ボクシンググローブ
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ボクシンググローブ

ボクシンググローブ(Boxing gloves)は、ボクシングで使用する用具のひとつで、拳を保護するために使用される。ボクシングと冠しているがキックボクシングなど打撃系の格闘技でも使用される。大きく分けて試合用のオンスグローブと練習用のパンチンググローブがある[1]
構造グローブの紐

動物の革を使用し、衝撃吸収剤を挟んで拳全体を包む構造をしている。最近ではサミング防止のストッパーが付けられている物が主流となっている。

バンデージを巻いた後に装着し、固定する。

プロ用は紐付きとなっていて、紐を縛ってさらにテーピングなどで固定する。

アマチュア用は有効打がわかりやすいように指の辺りを白に変えている。面ファスナー式が多い。
歴史

古代ギリシアのボクシングでは素手で戦っていたが、拳の保護のため手袋を使用するようになった。

古代オリンピックでボクシングが採用された際、ヒマンテスと呼ばれる雄牛の皮から作った革紐を巻いて拳を保護していた。

近代ボクシング黎明期には1743年の初のルールブック「ブロートン・コード」(Broughton's Rule) に従い、イギリスではマフラーと呼ばれるグローブが使用されていた。

1838年にロンドン・プライズリング・ルールズが制定された際に素手(ベアナックル)で戦うルールになり、グローブは廃止。

現在使用されているものは、1867年のクインズベリー・ルール制定とともに誕生した。
メーカー

20世紀初頭にはグローブメーカーとして、ドイツでは1910年設立のカスパーベルク・スポーツ、アメリカではエバーラスト(英語版)、イギリスのジョン・ウッドブリッジ・アンド・サンズ、メキシコレイジェスなどがあった[2]

その後、日本のウイニング、イギリスのロンズデール、ライヴァル、ドイツのアディダス、アメリカのグラントなどが製造を開始した。
グローブの規定
JABF

日本ボクシング連盟(JABF)では、シニアが片方10オンス、ジュニアはライトウェルター級までは片方10オンス、それ以上は片方12オンスと規定されている。
JBC

日本ボクシングコミッション(JBC)では、JBCルール第2部第14章において、試合で使用するグローブの階級ごとの重さなどを規定している。

男子はミニマム級からスーパーライト級まで片方8オンス(227グラム)、ウェルター級からヘビー級までが10オンス(283.5グラム)、女子はアトム級からフェザー級までが8オンス、スーパーフェザー級からは10オンスのグローブを用いる。一方、国際ボクシング機構(IBO)ではウェルター級以下が8オンス、スーパーウェルター級(ジュニアミドル級)以上が10オンスである。

グローブはすべてインスペクター検査済みの物を使い、タイトルマッチの際は更に未使用の(=会場で初開封する)物を用いる。

紐は必ず手首の外側で結び、その上をテープで巻く。グローブを折る、ねじ曲げるなどして詰め物の移動をはかったり、グローブの外部を傷つけたりしてはならない。

また原則として、興行のメインで行われる試合の場合には、選手がバンデージ(包帯)を着用した手をレフェリーが検査した後、リング上でグローブを着けることになっているが、インスペクター同席の下に控室で着用することも許可されており、試合運営上、この控室での着用が増えている。「包帯#競技にみられる具体例」も参照
近年の動向

1990年代初頭まで、WBAWBCともにミニマム級からスーパーフライ級までは6オンスグローブ(170グラム)を使用するのが通例であり、日本国内の公式試合もこれに従っていたが[注 1]、WBCが安全性を高めたいとの目的で1992年春以降で6オンスを廃止、WBA、JBCが1995年12月31日これに続いて使用を止め、6オンスグローブは世界的に使用されなくなり、多くのメーカーで製造が中止された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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