ポケモンスタジアム
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ポケモンスタジアムシリーズは、NINTENDO64用のゲームソフトのシリーズ。全3作が任天堂から発売された。64GBパックを用いて、ゲームボーイ版の『ポケットモンスター』シリーズと連動したプレイを楽しむことができる。

本項目では、一作目の『ポケモンスタジアム』および、続編(拡張版、完全版という言葉の方がより的確)の『ポケモンスタジアム2』『ポケモンスタジアム金銀』を取り扱う。後継作品といえる『ポケモンコロシアム』『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』『ポケモンバトルレボリューション』は別項目を参照。
シリーズ概要と共通システム

ポケットモンスターのシステムのひとつである「通信対戦」をクローズアップした作品。1998年に開催された2回目のポケモンリーグ(ポケモンの公式大会。通信対戦による全国大会)に先駆ける形で1作目が発売され、後のシリーズも公式大会の前に発売された。前年のおよび当年の対戦ルールに則った対戦方式が必ず存在している。これら公式大会や『64マリオスタジアム』で行われていたポケモンの大会は、ポケモンスタジアムシリーズを用いて行われていた(本シリーズ発売以前はモニターとスーパーファミコンスーパーゲームボーイを2台ずつ用意して対戦していた)。

本シリーズはホワイトシティという町を舞台にしている。これは本編のゲームやアニメ版などには登場しない町であり、シリーズ独自の設定と言える。
対戦モード

GB版で育てたポケモンのデータを使って、ノンプレイヤーキャラクターあるいは他のプレイヤーと対戦することができる。全ポケモンは3Dで描画され、鳴き声もGB版の電子音からより生物風にアレンジされている。

64GBパックを接続して自分のポケモンを使う他に、あらかじめ自分のポケモンを「登録」しておいたり、ソフト側で用意された「レンタルポケモン」を使用することが可能である。対戦ルールは基本的に通信対戦に準じており、戦闘中にアイテムを使うことはできず、戦闘前と戦闘終了後に全ポケモンが完全回復する。また、ほぼ全てのルールにおいて「お互いに6体のポケモンを見せ合いながら、実際に対戦させる3体を選ぶ」という形式が採られる。これは『64マリオスタジアム』で採用されたルールを引き継いでいる。

その他、共通した設定として「引き分け」が起こらないようになっている。「すてみタックル」などの反動ダメージは最後の相手のポケモンを倒したときには発生せず、「じばく」「だいばくはつ」で最後のポケモン同士が相打ちになればそれを使った方が負けになる。最後のポケモンが使う「みちづれ」「ほろびのうた」は、効果が発揮されることは即ち使用したポケモンが倒れてしまうことを意味するので、そのような状況では無効となる。ちなみに、使った後に反動で次のターンに行動できなくなる「はかいこうせん」は、相手のポケモンを倒せば相手のポケモンチェンジで1ターン消費したとみなされており、これは『1』でもGBと同じように相手ポケモンを倒せば相手のチェンジ後のターンも普通に技やポケモンチェンジが可能だった。しかし、『2』では使用すると相手に命中しなかったりゴーストタイプのポケモンで無効化された場合でも1ターン動けなくなった。GB版でも『スタジアム』でも金銀以降は相手に命中すれば、相手のポケモンを倒した倒せなかったに係わらず反動で行動が取れなくなった。命中しなかった場合やゴーストタイプで無効化された場合は、次のターンも行動できる。また技の一つであるわるあがきは自身のポケモンの技の残機が全て無くなると、勝手に敵のポケモンに攻撃をする。しかし発生率はかなり低いため、発生させるためには、自身のポケモンの攻撃を敵のポケモンに全て回避させ、残機を全てなくすようにしなければならない。

なお、『スタジアム』発売以前に行われていた『64マリオスタジアム』のポケモン対戦において「だいばくはつ」による引き分けが発生した際、解説を務めていたトランセル種市は自爆技は残りポケモンがいる状態で使うべきで、これを使って引き分けになるのは作戦負けという旨の発言を行っており、それを受けた設定とも考えられる。
スタジアム
公式大会の雰囲気を再現したモード。一定のルールのもとに、8人を相手に勝ち抜かなくてはならない(設定上は256人参加のトーナメントであり、公式大会の地区予選と同じである)。『2』以降コンティニューが可能となった。手持ちポケモンを「ひんし」にせずに勝利した場合、そのトーナメントにおけるコンティニュー回数が増える。ルールによっては4段階の難易度設定がなされている場合があり、本編におけるモンスターボールの系統名称を拝借して「モンスターボールカップ」「スーパーボールカップ」「ハイパーボールカップ」「マスターボールカップ」という名が付けられている。初期状態ではモンスターボールカップしか選択できず、クリアすることで1段階上のカップに挑戦できるようになる。
ジムリーダーのしろ
『2』より追加。ゲームに登場するジムリーダーとその門下生相手に戦う。最大で4人にさえ勝ち抜けば先に進め、一度でも勝ち抜けば次回からは負けてもそこからスタートできる。対戦相手のレベルもこちらのレベルに合わせられる(ただし最低50)ので、レベルが決まっているスタジアムよりも気軽に挑戦できるモードと言える。ただし、コンティニューは不可能。一度しろを全てクリアしたらいいが、しかし裏モードにすると、ジムリーダーははじめからとなる。表と裏モードでトレーナーの所持しているポケモンは一部異なる。
フリーバトル
プレイヤー同士またはプレイヤーとコンピュータで自由に対戦をする。使用ポケモンやルールは自由に設定可能。
とにかくバトル
『2』より追加。ゲーム起動後にすぐに選択できる。あらかじめ用意されたパーティを用いてプレイヤー同士またはプレイヤーとコンピュータで対戦する。システムを体験するために用意されたモードであり、勝敗によって何かが変化することは無い。
ポケモンと技の選択

