ポニーテールはふり向かない
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ポニーテールはふり向かない
ジャンル
音楽ドラマ
原作喜多嶋隆『ポニーテールはふり向かない』
角川書店
脚本大原清秀佐伯俊道田渕久美子
監督山口和彦合月勇江崎実生
出演者伊藤かずえ
オープニング小比類巻かほるNever Say Good-Bye
製作
プロデューサー春日千春、荒川洋、野村清
制作大映テレビ
TBS

放送
放送国・地域 日本
放送期間1985年10月12日 - 1986年3月29日
放送時間土曜日21:00 - 21:54
放送枠TBS土曜9時枠の連続ドラマ
放送分54分
回数24
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『ポニーテールはふり向かない』(ポニーテールはふりむかない)は、喜多嶋隆による女性ドラマーを主人公とした小説である。

本作を原作とした大映テレビ制作の連続テレビドラマ作品が1985年10月12日から1986年3月29日まで、TBS系列で毎週土曜日21:00 - 21:54に放送された。

喜多嶋の本作を含めた『ポニーテールに、罪はない』『ポニーテールに、通り雨』は“ポニーテール三部作”と呼ばれる。

以下では連続テレビドラマ版について述べる。
概要

ドラマー一家の父子家庭で育ち、傷害事件を起こして少年院に収監された少女が、ドラマーへの道を志し、ロックバンドを結成するまでの過程を描いたドラマである。音楽を題材にした他のドラマやアニメが「バンドを結成してデビューした後」の過程に重点を置いた作品が多い中で、本作は「バンドを結成してデビューするまで」の過程に重点を置いている。

TBS系土曜21時台の大映ドラマの一つ。大映ドラマの中ではヒロインと対立する女性を演じることが多かった伊藤かずえが、初めて主演した作品である。テレビドラマ化に際してつけられたキャッチコピーは「汗が飛ぶ、血が騒ぐ。涙なんてごめんだね、いま『青春(ハートビート)』」[1]

横須賀を舞台にしており、横須賀のドブ板通り商店街にある「かぼちゃ屋」が撮影場所として使用されている。オープニングの主題歌「Never Say Good-Bye」の前奏でも、横須賀の空撮映像が流れている。ちなみに本作では未成年が飲酒するシーンがあるが、当時のテレビはそこまでコンプライアンスに厳しくなかった。

ちなみに本作が始まった1985年10月は、『乳姉妹』が同月28日まで放送されており、ほぼ同じキャスト、全く同じプロデューサーの作品が同じ月に同じTBSで放送される結果となった。
あらすじ

「この物語は、3歳で母と別れ、18歳で父を失いながら、あらゆる迫害と闘い、振り向くことなくドラマーとしての自己を確立した一少女と、挫折しながらもやがて己の道を開いた若者たちの記録である。」(オープニングナレーション)

