を著した。

2000年『記憶、歴史、忘却』出版、歴史修正主義を論じ、デリダとの間で「赦し」(pardon)の観念をめぐって議論。ピエール・ノラ『記憶の場』に論及。『時間と物語』での歴史論を、さらに歴史書の著者と読者のあいだの解釈学的循環にまで具体化させた。

『記憶、歴史、忘却』執筆時に秘書(編集助手)を務めていたのは当時大学生のエマニュエル・マクロン(のちフランス大統領)である。
人物

シェーンベルクの音楽やジャクソン・ポロックの抽象絵画を好んだ。

スイユ社刊行の雑誌『Esprit』の編集に特にジャン=マリー・ドムナック編集長時代に中心的に関わった。

2005年に自宅にて老衰のため死去。92歳。
受賞・栄典

1985年:
ヘーゲル賞受賞。

1989年:ヤスパース賞受賞。

1999年:バルザン賞受賞。

2000年:京都賞思想・芸術部門受賞。

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