ポツダム市電
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ポツダム市電
ポツダム市電の超低床電車・バリオバーン(ドイツ語版)(2015年撮影)
基本情報
ドイツ
ブランデンブルク州
所在地ポツダム
種類路面電車
路線網7系統(2020年現在)[1][2]
開業1880年馬車鉄道
1907年路面電車[3][4]
運営者ポツダム交通会社(ドイツ語版)[5][4][2]
使用車両タトラKT4D
コンビーノ(ドイツ語版)
バリオバーン(ドイツ語版)[4]
路線諸元
路線距離29 km[4][2]
軌間1,435 mm[4][6]
電化方式直流750 V
架空電車線方式[6]

路線図


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ポツダム市電(ドイツ語: Strasenbahn Potsdam)は、ドイツの都市・ポツダム市内に路線網を有する路面電車。19世紀末に開通した馬車鉄道をルーツに持つ長い歴史を持つ路線で、2021年現在はポツダム市内で公共交通機関を運営するポツダム交通会社(ドイツ語版)(Verkehrsbetrieb in Potsdam、ViP)によって運営されている[3][5][7][4]
歴史

ポツダム市内における最初の軌道交通は1880年5月に開通した、ベルリンに本社を置く企業によって建設・運営が実施された馬車鉄道だった。同年には他の企業が敷設した馬車鉄道の路線も開通し、以降はポツダム駅へ接続する路線を含め積極的な路線の延伸が行われた。その一方、1890年代以降、ポツダム市ではこれらの路線を電化し路面電車路線とする計画が進み、1904年に私鉄路線の公営化(ポツダム市による運営)が行われた後、1907年以降馬車鉄道は順次路面電車へと置き換えられていった[3][8]

その後もポツダム市電の路線網は拡大を続け、1930年代には5つの系統を有する規模となったが、第二次世界大戦の勃発による人員不足に加え、電力不足も重なり、大戦末期には路面電車の運営自体が全面的に停止する事態に陥った。そして1945年4月14日の空襲により、路面電車を含むポツダム市の交通施設の90 %が破壊される甚大な被害を受け、終戦直後はこれらの復旧に労力が費やされた。1946年までに復旧は完了したものの、1930年に開通した5号線のみ運行を再開することなく廃止されている[3][9]

戦前のポツダム市電(1929年撮影)

終戦直後のポツダム市電(1945年撮影)

戦後、東ドイツの路面電車となったポツダム市電では、1950年代に一部路線の廃止があったものの、以降は中心部の都市計画や郊外の住宅地の開発に伴い、路線の拡大が再度続いた。特に1980年代は1982年1985年と2度にわたって延伸が行われ、総延長は30 %増加した。車両についても、1950年代以降東ドイツ国産の車両(LOWA形ゴータカー)の導入が行われた一方、1974年にはチェコスロバキア(現:チェコ)の?KDタトラが開発した小型連接車KT4Dの試作車が導入され、その成果を基に1977年から営業運転を開始した量産車によって、東ドイツ製の電車は置き換えられていった[3][9][5][7]

東ドイツ製のLOWA形(1961年撮影)

東ドイツ製のゴータカー(連接車1965年撮影)

東ドイツ末期のポツダム市電(1990年撮影)

その後、ベルリンの壁崩壊による混乱の中で、ポツダム市電でも多数の労働者が西ドイツへ流出する事態となり、多くの系統が廃止、もしくは区間短縮に追い込まれた。また経済体制も大きく変化する中で、東ドイツ時代に路面電車の運営を行っていたポツダム市が運営するポツダム交通企業(Potsdamer Verkehrsbetrieb、PVB)は1990年に「ポツダム交通会社(Verkehrsbetrieb in Potsdam)」、通称「ViP」と言うブランド名を決定した後、翌1991年4月1日に同名の企業として再編され、1994年以降はポツダム市が出資する有限会社(GmbH)へ移行している。また、2000年以降は電力、水、ごみ処理などのインフラを担うポツダム市企業局(Stadtwerke Potsdom)の傘下企業となっている[3][7][4]

東西ドイツの再統一後、ポツダムでもモータリーゼーションの進展を始めとした要因により一時的に利用客の大幅な減少が見られたものの、ポツダム市では路面電車を市内の交通機関の中核と見なしており、市内の再開発に応じた改良工事や近代化工事が積極的に実施されている。延伸も積極的に行われており、最新の延伸区間は2017年12月に開通した北部のユングフェルンゼー大学(Campus Jungfernsee)方面の路線である。一方で車両については1990年代以降超低床電車の導入による東ドイツ時代の車両の置き換えやバリアフリーの向上が継続して行われており、1990年代から2000年代初頭にかけてはシーメンス製のコンビーノ、2010年代以降はシュタッドラー・レール製のバリオバーンが営業運転に投入されている。また、2015年には電気抵抗の減少によるエネルギー効率の向上を目的に、昇圧(600 V→750 V)が行われている[3][5][7][4][10][11][12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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