ポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxyribonucleotide: PDRN) は、特定の分子量の範囲のデオキシヌクレオチドの重合体、DNAの断片で[1]、ヒトの胎盤やサケ Oncorhynchus keta の精子から抽出できる[2]。韓国やイタリアで組織修復作用から医薬品で、注射やクリームが存在する[1]。化粧品や[3]、サプリメントも販売されている[4]。 PDRNは当初胎盤から抽出された組織修復刺激剤として発見され[2]、ほかにもマス Oncorhynchus mykiss やサケ Oncorhynchus keta の精子から抽出されマスはイタリアの医薬品、サケは韓国の医薬品に使用されているがこの2種の魚は同種であり、産卵のために韓国へと移動している[1]。分子量は、50塩基から2000塩基である[1]。 イタリアでは注射剤の プラセンテックス (Placentex Integro、処方薬)、韓国では注射剤の Rejuvenex(処方薬)と、クリーム(一般医薬品)[2]、また点眼薬(一般医薬品)が存在する[5]。 注射剤は、15日から20日間隔で使用される[2]。 PDRNを用いた化粧品や[3]、サプリメントもある[4][5]。 作用機序は明確ではないが、サイトカインの濃度を低下させることで抗炎症作用を発揮する[2]。外用剤については、ある市販製品では分子量350ダルトンであり[3]、通常500ダルトン以下でないと角質層を通過できないとされる[6]。 イタリアでの192名のランダム化比較試験 (RCT) で、8週間後に糖尿病による足の潰瘍の完全治癒率はPDRNの注射で約37%、偽薬で約19%、治癒完了までPDRNで平均30日、偽薬で49日であった[7]。23名でのRCTで、Placentex Integroを使用し褥瘡に対し偽薬より傷の大きさを減少した[8]。60の眼球で目の傷である角膜の完全な上皮化において、PDRNの方が偽薬よりも早かった[9]。皮膚を欠損させた60匹のマウスでは、サケ由来PDRNの方がマス由来よりも創傷治癒の期間を短縮させた[1]。 色素沈着に使用されているが研究がないので、2016年の6人での初の予備試験では、色素沈着部位へのPlacentexの注射(月1で計3回)で有意に改善した[2]。
原料
医療
一般用途
作用機序
有効性
出典^ a b c d e Lee, Jong Hun; Han, Jin Woo; Byun, Jin Hwan; et al (2018). “Comparison of wound healing effects between Oncorhynchus keta-derived polydeoxyribonucleotide (PDRN) and Oncorhynchus mykiss-derived PDRN”