ポケットコンピュータ
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この記事は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方
出典検索?: "ポケットコンピュータ" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2020年1月)
SHARP PC-E200

ポケットコンピュータ(ポケコン)は、1980年代に広く使われた、ポケットにおさまる外形寸法の、携帯用小型コンピュータである。同程度の大きさでより利便性が高く汎用的に使えるタブレットスマートフォンが広く普及したことによって、2015年に全ての製品の生産が終了した。
概要

その名の通りポケットに納まる程度のサイズのコンピュータであり、1行ないしは数行程度表示可能な液晶ディスプレイと小型のキーボードを備え、BASICなどの高級言語でユーザがプログラムを作成・実行することができるものである。

当時の技術水準で小型軽量化したため表示能力も限られ記憶容量も小さかったが、電池で長時間の稼働が可能で、なによりポケットに入れて持ち運べる(ジャケットの内ポケットに差し込んで気軽に持ち歩ける)という優れた特徴があった。そのため、学術界や産業界では、突発的に専門的な計算が必要になった際、その場で簡単なプログラムを作成して、電卓では難しい多数回のステップを要する計算を行わせる程度の用途で実用された。但し、趣味の世界では、厳しい制約があるポケコンでも、ゲームなどで技巧を凝らしたソフトウェアが開発されるようになった。

もともとは製品カテゴリ的には関数電卓の延長上にはあったが、高機能化が一部の機種シリーズで次第に行われ、2009年に発売されポケットコンピュータとして最後の製品となったPC-G850VSでは、BASIC,C言語CASLZ80アセンブラPICアセンブラを搭載するまでに至った[注 1]

1980年代が最盛期であるが、1990年代や2000年代(200X年)でも使われていた。
歴史SHARP PC-1210 世界最初のポケットコンピュータ。この段階では液晶ディスプレイは1行表示。画面にはWikipediaのURLが表示されている

日本ではシャープ1980年に発売、これをカシオが追い上げる形で続き、他にも数社が参入して多くの製品が販売された(ポケットコンピュータの製品一覧が参照可)。

1980年代前半時点で、コンピュータとしての処理能力は当時の据置型パーソナルコンピュータ(当時はたいていはマイクロコンピュータ(マイコン)と呼ばれていた。)に比べると貧弱であったが、当時コンピュータは非常に高価で、コンピュータに関心を持つもののまだ本格的なPCを買えない層が「ポケットマネーで買えるコンピュータ」として歓迎し、簡単なゲームソフトも作ることができたので趣味の分野でも盛んに利用され、また「高性能プログラム電卓」として使えたので工事現場での構造計算から学術研究フィールドワークにおける計算にも使われ、様々な分野で活用された。

1980年代後半に低価格のMSXが広まりデスクトップパソコンの低価格帯のものが増えてからは、ポケットコンピュータのほうは可搬性という最大の特長を保持したまま機能のほうを強化し、差別化が図られていった。

最盛期であった1980年代には、他にもラップトップパソコンハンドヘルドコンピュータと呼ばれるような可搬型コンピュータが存在したが、これらがまだ高価で用途が産業用・業務用機に限られ小さな市場を奪い合っていたのに対し、ポケコンのほうは安価で扱い易いなど様々な理由により、産業商業教育趣味といった広い用途で使われ、ユーザ層は企業だけでなく学校や個人にまで広がっていた。

ポケットコンピュータに関する情報も、『I/O』『PiO』(工学社)や『マイコンBASICマガジン』(電波新聞社)などのパソコン雑誌に投稿プログラムが多数掲載され、専門誌『ポケコンジャーナル』(工学社)も刊行されていた。『ポケコンマシン語入門』(工学社)ではシャープのPC-12シリーズでマシン語プログラムを組む際に使える多数の内部ルーチンや、液晶画面を直接制御する方法などが解説されていた。
終焉

