この項目では、霊長目に属する生物について説明しています。GNOMEのコンポーネントモデルについては「Bonobo」を、日本の音楽バンドのbonobosについては「bonobos」をご覧ください。
ボノボ
ボノボ Pan paniscus
保全状況評価[1][2][3]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書I
分類
シンシナティ動物園の飼育個体
ボノボ(Pan paniscus)は、哺乳綱霊長目ヒト科チンパンジー属に分類される霊長類。別名ピグミーチンパンジー[4][5][6]。 コンゴ民主共和国中部[6] 体長オス73 - 83センチメートル、メス70 - 76センチメートル[6]。体重オス42 - 46キログラム、メス25 - 48キログラム[5]。同属のチンパンジーと比較すると、体型は細い[4][5][6]。頭部の体毛は中央部で左右に分かれる[6]。側頭部の体毛が直立し、外観では耳介が不明瞭[4][6]。 チンパンジーに比べて上半身が小さく、それに比例して脳容量も小さい。赤ん坊はか細く、頼りない状態が長く続く。 顔の皮膚は黒い[4][5][6]。同属のチンパンジーと比較すると、四肢は長い[4][6]。 メスは発情すると性皮が膨張しピンク色になる[6]。 種小名 paniscus は属名 Pan と同義で、ギリシャ神話の神パンに由来する[4]。 本種は1928年に初めて発見された。興味深いことに発見地は生息地であるアフリカではなく、ヨーロッパであった。ドイツ人の動物学者エルンスト・シュヴァルツ(Ernst Schwarz)が、ブリュッセル近郊Tervurenにあるベルギー領コンゴ博物館(現:王立中央アフリカ博物館)のチンパンジー標本を比較していた際に、これが従来のチンパンジーとは異なる新種であることを発見した[7]。 野生のボノボの生態は、保護を目的として研究が進められた。また、加納隆至らは、コンゴの赤道州ワンバ地区で直接観察による調査を開始した。この調査は、内戦の影響による中断を経て、現在でも黒田末寿、古市剛史、伊谷原一らによって20年以上の長期にわたり続けられている。 低地にある一次林や二次林・湿地林に生息する[6]。樹上棲だが、前肢の指関節外側を接地して地表を四足歩行(ナックルウォーク)することもある[6]。昼行性で、夜間になると樹上に日ごとに違う寝床を作って休むことが多い[3][6]。22 - 58平方キロメートルの行動圏内で生活し、1日あたり1.2 - 2.4キロメートルを移動する[6]。複数頭の異性が含まれる50 - 120頭の群れを形成して生活するが、複数頭の異性が含まれる6 - 15頭の群れに分散することが多い[6]。オスは産まれた群れに留まり、メスは別の群れに移動する(父系社会)[8][9][6]。具体的には生後4 - 5年で母親や他個体から離れるようになり、生後10年ほどで他の群れに合流する[5]。一方で群れの中心にいるのはメスで、採食などの際にはメスと幼獣がよりよい場所を独占してしまう[5]。 植物の葉、芽、草本、果実、蜂蜜、昆虫、ミミズ、小型爬虫類、ウロコオリス類やリス類などの小型哺乳類などを食べる[6]。群れの中で、食物を分配する行動が確認されている[6]。他個体に手を差し出すことで食物の分配を要求し[5]、この行動をされると最優位個体であっても拒否することは少ない[6]。 チンパンジーよりも直立二足歩行が得意で、食物を運ぶときなどに数十メートルを直立二足歩行することもある[10]。黒田末寿は、直立二足歩行がボノボの母親依存と言語獲得能力に関係しているのではないかと見ている[11]。 個体間の闘争は、チンパンジーと異なりほとんど観察されていない。そのため、平和的な動物であると考えられることが多い。ただし、雑食性で小動物や他種のサルを狩ることはある[12]。 個体間で緊張が高まると擬似的な交尾行動(マウンティング)、オス同士で尻をつけあう(尻つけ)、メス同士で性皮をこすりつけあう(ホカホカ)などの行動により緊張をほぐす[5][6]。
分布
形態
分類
生態ボノボの群れ
繁殖
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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