ボルサリーノ_(映画)
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ボルサリーノ
Borsalino
監督ジャック・ドレー
(フランス語版)
脚本ジャン=クロード・カリエール
クロード・ソーテ
ジャック・ドレー
ジャン・コー
原作ユージェーヌ・サコマノ
製作アラン・ドロン
出演者ジャン=ポール・ベルモンド
アラン・ドロン
音楽クロード・ボラン
撮影ジャン・ジャック・タルベス
編集ポール・カイヤット
配給パラマウント映画
公開 1970年5月20日
1970年6月13日
上映時間126分
製作国 フランス
イタリア
言語フランス語
次作ボルサリーノ2
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『ボルサリーノ』(原題:Borsalino)は、1970年公開のフランス=イタリア合作の犯罪映画。ウジェーヌ・サッコマーノ著『Bandits a Marseille』(『マルセイユの山賊』の意)を原作とする。ジャック・ドレーが監督し、出演は当時フランスで大スターであり日本でも人気の高かったジャン=ポール・ベルモンドアラン・ドロンマルセイユの裏社会で大物になろうとする2人の若いチンピラの冒険を描く。

興行的に成功し、続編として1974年に公開された『ボルサリーノ2』がある。
ストーリー

1930年のマルセイユ。若いチンピラのロッコ・シフレディが刑務所から出所する。彼は恋人ローラを探すため、キャバレーのオーナー、ダンサーを訪ねるが、彼が自分を裏切って刑務所に送った人物であると確信し、キャバレーに火を放つ。ダンサーの指示でローラを見つけるが、シフレディが服役している間に彼女は同じペテン師のフランソワ・カペラという人物と付き合っていた。

殴り合いを経てシフレディとカペラは友人となり、力を合わせていく。魚市場で悪徳商人を排除してきた彼らは、もっとできることがあると気づき、一緒に街を征服することを決意する。マルセイユの食肉を扱うレストランのオーナーであるポーリと、地下カジノのオーナーであるマレーロという2人のゴッドファーザーを相手に、無節操で想像力豊かな彼らが活躍する。何者かの裏切りにより、ポーリの食肉倉庫への破壊工作は失敗し、撤退を余儀なくされる。彼らはすべてから逃れるために田舎に行き、新しい仲間を集め、新しい武器を買い、復讐の準備をする。そしてマルセイユに乗り込み、レストランの前でポーリを機関銃で殺害し、マルセイユの名士に名を連ねることに成功する。

マレーロの弁護士リナルディが市の助役への立候補を表明したとき、シフレディは彼を排除しようとするが、カペラは自分たちが真っ先に疑われるから当分何もしないようにと忠告する。しかし、リナルディは何者かに殺害され、カペラはシフレディが自分に黙ってこの攻撃を行ったと考え、彼に説明を求める。その直後、リナルディが病院で殺害される。ダンサーはシフレディに彼のナイトクラブを焼かれたときから彼を憎んでおり、2つの犯罪組織の間で彼を始末しようとしていたのだった。しかし彼はカペラの一味に暗殺される。

マレーロはカペラの親族を殺させる。カペラとシフレディは、マレーロのカジノに乗り込み、カペラがプレイしている間にシフレディが目立たないようにマレーロを暗殺する。その直後に自分たちの一味がカジノに強盗に入って混乱を起こし、自分たち二人は他の客と一緒に強盗の被害者となることで殺人のアリバイを作る。この企みは成功し、二人はマルセイユの闇社会を完全に支配するに至る。

シフレディは二人の成功を祝うレセプションを開くが、カペラはいずれ二人が必ず争いになり殺しあうと考え、マルセイユを出ることにしたと告げてその場を去るが、その直後に何者かに銃殺されてしまう。その死を看取ったシフレディのその後の消息を知るものはいないという字幕が出て物語は終わる。
キャスト

役名俳優日本語吹替
フジテレビ日本テレビテレビ朝日
フランソワ・カペラジャン=ポール・ベルモンド山田康雄羽佐間道夫山田康雄
ロッコ・シフレディアラン・ドロン野沢那智久富惟晴野沢那智
リナルディミシェル・ブーケ早野寿郎須藤健富田耕生
マレーロアーノルド・フォア(英語版)加藤精三松下達夫加藤精三
ポーリアンドレ・ボレ宮川洋一田中明夫
ローラカトリーヌ・ルーヴェル(英語版)弥永和子此島愛子弥永和子
エスカルケル夫人フランソワーズ・クリストファ(英語版)此島愛子福田公子寺島信子
ダンサークリスチャン・ティリティレ穂積隆信樋浦勉
ファンティ警部ダニエル・バネル宮川洋一阪脩
リナルディ夫人コリンヌ・マルシャン(英語版)有馬瑞香
ロッコの母ローラ・アダニ近松麗子
ジネットニコール・カルファン(英語版)榊原良子
不明
その他渡辺知子
倉野章子
雨森雅司
筈見純
富川K夫
秋元羊介
梅沢昌代
藤夏子
峰恵研
阪脩
村松康雄
松岡文雄
池田勝
藤本譲
田口昴
峰あつ子
鈴木れい子中村秀利
筈見純
田原アルノ
玄田哲章
藤本譲
飯塚昭三
峰恵研
山崎勢津子
尾崎桂子
川浪葉子

演出佐藤敏夫小林守夫
翻訳木原たけし宇津木道子
効果赤塚不二夫
調整前田仁信
制作東北新社
解説高島忠夫水野晴郎淀川長治
初回放送1975年5月23日
ゴールデン洋画劇場1977年2月16日
水曜ロードショー1983年9月18日
日曜洋画劇場

2014年4月2日発売のデジタルリマスター版DVD・Blu-rayにはテレビ朝日版の日本語吹替音声を収録。
製作
企画とキャスティング

本作の企画は、1968年8月にフランスのラマチュエル村で行われていた『太陽が知っている』の撮影中にアラン・ドロンとジャック・ドレーが交わした会話がきっかけとなった[1][2]。ドロンはちょうどそのころウジェーヌ・サッコマーノ著の『Bandits a Marseille』を読んでおり、自身の会社アデル・プロダクションズを通じてこの物語を映画化しようと考えており[3]、ジャン=ポール・ベルモンドとの初共演を希望していた[1]。ベルモンドに問い合わせたが、彼から返事は無かった。実際、ベルモンドはこのプロジェクトに興味を持っていたが、しっかりとした脚本を手にするまでは合意を拒否していた[4]。ドレーは、ジャン・カウ、クロード・ソーテとともに30ページの脚本を書き、それをジャン=クロード・カリエールに託して最終的な脚本とした[1]

ドロンは脚本に満足してベルモンドに送り、ベルモンドはオファーを受け入れて1969年3月に契約した[1][4]。この大きなプロジェクトを手掛けることになったドロンは、アメリカのスタジオであるパラマウント・ピクチャーズと手を組み、『Carbone et Spirito』(原作の主役である実在の人物カルボネとスピリト)というタイトルで予算1,400万フランで製作すると発表した[1][4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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