GB版では通信中でも各プレイヤーが本体を持っているので、プレイヤーごとに画面が存在していたが、本シリーズでは1つのテレビ画面を全プレイヤーで共有する。そのため、コマンド入力時に自分の「手の内」を隠すために独特な手法が採られている。

コマンド入力時には画面を見て技やポケモンを選択するのではなく、技やポケモンごとに割り振られたボタンを押すことで選択・決定する。あらかじめ、どのボタンが何に対応するのかを暗記あるいはメモしておけば、ゲームボーイ版と同様の対戦が楽しめる。

暗記やメモをしなくとも、選択中は対応しているボタンを随時確認できる。コンピュータ相手ならば手の内が見えてしまっても問題は無い。対人戦でも敢えて手の内を見せることで、相手に心理的プレッシャーを与える戦術が考えられる。
ごほうび

対戦モードにおいて特定の条件を満たすと、特別なわざや道具を持ったポケモンが手に入る。3作それぞれで貰えるものは異なる。
データの管理

GB版のポケモンやアイテムを、本シリーズのロムカセット内に転送して保存することができる。さらに、すべての(あるいは選択した範囲の)ポケモンのデータを表計算ソフトのように表示する「いちらん」も可能であり、ステータスごとに各種条件でソートしたり、特定の条件のポケモンのみを抜き出すこともできる。この画面上でポケモンに直接アイテムを使って能力を強化したり進化させたり[注 1]することも可能。この機能は一部『ポケモンボックス ルビー&サファイア』に引き継がれている。

なお、これらの機能はGBで予めポケモンセンターでセーブをしていないと使用できない[注 2]。また、金銀クリスタルにおいて、他のプレイヤーが手に入れたポケモン(IDナンバーが主人公と異なるポケモン)は、一定種類以上のポケモンを図鑑に登録していないと移動することができない。
ゲームボーイ版のプレイ

接続しているGB版のポケモンを、テレビ画面でプレイすることができる。モード選択時にロムカセットのデータを吸い出すので若干時間がかかる。画面はスーパーゲームボーイ使用時と同じものだが、配色などを変更することはできない。通信ケーブルを接続できないので当然通信も行えない。

ある条件を満たせば、2倍速でGBのポケモンをプレイできる「ドードーGB」や、4倍速(『金・銀・クリスタル』は3倍速)でプレイできる「ドードリオGB」でプレイできる機能が追加される。ただし、『スタジアム金銀』でGB版『金・銀・クリスタル』をプレイするためには、「裏」モードで「表」と同じ条件をクリアしなければならない。ちなみに、この『金・銀・クリスタル』をプレイする場合、SGBではなくGBCモード(GBCの起動デモがある)となるのだが、SGBで起動させた場合のピクチャーフレームも表示される。

『赤・緑・青・ピカチュウ』はいずれのスタジアムシリーズでもプレイ可能(『ピカチュウ』は『1』の後に発売されたが可能)。『金・銀・クリスタル』は『ポケモンスタジアム金銀』でしかプレイできない。
ミニゲーム

対戦モードなどとは独立したゲームとして、最大4人のプレイヤーが参加可能なパーティゲームが『2』以降に収録されている。初心者でもすぐ理解できるシンプルなルールと、ポケモンの個性を生かしたゲームデザインが特徴である。
ポケモンスタジアム

ポケモンスタジアムジャンル対戦&図鑑
対応機種NINTENDO64
開発元任天堂
発売元任天堂
プロデューサー宮本茂
三木研次
石原恒和
岩田聡
ディレクター清水隆雄
プログラマー西田泰也
音楽永田権太
峰岸透
疋野光啓
人数1人、2人(対戦)
メディアロムカセット
発売日1998年8月1日
売上本数約137万本
その他64GBパック同梱・対応
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『ポケモンスタジアム』は、1998年8月1日に日本国内で発売されたNINTENDO64用ゲームソフト。売上本数は約137万本。
概要