麻生未記は、名ジャズドラマーである父・麻生雄次からドラムを教わり、腕を磨いていた。しかし、やがて到来したロックの時代に馴染めず、ドラムを捨てた一家は貧困に追い込まれ、母は家出し、未記は非行に身を堕して女子少年院に収監された。18歳で父が死に、再び不良の世界に舞い戻ったが、亡き父のいた音楽の世界に希望を見い出し、世界一のロックバンドの結成を誓う。
キャスト
ザ・バンデージのメンバー
麻生未記(Drums)
演 -
伊藤かずえジャズドラマー・麻生雄次の娘。愛称「ミッキー」。昭和42年6月4日生まれの18歳。不良4人を骨折させて少年院に収監され、1年の刑期を終えて出所すると横須賀のライブハウス「フロンティア」に引き取られ、亡父と同じドラマーへの道を歩むことを決意する。自らが主宰するバンド「ザ・バンデージ[2]」のリーダー。ポニーテールの髪型がトレードマーク[3]。普段はフロンティアの営業時にウェイトレスをしたり、営業前は新聞配達やヨットのデッキ掃除のバイトなどでお金を稼ぐ。本来は純情な性格で思いやりがあるためよくお節介を焼いているが、喧嘩っ早い性格でもあり周りのいざこざに巻き込まれたり相手の挑発に乗って応戦してしまうことも多い。恋愛をしたことがないため「男と女の関係は好き嫌いだけで片付かない」ということをまだ理解しておらず、徐々に晃と邦男を異性として意識し始める。ドラムスティックで喧嘩するのが特技。また、ドラムがない所でもスティックさえあれば身近な物を叩いて練習ができるため常に携帯している。物語後半で切れたエレキギターの弦で両眼を傷つけ視力を失うも盲目のドラマーとなる。
田丸晃(あきら)(Key)
演 - 松村雄基元芸大の学生。フロンティアで住み込みで様々な仕事をしながら、ライヴ出演者の伴奏者として時々ピアノを弾いている。絵美子と共に札幌出身[4]で若くして母を亡くした後、調律師だった父に育てられたが高校生の頃の火事で父も失った。芸大では、ピアノを専攻し素質を評価されながらも諸事情により中退。9月頃に誕生日を迎える[5]。妹思いな性格で面倒見が良くいつも絵美子の世話を焼いているが、どこか陰りのある人物。一時絵美子を連れて千葉県木更津市で暮らす。当初はシルビアに惹かれていたが、いつしか未記に恋心が芽生え始める。その後大病を患い恐怖心を抱く絵美子のため、必死に嘘をつき通そうとする。
名倉邦男(なくら)(Guitar)
演 - 鶴見辰吾湘南医科大学医学部に通う医大生。富豪の令嬢たちを騙しては金を巻き上げることを繰り返す、ジゴロのような生活をしている。ドラマ初期には紙幣をばら撒いて、女性を誘惑したりチンピラたちを懐柔したりしていた。元は貧しい家育ちでホストクラブで必死に働いて学費を稼いで医大に入学した。人の気持ちを考えない冷酷な性格の野心家で特に裕福な人間を嫌っている。自身と同じく貧しい暮らしをしていた未記に好意を寄せ始め「いつか必ず俺の女にしてみせる」と豪語し、晃をライバル視するようになる。
霧島航(わたる)(Sax)
演 - 国広富之元テナーサックス奏者で、若い頃に“サックスの天才”と呼ばれた。未記より数歳年上の青年。数年前にある事情で音楽業界を干されたことで自暴自棄になり、現在は酒に溺れた生活をしている。時々「フロンティア」に客として訪れて酒を飲みながらかおるの歌などを聴いている。アイドル歌手デビュー前に楽譜が読めなかったかおるに音楽の基礎を教え、何度か彼女のバックバンドを務めたことがある。その後名古屋のキャバレーに向かったかおるについていく。
牧村稔(Bass)
演 - 坂上忍芸術大学を卒業後、ロック歌手になることを夢見ていたが、年上の人妻・矢崎妙子との不倫に溺れ、スターへの夢を捨てた。現在は妙子の夫・矢崎にバレないよう暴力団が経営する横浜のディスコ影武者のベース奏者としてひっそりと暮らしている。偶然ディスコに踊りに来た未記が、自身のベースの音に魅力を感じて知り合う。ロックとの出会いは学生時代に登校拒否をした後、音楽にのめり込んだのがきっかけ[6]。普段は冷静で控えめな性格だが、妙子やその夫・矢崎絡みの話になると興奮しやすく突発的な言動を取ることがある。隠れて大麻を使用している。
狩野弘(Guitar)
演 - 宮田州新聞販売店で働いており、未記とは仕事仲間でもある。子供の頃から落ちこぼれ第13話。ギターの練習本を見ながら独学で一応弾けるようになったが、まだ上手いとは言えない状態。バンドメンバー募集の張り紙を見てフロンティアに訪れて未記と知り合い、とりあえず仮採用となる。プロ野球チームの巨人ファン[6]。練習を積んで未記のバンドの正式メンバーとなるが、その後音楽に精通した人から自身のギターに技術面で不安要素があることを指摘され、邦男にリードギターとしてバンド加入してもらうべきか未記たちを悩ませることとなる。
脇田克己(Vocal)
演 - 野々村誠ガソリンスタンドの店員。ヤクザ組織の娘・みちこと恋に落ち、雲隠れするような日々を送る青年。ある日出会った未記が、克己の歌声を気に入り親しくなる。サバサバとした性格だがキザな所があり、「ハチミツのような甘いマスクと声」を自称している。ガソリンスタンドで働く前は、東京でソロ歌手としてライブ活動を行い若い女性ファンたちにそこそこ人気があった。時々みちこと会っているが、彼女の父の組の構成員たちから追われており出会うたびに暴力を受ける。
羽川令子(Vocal)
演 - かとうゆかり佐田がフロンティアのライヴに出演してもらうために連れてきた歌手。妊娠約4ヶ月だが交際相手だったチャーリーというネイビー(アメリカ海軍)の男に妊娠を告げた直後に捨てられたため、他のネイビーのことも嫌っている。未記からバンド加入の勧誘を受け、数日後に仲間になる。本人によると「喉に良い」とのことでいつでも飲めるように生卵を持っている[7]
フロンティアの関係者
小野拓也
演 -
下川辰平フロンティアのマスター。未記の父・麻生雄次とは旧知の仲間で、出所後の未記の父親代わりとなる。店では料理や酒の提供を担当し、一般客以外に横須賀基地で働くネイビーたちも客として訪れる。普段は気のいい性格だが、未記やその仲間たちが良くない言動を取った時に強く叱ることもある。ギターをいくらか弾けるため[8]、技術面でまだ未熟な弘にアドバイスすることもある。麻生家を出る前の明子とも親しくしていたため、未記との親子の絆が戻るよう気にかけ始める。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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