ポーランドの経済
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ポーランドの経済では、ポーランド国民経済について記述する。
歴史

第二次世界大戦東側諸国となり共産主義化が進められ、工業は国有化された。スターリン主義政策を取り入れ、経済(重工業と農業を主にした)のソビエト型化、企業の国営化、125エーカー(50ヘクタール)超える私有農地は国に収用され、一般市民のソビエト人化が執行された[1]。1949年、ソ連主導による共産主義諸国のコメコンに加盟。1970年代以降、ギエレク政権は西欧諸外国からの借入で経済成長を目指した。1970年代前半には高度成長を実現したが、政権の無計画な経済政策とオイルショックにより成長は減速、主に西欧諸外国などから多額の借入を繰り返し経済は悪化、食料・物資不足を招き、闇市が盛んになり欠乏経済(英語版)を発達させた。この為、労働者の賃上げストライキや急激なインフレにより社会主義経済が限界に達し、東欧に自由化(東欧革命)の波が押し寄せ1989年共産主義の破壊、市場経済化を進めている[1]1996年には経済協力開発機構 (OECD) への加盟を実現した。

2007年、ポーランドは35歳以下の人口が全体の50%を占め、25歳以下は全体の35%を占める、若者の非常に多い国であり、このことが経済に好影響を与えている。また、大学在学率は高い[2]。こういったことにより、政治の混乱がみられた2005年9月から2007年10月にかけても経済のダイナミズムが失われることがなく経済成長を遂げている。

2015年、ポーランド経済は2004年のEUメンバーシップ獲得後、EU内の先進地域と貧しい地域の格差を縮める目的であるEU構造ファンド(英語版)(EU Structural Funds)の融資獲得により経済成長を遂げている。失業率はEU平均を超えながら、経済の豊かさを比較する指標とされる一人当たりの名目GDPは、著しくEU平均以下のままとなっている。[3]
経済発展ソラリス社製「ウルビーノ」モデルPESA社製ED74型特急列車

ポーランドは、EU最大のEUファンド融資資金の恩恵を受けている国である[4]。近年はGDP成長率が高く、2006年は5.8%、2007年は6.6%[5]であった。今後も高成長を維持すると予測されており、国内インフラの整備の急速な進展[6]にあわせて国内経済は本格的な成長軌道にのったものと考えられている。ただし2008年に関しては、2007年のサブプライム・ショックに伴う世界同時株安および世界的な一次産品価格上昇の影響で、2007年に比べ経済成長率はやや低め、インフレ圧力は強めになるのではないか、と予想されていた。しかし2007年から始まった世界金融危機の影響は最小限にとどめ、比較的順調な成長をし、特にヨーロッパが深刻な不況に陥った2009年はヨーロッパで唯一プラスの経済成長率を達成し、以前から行っていたポーランド独特の非常にユニークな経済政策が、世界から注目を浴びるようになった。

2009年、ポーランド政府は大きく被害を受けた国内経済のために、IMFから205億ドルを借り入れた[7]。ポーランド・ウクライナ開催UEFA欧州選手権2012では、関連施設・インフラ建設準備や住宅バブルに向け、西欧や諸外国から大きな投資を受けた、このインフラ投資事業により世界金融危機の大きな被害を免れた[8]。だが世界的な金融危機も反映し、住宅投資バブルは不発となり投資家の予測に反する結果に終わった。

2010年は世界中で行われている景気対策を目的とした大規模な金融緩和の為、ポーランドの第二四半期成長率はプラス3.5%を記録したため、ポーランド政府とポーランド国立銀行は景気の過熱と資産価格上昇の可能性やそれに伴う高いインフレの可能性を懸念し始め、公的部門の財政再建路線の強化、金融引き締め政策、貸出規制の強化、といった対応策を考慮している。2014年、GDP成長は1.3%。



金利と為替相場

急速な経済発展に伴う物価上昇を抑制するためポーランド国立銀行は2007年に5回の政策金利引き上げを行った。2008年もすでに4回の引き上げをしており、2008年6月25日現在の政策金利は6.00%である。このようにポーランド・ズウォティは高金利通貨となっている。ズウォティは2004年3月には1ズウォティは約27円であったが、2008年6月には約50円まで上昇している。これによってポーランド人の購買力は劇的に上昇している。2011年現在、ズウォティは約30円である。



対内投資ポーランドで生産している
Fiat 500

2005年、OECD加盟国中、高い大学在学率を示した[2]。、中東欧地域でも突出して規模の大きい国内市場(ポーランドの人口とGDPは、2004年にEUに新規加盟した10か国の半分以上を占める)と西方の欧州連合域内や東方のロシア勢力圏(CIS諸国)への基点となる地の利を見込んで、世界各国からポーランドへの直接投資も近年非常に盛んになっており、直接投資総額は2006年は1年間で150億ドルを超えた。2006年はルクセンブルクからの投資がもっとも盛んで、ドイツイタリアオランダイギリススペインがそれに続いた[9]


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