2000年代以降はノートパソコンが普及し、2010年代にはさらにスマートフォンタブレットが急速に普及し、それらのポータブルな環境でプログラミングを行ったりプログラムを走らせることができるようになったため、ポケットコンピュータの需要が急激に消滅し、2015年に全ての製品の製造が終了することになった。ラップトップコンピュータやハンドヘルドコンピュータが提供していた機能は、高性化し汎用性が高くなり軽量化が進んでいったノートパソコンへと収斂して行き、可搬性という特長に関しても2010年代に安価になったスマートフォンやタブレットが普及し、そちらが可搬性が高くおまけに高性能な汎用マシンなので、ポケットコンピュータのほうの需要は無くなったのである。

また、PCにおけるBASIC言語はVisual Basicへと姿を変えたものの、Microsoft Officeのマクロ環境 (VBA) として、なおも多くのPCにおいてプリインストールされつづけてきた。これはBASICの使用経験があれば習得は容易で、初心者向けのプログラミング環境という点も継承している。当然ながらゲームのような複雑なプログラムを組むこともでき、従来ポケコンで行われていたような用途の多くはモバイルPCとOfficeでほぼカバーできることになる。もちろん昔ながらのBASIC環境や、それ以外のプログラミング言語についても、別途オンラインソフトや市販ソフト等で用意すれば利用できる。

2010年代中頃までは業界内でシャープのみが唯一製品の製造を続けていたが、少なくとも2015年にはポケットコンピュータの生産を終了している[1]。シャープが2009年に製造を開始したPC-G850VSがポケットコンピュータの最後の製品になった。
特徴
小型・軽量である
ポケットに入るサイズであり(多少嵩張る機種でも、ジャケットの内ポケットに差し込んで持ち運べる寸法に仕上げてあり、軽量。場所を選ばず、片手で持って使用できる。当時のラップトップ機(腕でしっかり抱えなければならない寸法で、かなり重い)と比べて明らかに可搬性に優れていた。
駆動時間が長い
乾電池リチウムボタン電池で連続100時間以上駆動できるものが多く、入手しやすい一般的な電池を使っていたので、いつでもどこでも電池切れを気にせず利用できた。学生が日に数時間使う程度であれば、一ヶ月以上電池切れの心配をしないで済んだ。
プログラミングが容易
即興で必要に応じたプログラムを作りやすいBASICが搭載されていた(後述)。
起動が速く、動作が安定
1秒弱で起動。フリーズは滅多に起こらず、オールリセットで簡単に初期状態に戻せる。
数学関数が豊富
関数電卓の延長にあるプログラム電卓から派生した製品なので、数学で利用するいくつかの関数が標準で用意されていた。ダイレクトコマンドとしても使えるので、数式を入力すれば瞬時に答えが出た。少し複雑な計算式でも、簡単なプログラムで対応できた。当時もプログラム可能な関数電卓は存在したが、BASIC言語を使った、より本格的なプログラミングができる点で優位であった。ただし初期の製品は関数キーをほとんど備えておらず、必ずしも関数電卓の代替となる製品ではなかった。実際に「関数電卓としても使えるポケコン」を求める要望が大学生協に寄せられ、これが転機となって、より豊富な関数や統計機能を搭載した電卓モードを持つ製品が開発されるようになった[2]。これ以降、多数の関数キーを備えた関数電卓の性格を持つ製品がポケットコンピュータの主流となっていった。
表示・記憶容量は小さい
当時の技術的な水準から、モノクロ液晶で12 - 32桁・1 - 4行程度の文字表示だけのものが多く、メモリ容量も当初は1KB程度であった。後に記憶容量の大きい機種も出たが、32KBを超えるものは少なく、超えたとしても標準では64KB程度だった。
メモリが実質的なストレージ
多くの機種では別売でカセットインターフェースが用意され、機種によっては専用FDDが用意されているものもあったが、それらを別とすれば、ポケコンでは基本的に本体メモリですべての処理を行う場合も多い。当時の多くのデスクトップPCに搭載されたROM-BASICとは違い、ポケコンはメモリ内容がすべてバッテリーバックアップされるため、行番号やラベルを変えて複数のプログラムやデータを格納しておくという手法が常態化していた[注 2]。このためメモリとストレージの区別は曖昧であり、機種によってはメモリの一部をRAMファイルとして確保できるものや、増設メモリに別途バッテリーを搭載する形でリムーバブルメディアとしても使えるものもあった。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:45 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef