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ボディボード (Bodyboarding) は、ウォータースポーツのひとつ。専用のボードを使い、波が形成する斜面を滑走する。
ボディボードの略称をBB、ボディボードをする人をボディボーダーと称する。 ボディボードは1971年にハワイ島でモーレーブギー社創始者トム・モーレーにより考案された。1メートルほどの合成樹脂で作られた板に腹ばいになって波の上を滑走する。いろいろなテクニックがあるが、主なものにスピンとエルロロがあり、またドロップニー
概説
考案された当初は「ブギーボード」(モーレーブギー社の商標)と呼ばれたが、ボディボードで呼称は統一された。
道具があれば手軽に安全に波乗りを楽しめることから、夏の海開きした海水浴場ではサーフボードの使用は禁止されていてもボディボードはOKとしているところも多い。海水浴の遊具の1つとして楽しむ人から、ウェットスーツを着て冬でも海に入る人まで、幅広い層に親しまれている。
普及
起源
サーフィンの起源には諸説あるが、その中で後のボディボードの発明につながるものとして、アライアとパイプオーという道具の存在がある。
アライア
アライア[1](alaia:ハワイ語)は、古代ポリネシア人が波乗りをする道具として使用した木製のボードである。そのボードは主にアカシアの木から作られ、形も大きさも様々で、長さは7?12フィート(約200?370cm)、重さは最大で100ポンド(50kg)、フィン(スケッグ)は無くエッジ(レール)でコントロールするもので、スタンディングの他、腹ばいやニースタンディングでも乗られていた。1778年にイギリスの探検家キャプテン・クック(ジェームズ・クック)が3度目の航海でヨーロッパ人として初めて正式にハワイに接触し、その際にハワイの村人がそのようなボードに乗っていたことを航海日誌に記録している。それによると長さ3?6フィート(約90?180cm)のボードで腹ばいやニースタンディングで波に乗っていたという。
パイプオー
その後アライアから進化して、より近代的なパイプオー[2](paipo:パイポと書いてパイプオーと発音する)というノーズに丸みを帯びた140cmほどの現在のボディボードに近い形状のボードが誕生した。これは腹ばいで乗ることを基本としたが、フィン(スケッグ)が付けられ木製またはグラスファイバー製のものであった。このパイプオーからさらに安価で安全に楽しめるものを考え出したのが現在のボディボードの発明者トム・モーレー(Tom Morey)(1935年8月15日?2021年10月14日)である。
ボディボードの発明
ボディボードの発祥の地はハワイで、1971年7月9日にトム・モーレー[3](トーマス・ヒュー・モーレー:Thomas Hugh Morey)によって発明された。トム・モーレーはボディボードの発明者であり、ボディボードの父と言われている。サーファーでもあり、シェイパーでもあり、ジャズドラマーのミュージシャンでもあり、サーフィン関連の数々の発明をしたり、1965年には世界初のサーフィンコンテストも開催している。トムは南カリフォルニア大学を卒業後はダグラス・エアクラフト社で働き、専門スキルを活かしていくつかのサーフィンのギアを開発した。その後仕事を辞めて自分で会社を立ち上げ、それまでのノウハウを生かして更に複数のギアを発明し、その中の1つがボディボードであった。初めはスケッグ付きの6フィート(約183cm)でボトム材にエポキシ樹脂、デッキ材に柔らかいポリエチレンを使用したがうまくいかず、その後9フィート(約274cm)の発砲ポリエチレンフォームを2分割し、広告のチラシを下に敷いてアイロンを使ってフォームを成形するとうまくいくことがわかった。トムはそのボードに赤いマーカーペンで曲線を描いたところでいったん眠り、翌朝早起きして試作品が完成した。そのボードは長さ4フィート6インチ(137cm)、幅23インチ(58cm)、角ばったテール、緩やかに丸みを帯びたノーズ、シャープなレールで、重さはわずか3ポンド強(1361グラム)だった。トムはホンルズビーチ(ハワイ島西部コナ地区の海岸)に向かい、風の影響を受けた2フィートの波で試乗した。奇しくもそこはキャプテン・クックが初めてハワイに訪れた海岸から十数キロの場所だった。そして試乗を終えたトムはその時の感想をこのように述べた。「このボードを通して実に波を感じることができた。サーフボードでは波の微妙な感触まではわからないが、私の作品ではすべてを感じることができた。」そして「これはしなり、長持ちし、安く作れ、軽く、安全なものだ。神よ、これは本当にすごいことになるかもしれない。」と付け加えた[4]。彼はこのボードの名前をSNAKE(体のサイド(Side)、へそ(Navel)、腕(Arm)、ひざ(Knee)、ひじ(Elbow))としようとしたが、ジャズドラマーでジャズのテンポが好きだった彼にとってブギー(Boogie)という響きが良いことからこちらを採用し、ブギーボード(Boogie Board)を商標登録した。