シリーズの1作目。『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』版に対応(本作発売当時ピカチュウ版は未発売だが対応)。ポケモンシリーズ初のNINTENDO64ソフトである。ポケモンの3Dグラフィックや、ゲームボーイソフトとの画期的な連動などが話題を呼び、販促キャンペーンも大規模に行われた。加えてカメラワークやモーションの多彩さ、アレンジされた鳴き声など映像・音声に特化していたが以下の問題点がある。

当時151種類いたポケモン中、40種類(大会で使用されたもの)しか対戦モードに出場させられない。

対戦モードが2つしか無い。対戦の他にデータ整理とゲームボーイ版のプレイしか出来ない。

データ整理ではポケモンを120体しか保存できない。これはゲームボーイ版と比べて半分である。

手持ちポケモンしか参戦・登録させられなかったので、毎回手持ちを整理する必要があり不便。

ゲームの性質上、運(ポケモンのタイプなど)の要素が強いにもかかわらず、コンティニューなどが存在しない8連戦8連勝を強いられる。

これらの問題点は次回作以降で改善された。また、日本国外では日本における『2』が1作目として発売され、本作は発売されなかった。

また、公式大会の攻略ビデオも発売されていた。ナレーションは子安武人関智一鈴木勝美が担当。

実況は長谷部浩一が担当。
出場可能なポケモン

スピアーオニドリルピカチュウニドクインニドキングダグトリオオコリザルウインディフーディンカイリキーゴローニャレアコイルパルシェンゲンガーイワークスリーパーマルマインナッシーラッキーガルーラスターミーストライクルージュラカイロスケンタロスギャラドスラプラスメタモンシャワーズサンダースブースタープテラカビゴン、※フシギバナ、※リザードン、※カメックス、※フリーザー、※サンダー、※ファイヤー、※カイリュー※はレベル30トーナメントに登場させることができない(レベル30以下が存在しない)。
対戦ルール
レベル1から30のトーナメント
本作発売前後に開催された
1998年の公式大会のルールに基づく。後の「ニンテンドウカップ98」。レベル30以下で、本作で対戦可能なポケモンのうち33種類(レベル30以下が存在しないものは除く)が参加可能。難易度別に4つのランクがある。全体的な難易度はレベル50と比較して低めであるが、次作以降と比べると難易度は高い。
レベル50から55のトーナメント
1997年の公式大会のルールに基づく。後の「ニンテンドウカップ97」。レベル50?55(対戦に出す3体のレベルの合計は155まで)で、本作で対戦可能なポケモン40種類全てが参加可能。実際の大会出場者達が似顔絵入りの実名で登場し、使用ポケモンのデータも実際の大会に出たときと同じものが使用されている。ランク別は無く、いきなり彼らを相手にすることになるので難易度は高め。
独自のシステム
なみのりピカチュウ
いずれかのトーナメント(レベル30では最高難度の「マスターボールカップ」)において、レンタルや登録を使わずにピカチュウを手持ちに入れた状態で勝ち進み、最終戦でピカチュウをエントリーさせて勝利すれば、そのピカチュウに通常では覚えられない「なみのり」を教えてもらえる。次回作以降では、特別な技を覚えたポケモンを直接もらえることはあったが、自分のポケモンに特別な技を教えてもらえるのは本作のみである。
ポケモンスタジアム2

ポケモンスタジアム2
Pokemon Stadiumジャンル対戦&図鑑
対応機種NINTENDO64
開発元任天堂
発売元任天堂
プロデューサー三木研次
石原恒和
岩田聡
宮本茂
ディレクター清水隆雄
プログラマー西田泰也
音楽若井淑
永田権太
峰岸透
美術菱田達也
人数1人から4人(対戦など)
メディアロムカセット
発売日 1999年4月30日
売上本数 71万本
546万本[1]
その他64GBパック対応
テンプレートを表示

『ポケモンスタジアム2』は1999年4月30日に日本国内で発売されたNINTENDO64用ゲームソフト。国内売上本数は約71万本。
概要(2)

シリーズの2作目、というよりもむしろ前作の完全版であり、ようやく今作時点でのポケモン151種全種出場可能となった。前作同様『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』版に対応。当初は64DDの追加ディスクという形での販売を予定していた。前作プレイヤーの主な不満点を全て解消した上に多数の新機能を搭載している。対戦時の技の効果なども微妙に調整され、『ポケットモンスター 金・銀』に引き継がれた部分もある。

前作では、初心者を突き放した、いわゆる「バトルだけに専念したい」という人だけが楽しめるようなバランス調整だったが、本作では、ミニゲームコーナーや対戦する相手もはじめは弱くなっていたりと初心者にも非常に易しくなっている。一方、全てをクリアすると、上級者のための「裏」モードが出現し、歯ごたえのある対戦も楽しめる。本作の発売時点で既に『赤・緑』の発売から3年以上が経過していたので、練りに練られたゲームバランスを堪能できる。


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