この項目では、自動車メーカーについて説明しています。その他の用法については「ポルシェ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ポルシェ
Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG
種類株式会社
市場情報FWB: P911
ポルシェ(Dr.-Ing. h.c. F. Porsche AG[注釈 1] ドイツ語発音: [?p?????] ( 音声ファイル))は、ドイツの高性能スポーツクーペやSUV、スポーツセダンなどを専門とする自動車メーカーである。バーデン=ヴュルテンベルク州シュトゥットガルトに本社を置く。フォルクスワーゲンAGの傘下である。
概要ドイツ・シュトゥットガルトにあるポルシェ本社フラッグシップ・911(992型)ポルシェデザイン創立50周年記念モデル
スポーツドライビングを軸として多彩な形態のモデルを生産している、ドイツの大規模な老舗スポーツカーメーカーである。オーストリア=ハンガリー帝国(現・チェコ)生まれの技術者フェルディナント・ポルシェにより、1931年[1]に自動車設計事務所としてドイツ・シュトゥットガルトに設立され、1948年から自動車の自社生産を開始した。
運動性、耐久性、実用性という自動車としての理想的な性能を追求しており[2]、その中から生まれた自己矛盾のない一貫したデザイン哲学を有している[3]。創業当初からモータースポーツに力を注ぎ、幾多の実績を残しているほか、自動車の枠を超えてさまざまな設計開発事業にも取り組んでいる[4]。2011年のカナダの研究では、過去25年間に生産されたポルシェのうち97.4%がいまだに走行中であることが明らかにされている[5]。
米国・ニューヨークの独立調査機関「ラグジュアリー・インスティテュート(英語版)」が同国や欧州の富裕層[注釈 2]を対象に行った調査によれば、2005年から2009年にかけて、ポルシェは「最も権威のある高級車ブランド」の項目で1位を獲得した[6][7][8][9]。同調査によれば、ポルシェ・ブランドの成功の理由をその「独自性」と「排他性」にあるとし、また「極めて高い品質」「高級感」「エレガントな雰囲気」が評価されたほか、ポルシェの価格性能比と社会的受容性も好意的に受け止められているという[6][9]。加えて同ブランドは「車のわかる人にとっての本当の世界クラスのスポーツカー」と考えられており、「他人から称賛され、尊敬される」人が最も多く運転している車であることが判明した、としている[6][7]。さらに米国・トロイの独立調査機関「J.D.パワー」が同国の新車購入者[注釈 3]を対象に実施した「自動車商品魅力度(顧客満足度)調査」では、2005年以降、2018年[10]を除きポルシェが高級車ブランドカテゴリで1位を独占しているほか[11][12]、英国・ロンドンの独立調査機関「ブランド・ファイナンス(英語版)」が独自の指標[注釈 4]からブランド力を評価した調査において、「最も価値があり勢いのある高級ブランド」として、ルイ・ヴィトン、ロレックス、フェラーリ、リッツ・カールトンなどを抑えて、ポルシェが2018年の調査開始以来1位を保持している(2022年現在)[13][14]。同英国調査機関によれば、ポルシェの信頼と長年の伝統、多様化への取り組み、イノベーション、アフターサービスの組み合わせが、同ブランドを競合他社から際立たせた存在にしている、と評価している[14]。
ドイツの自動車メーカー間においては250 km/hのスピードリミッターが装着されるよう紳士協定が結ばれているが、ポルシェは加盟していない[15]。
創業者一族のポルシェ-ピエヒ家(英語版)が議決権ベースで100%の株式を保有するポルシェ・オートモービル・ホールディング(ポルシェSE)は、ポルシェAGの親会社フォルクスワーゲンAGの筆頭株主である。一族は1972年以降、本田宗一郎の経営方針に影響を受けて直接的な同族経営から退いているものの、株主として未だにポルシェ社に深く関わっており、その総資産は4000億米ドル以上とされる(2007年時点)[16]。
前史創業者のフェルディナント・ポルシェローナーポルシェ1910年、フェルディナント・ポルシェは自ら設計した「アウストロ・ダイムラー・27/80HP」を運転してプリンツ・ハインリヒ・トライアルで優勝した。