この項目では、アメリカの漫画・カートゥーンアニメの作品およびキャラクターについて説明しています。マガジンハウスから発行されている雑誌については「POPEYE」を、その他の用法については「ポパイ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ポパイ(Popeye)は、アメリカ合衆国の漫画家エルジー・クリスラー・シーガーによるコミック・ストリップ、カートゥーン作品、及びその代表的な登場キャラクターの1人で、架空の人物である。職業は作品によって水兵であったり船乗りであったりする。漫画を原作として映画、テレビアニメ化などもされている。ポパイのロゴポパイ像 - イリノイ州チェスター ポパイは、1919年から新聞紙ニューヨーク ジャーナルで掲載されていたエルジー・クリスラー・シーガー(Elzie Crisler Segar)の3作品目の漫画『シンブル・シアター(Thimble Theatre
概要
オリーブ達よりも10年遅れて登場したポパイは一度きりの端役のはずであったが、何をやっても死なない不死身な個性から一躍人気キャラクターとなり、ハムの主役の座とその恋人オリーブを瞬く間に奪い去ってしまった。1930年代に入ると、同作の短編アニメ映画がフライシャー・スタジオによって次々と制作されるようになった。今日知られるポパイはこのアニメ版と言ってよい。
物語は、ほうれん草を食べると超人的パワーを出すセーラー服姿の小男ポパイと、その恋人オリーブ、そしてポパイの天敵である大男ブルート(ブルータス)の三人をめぐるコメディである。時々物語の舞台が西部劇や中近東などのシチュエーションになったり、他の物語、映画などのパロディになったりする事もある。その場合にはそれに適した役回りを演じることもある。
ポパイのほうれん草パワーは、ほうれん草等の野菜を食べない子どもに野菜が必要な事を説く際、多くの母親たちが引き合いに出したエピソードでもある。なおこの作品が制作された当時、ほうれん草の缶詰は製造されていなかった。「ヘラクレスとほうれん草(Greek Mirthology)」(1954)では、当初ポパイの先祖はにんにくの匂いを嗅いで力を出していたが、ブルートに除草剤のような液体をかけられ匂いがなくなったにんにくの代わりにほうれん草を食べたところ、にんにくの匂いを嗅いだ時以上の力を発揮し、以後ほうれん草を食べるようになったという説もある。
1960年代には初めてテレビアニメシリーズが制作され、1970年代にも、ハンナ・バーベラ・プロダクションの手によって新作のテレビアニメが制作された。1970年代頃には、ポパイそのものがほうれん草のあだ名にもなった。1980年に監督にロバート・アルトマン、主役のポパイにロビン・ウィリアムズを起用しアメリカで実写映画化。2004年、ポパイ誕生75周年を機にポパイの3DCGアニメがアメリカで放映された。2009年12月8日、エルジー・クリスラー・シーガー生誕115年を記念してGoogleのロゴに登場した(画像)。2018年には、CGでアニメ映画化予定。配給はコロンビア ピクチャーズ。 ハースト・コーポレーションのキング・フィーチャーズ・シンジケート
著作権・商標権
アニメの内、フライシャー・スタジオ(1933?42)、フェイマス・スタジオ(1942?57)製作分は、アソシエイテッド・アーティスツ・プロダクション(Associated Artists Productions(a.a.p))によって買収され、現在、ワーナー・ブラザースから正規版DVDが発売されている。また、一部の作品は倒産と版権不継承によりパブリックドメインとなった作品が多いことから廉価版DVDとして流通している。 日本でも、1959年から1965年までTBS『不二家の時間』(不二家一社提供枠)で放映されたテレビアニメは最高視聴率33.7%を記録した[1]。途中で1962年4月3日から9月30日までNHK総合にて6分の短編アニメ『まんが「鉄腕ポパイ」』というタイトルで毎日17:54 - 18:00に放映し[注釈 1]、1968年にはフジテレビで土曜18時00分 - 18時15分[2] に放送された、後から1980年6月30日から同年8月20日まで東京12チャンネル(現:テレビ東京)で『まんがポパイ』というタイトルで、平日と19:15 - 19:30に放送され[3]、1980年8月25日から1984年7月27日までに再びNHK総合にて70年代のハンナ=バーベラ版を毎日18:25 - 18:40に放映していた[注釈 2]。 1990年代後半[4] にはCS放送のカートゥーン ネットワークで放送[注釈 3]。以来10年近くに渡って時間帯を変えながら放映を続けてきたが、HD放送に伴い終了した。 同じCS放送のキッズステーションではポパイの魔法のランプを放送したことがある[5]。 日本への紹介は早く、戦前の雑誌『新青年』で漫画の翻訳が掲載されている。また戦時中の漫画でもアメリカ海軍に見立てたブルートを日本兵が倒すというものがある。『エノケンの孫悟空』(昭和15年作品)でエノケン扮する孫悟空がポパイのテーマ曲をバックに中村メイコからほうれん草をもらいたちまち元気になるシーンがあったり、笠置シヅ子のヒット曲『買物ブギー』(昭和25年)の歌詞の中に「ポパイのお好きなほうれん草」というフレーズがあったりする。TBS版アニメ放送中は、森田拳次によってコミカライズ版が『少年画報』(少年画報社)に連載、また1960年には小学館の学習雑誌「小学一年生」で、アニメスポンサー・不二家のキャラクター「ポコちゃん」がポパイに扮するコラボ漫画『ぽぱいのぽこちゃん→ポパイのポコちゃん』が連載、ペコちゃんも登場した。『ポパイ』の名は社名や店名などでも数多く採用されており、特に業務用ソースなどを製造・販売しているポパイ食品工業は、ロゴマークにほうれん草を模っていた。 登場人物であるポパイ、オリーブ、ブルート(ブルータス)の名前はそれぞれ、「POPEYE」「Olive」「BRUTUS」としてマガジンハウスから発行された若者向けの代表的な雑誌の名前に採用されている。 1969年には阪急ブレーブスのウインドブレーカーに、勇者の冑を着けたポパイのイラストが登場したが、版権元から「使用許諾を得ていない」とクレームがついたため、たった2日でお蔵入りとなった。1978年、日本のバンド「スピニッヂ・パワー」がテーマ曲をディスコ調にアレンジした『ポパイ・ザ・セーラーマン』を発表、40万枚のヒットとなった。
日本での評価