ポリマー
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「ポリマー」はこの項目へ転送されています。アニメ作品『破裏拳ポリマー』については「破裏拳ポリマー」をご覧ください。

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重合体(じゅうごうたい)またはポリマー(: polymer)とは、複数のモノマー(単量体)が重合する(結合して鎖状や網状になる)ことによってできた化合物のこと。このため、一般的には高分子有機化合物である。現在では、高分子と同義で用いられることが多くなっている。ポリマー(polymer)の poly- は接頭語で「たくさん」を意味する。

2種類以上の単量体からなる重合体のことを特に共重合体と言う。

身近なものとしては、繊維に用いられるナイロン、ポリ袋のポリエチレンなどの合成樹脂がある。また、生体内のタンパク質は、アミノ酸の重合体である。
高分子でない(分子量の低い)重合体の例

2分子以上が重合したものが重合体と呼ばれる中で重合数の低い順から

1分子: モノマー(単量体)

2分子: ダイマー(2量体)

3分子: トライマー、またはトリマー

4分子: テトラマー

と呼ぶ。また、重合体を構成する分子がすべて同一分子の場合、接頭辞 homo- を付けて、ホモダイマー、ホモテトラマー、などと呼ばれる。反対に、構成分子が異なる場合は、接頭辞 hetero- を付けてヘテロダイマー、ヘテロトライマー、などと呼ばれる。

重合体と言うと重合度の大きな高分子を指すことが多いため、2分子以上で十数分子程度までのものは、それと区別するためにオリゴマー (oligomer)と呼ばれることもある。

重合度の大きな重合体の例は、高分子を参照。
分子間力

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詳細は「分子間力」を参照

ポリマーを構成する高分子鎖の間に働く引力は、ポリマーの性質の大部分を決定づけている。高分子鎖は大変長いので、間に働く力は典型的な分子と比べてはるかに超えて増幅されている。長い分子鎖はほとんど非結晶状態になっている(ランダム配向している)。ポリマーは絡まったスパゲッティーのような有様で、あるスパゲッティーを引っ張ると、他の鎖は一層絡まり具合がひどくなる。この様な強い力は強い張力と高い融点といった一般的性質に現れている。

ポリマーの分子間力はモノマー単位の分極で決定される。アミド結合を持つポリマーは隣接した鎖の間で水素結合を形成する。鎖の N?H 基上の正電荷の水素原子が、他の鎖の C=O 基の酸素原子に強く吸引される。これらの強固な水素結合は、例えばケブラーの高い張力と高融点に現れている。

ポリエステルでは、C=O 基の酸素間や H–C 基の水素間に双極子間結合(英語版)が生じる。双極子結合は水素結合ほどは強くなく、ポリエチレンテレフタラート(PET)の融点と強度はケブラーより低いが、ポリエステルは柔軟性が高い。しかし、PET は永久双極子を持たない。ポリエチレン鎖の間の吸引力はファンデルワールス力に起因する。

分子は周囲に負電荷電子雲をまとっている。2つの鎖が近づくと、それぞれの電子雲は反発する。このことはポリマー鎖の片側の電子密度を低下させる効果があり、そちら側はわずかに正に分極する。この電荷は次のポリマー鎖を実際に引き付けるのに十分である。ファンデルワールス力は非常に弱く、それゆえ、ポリエチレンは低い温度で融解する。
熱力学的特性

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出典検索?: "重合体" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2017年5月)

一般にポリマーにおいて結晶性領域の融点は低分子物質よりも高く、また非結晶性の領域にガラス転移点と呼ばれる擬似相転移温度を示す。特に主鎖に芳香環などが入った分子において、分子間の相互作用が強く融点とガラス転移点が高くなる。

ポリマーは低分子物質と同様に、固体から液体へと相転移する温度、融点を有する。ポリエチレンテレフタレート(PET)の温度を室温から融点まで増加させたとき、熱流束示差走査熱量測定、DSCの測定値)とエンタルピーの測定によりガラス転移と再結晶化を観測することができる。ガラス状態での昇温過程においてエンタルピー増加の勾配はガラス状態での熱容量に比例する。ガラス転移点と呼ばれる温度になると、高分子の分子運動が増加してPETはガラス状態から過冷却液体状態に変化する。この変化をガラス転移という。ガラス転移においてPETは急激に吸熱し、熱流束は極小のピークを示す。過冷却液体状態では熱容量は液体状態でのそれとなる。これに伴い、エンタルピー増加の勾配は大きくなる。更に昇温を続けると、ある温度でポリマーは結晶化する。PETは発熱し、熱流束は極大のピークを示す。結晶化温度ではエンタルピーは急激に減少し、その後の昇温で再び直線的に増加する。エンタルピー増加の勾配は結晶状態でのものとなる。結晶化温度から融点までのエンタルピーの温度依存性関数は、結晶状態のエンタルピーの温度依存性を表す直線上にある。温度が融点に達するとPETは融解する。融点以上の温度でのエンタルピーは結晶状態での増加直線から液体状態での増加直線上へと移動する。融点ではPETは吸熱し、熱流束は極小を示す。
融解

ポリマーにおいて、融解と同時に起こる吸熱反応が生じる温度範囲、DSCにより得られる融点ピークは低分子物質と比べて広い。これは、結晶状態のポリマーは様々な大きさのラメラ構造の集合体であることが原因である。ラメラ構造の融点 Tm はその厚さ l に依存するため、ポリマー中の各ラメラ構造の融点は異なる。このため、ガラス転移点以上でのポリマー結晶はそのラメラ厚分布によって融点が異なる。Tm は次のギブス・トムソン式で表す。 T m ( l ) = T m 0 ( 1 − 2 σ e Δ H f l ) {\displaystyle T_{\mathrm {m} }(l)={T_{\mathrm {m} }}^{0}\left(1-{\frac {2\sigma _{e}}{{\mathit {\Delta }}H_{f}l}}\right)}

ここで、Tm0 は無限大の結晶の融点(平衡融点)、ΔHf は無限大の結晶の融解熱、σe はラメラ結晶の折り畳み面の表面自由エネルギーである。

ラメラ厚は過冷却度(結晶化温度と融点の差)の減少に伴い増大するため、融点直下で結晶化させると、理論上、融点が Tm0 の理想結晶が得られる。しかし、実際は結晶の成長速度も著しく遅くなるため、少なくとも常圧下ではそのような理想結晶は得られない。

ガラス状態からの昇温速度は結晶化温度と、得られる結晶のラメラ厚を変化させる。過冷却液体状態の温度では成長速度の違いはあるが結晶化は起こる。したがって、融点以上の液体状態から、ガラス転移点以上かつ融点以下の温度に急冷し、その温度を維持し続けることにより、結晶化温度に応じたラメラ厚を有するポリマー結晶を得られる。このようなポリマー結晶の融点をラメラ厚の関数として求めると平衡融点を算出することができる。

ポリテトラフルオロエチレンなど、高分子鎖の形態が変化しにくいものの融点は、ポリエチレンなどの屈曲性ポリマーと比較して高い。ナイロンでは水素結合による同一分子鎖内と分子鎖間の架橋が存在するため、高い融点を持つ。
エンタルピー緩和

ガラス転移点未満かつ近傍の温度でポリマーが熱処理されると、ガラス状態での熱量は低下する。この緩和現象は体積の急激な減少(体積緩和)[1][2]、あるいはエンタルピーの急激な減少(エンタルピー緩和、enthalpy relaxation)[3][4]として観察される。


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